小池安雲の色の魅力
第110章
もう2月中旬にもなるのに、2月になった実感があまり湧かないまま過ごしていました。バレンタインデーのイベントが、例年に比べてひっそりと行われていたからかもしれません。お菓子屋さんの店頭で「会えないからこそ気持ちを贈りましょう」というPOPを見かけて、なるほどと思いました。消費の動向が変わり、お店の提案にも工夫が見られますね。感染予防に気をつけつつ、臨機応変に対応していく必要性を感じます。
私は先日まで百貨店でのキャンドル展示販売を行っていました。その店舗に伺うのは二年ぶりです。今回は自粛期間中なこともあり告知などは最低限行っただけでしたので、どのくらいのお客様が訪れてくださるのか想像がつきませんでした。
しかし始まってみれば、地元のお客様から「待っていたわよ」「前に買ったキャンドル、飾ってるわよ」と、温かいお言葉をたくさんかけていただきました。お越し頂いて嬉しい気持ちもありますが、それ以上に、お互いが元気に笑顔で再会できたことが何より幸せでした。無事であることは当たり前ではなく、こんなにも嬉しいことなんですね。ほかにも嬉しかったのは、二年ぶりでも覚えてくださっていたことです。
記憶の色は、グリーンです。木に年輪が残るように、グリーンは記録を表します。グリーンの色は、イエローとブルーから成り立っています。イエローは、刺激や知的好奇心、そして喜びの色。嬉しかったことや刺激を受けたことは記憶に残りやすいというのは納得ですね。ちなみにイエローは繊細な色でもあるので、傷ついたことも記憶しやすいです。良くも悪くも刺激を受けたことが残る、と言えるでしょう。
その刺激のイエローにブルーが加わるとどうなるのか? ブルーは感情や気持ち、コミュニケーションの色です。刺激を受けたことや楽しかった体験にコミュニケーションが加わると、さらに記憶されやすくなります。楽しさをお互いに分かち合ったり、感想を言い合ったりするのは最高の思い出になりますね。「最近忘れっぽいな」と感じたら、非日常的なことをしてみたり、それを誰かに話したりすると良いでしょう。勉強も、学んだあとにアウトプットをすると格段に記憶力が上がりますよ!
ここでいつものワンポイントアドバイス。グリーンは記憶に残す色ですが、気をつけないと情報が古いままで残ってしまいます。たまに刺激を取り入れないと情報が更新されないので、バージョンアップにご注意あれ!
2021年2月17日付・第2535号紙面より