グローバル・ペイメンツとHSBC銀行、英に合弁企業設立
【アトランタ(米ジョージア州)17日PRN=共同JBN】電子取引処理ソリューションの大手プロバイダーであるグローバル・ペイメンツ社(NYSE:GPN)は17日、英国のマーチャントと世界のインターネット・マーチャントに決済処理サービスを提供するため英国のHSBC銀行と合弁企業を設立することで合意したと発表した。新会社はHSBCマーチャント・サービシズの名称で営業する。
HSBC銀行は2007年12月31日現在、資産約2兆4000億ドル、83カ国・地域に1万余りのオフィスを有する世界最大級の金融サービス機関HSBCホールディングス(LSE:HSBA)の全額出資子会社。HSBC銀行の試算によると、同行の英国におけるマーチャント取得事業の市場シェアは約15%で13万5000のマーチャント店舗に決済カード処理サービスを提供している。
グローバル・ペイメンツのポール・R・ガルシア会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)は「世界で最も評価の高い金融機関のひとつであるHSBCがグローバル・ペイメンツとの関係を英国まで拡大することに同意したことを大変喜んでいる。われわれは広範なカード決済ソリューションを提供して顧客層を拡大することに専念するつもりだ。長期的には『単一ユーロ決済地域(SEPA)』イニシアチブを採り入れ欧州全域のマーチャントにシームレスな取得事業サービスを提供する非常に良い立場を築くつもりだ」と語った。
商業銀行業務担当グループ・ゼネラルマネジャーのアラン・ケイア氏は「HSBCマーチャント・サービシズの設立はアジアと北米における当行とグローバル・ペイメンツとの提携関係に基づいている。HSBCの広範囲に及ぶビジネスカスタマー・フランチャイズとグローバル・ペイメンツの取引処理経験を一体化することにより、HSBCマーチャント・サービシズは魅力的な提案を行う」と語った。
HSBCのカード取得事業責任者であるダレン・ウィルソン氏は「電子決済処理ソリューションの有力プロバイダーと提携することを喜んでいる。われわれの事業を理解している強力な会社の一部となることは、われわれのマーチャントカスタマーに歓迎され、400人の従業員に新たなチャンスを提供する」と語った。
グローバル・ペイメンツは契約条件、規制当局の認可、慣例の契約手続きに従って、合弁会社の株式51%を取得するためにHSBCに現金で4億3900万ドルを支払う。HSBCは残余の株式49%を支配し、英国内における既存のマーチャント取得事業を合弁会社に譲渡する。また、HSBCは英国での決済処理サービスのために同行の顧客を合弁会社に振り向ける期間10年のマーケティング提携にも同意している。この取引は2カ月以内に完了するとみられる。
2007暦年にHSBCの英国でのマーチャント取得事業は約2億2900万ドル(1億1400万英ポンド)の収益を生み出した。グローバル・ペイメンツは今回の提携により取引終了後の初年度に希釈後1株利益が増大すると予想している。グローバル・ペイメンツ経営陣は2008年7月に予定されている2008事業年度末の業績発表の際に今回の買収に関する説明を行う。詳細は添付概況報告書を参照のこと。また、同社はウェブサイト(www.globalpaymentsinc.com)の投資家関係欄で今回の取引に関しスライド付きプレゼンテーションを掲載している。
グローバル・ペイメンツ(NYSE:GPN)は米国、カナダ、中南米、欧州、アジア太平洋地域の消費者、マーチャント、独立販売組織(ISO)、金融機関、政府官庁、多国籍企業向けに電子取引処理サービスを提供している有力企業。クレジットカード、デビットカード、企業間購入カード、ギフトカード、電子小切手交換、電子小切手サービスを含む小切手の保証と確認、回収、端末管理など包括的な処理ソリューションを提供している。同社はまた、米国と欧州から中南米、モロッコ、フィリピンの送り先にあてた一般消費者の送金サービスを提供している。同社とそのサービスに関する詳しい情報はウェブサイト(www.globalpaymentsinc.com)まで。
【概況報告書】
◎グローバル・ペイメンツ社とHSBC銀行による英国での戦略的合弁企業設立
▽取引概要
グローバル・ペイメンツ社(以下グローバル)は、英国のマーチャントと世界のインターネット・マーチャントに決済処理サービスを提供するためHSBC銀行(以下HSBC)と合弁企業を設立することで合意した。新会社はHSBCマーチャント・サービシズの名称で営業する。契約の一環として、HSBCは英国での既存のマーチャント取得事業と顧客層を譲渡する。グローバルは、合弁企業の株式51%取得に要するHSBCへの4億3900万ドルの支払いに充てるため、手元余裕資金、米銀シンジケート団による新規長期貸付金、既存の(随時)米銀信用供与枠の一部を使用する予定である。HSBCは残余の株式49%を支配する。合弁企業の取締役会にはグローバルから3人、HSBCから2人が加わる。また、HSBCは決済処理サービスのため合弁企業に顧客を振り向ける期間10年のマーケティング提携に同意した。この取引は規制当局の承認と慣例の契約締結条件を必要とし、2カ月以内に完了するとみられる。
▽HSBC銀行のマーチャント取得事業
HSBCの英国におけるマーチャント取得事業の市場シェアは約15%とみられ、13万5000余りのマーチャント店舗に決済カード処理サービスを提供している。そのマーチャント・ポートフォリオに含まれるのは英国FTSE100指数を構成する企業のうち20社のほか、小売り、レストラン、旅行、エンターテインメント、保険、公益事業・ビジネスサービスといったさまざまな垂直市場の小規模マーチャントなど。マーチャント取得事業部門は従業員400人で、経験豊かな経営陣によって運営されている。これら従業員の大多数はグローバル・ペイメンツに加わると予想される。
▽英国の決済カード市場
英国は欧州および世界でも屈指のクレジットカード、デビットカード市場である。2007年にはプラスチックカードで約3540億ポンドが消費された。このうち2210億ポンドはデビットカードによる49億件の取引、1330億ポンドはクレジットカードによる19億件の取引によるものだった。成人人口の84%に相当する4200万人がデビットカードを、同62%に相当する3100万人がクレジット・チャージカードを保有していた。全体では1億6500万枚の決済カードが発行されており、その内訳はデビットカード7200万枚、クレジットカード6700万枚、チャージカード600万枚、ATM限定カード2000万枚、小切手保証カード50万枚だった。1人当たりの決済カード保有ベースで見ると、英国ではクレジットカードが1人につき2・4枚、デビットカードが同1・6枚だった。
過去10年間、英国のカード業界は消費者が現金や小切手などの伝統的な決済方法よりもカード決済への切り替えを選好したことにより成長してきた。個人消費に占める現金の割合は1996年の39%から2006年には26・5%まで低下した。その結果、小切手の使用も大幅に減少し、全個人消費に占める割合が1996年には29%だったが2006年には16%に低下した。この減少率は米国におけるよりも急速で、その理由のひとつはもはや小切手を受け付けないあるいは小切手の使用に厳しい制限を設ける英国のマーチャントがますます増えているからである。電子決済への全般的移行に加えて、英国ではインターネット経由の取引が大きく伸びた。英国の決済団体APACS(銀行共同支払決済機構)によると、インターネット経由のカード決済は過去5年間に約4倍増加し、2007年には340億ポンドに達した。
▽成長の機会
グローバルとHSBCの戦略的合弁事業には数多くの成長の機会が存在する。当面の優先課題は、特定のマーチャント分野の標的化、営業チームの訓練強化、新たな販売自動化ツールの採用、焦点を絞った販売方法の採用など多くの重要な直接販売イニシアチブを実行することである。さらに、この合弁企業はインターネット経由の取引処理用のグローバルなソリューション開発のためにHSBCがこれまで行った大規模な投資の活用を計画している。HSBCは広範囲にわたる世界的な活動を展開しているため、この合弁企業には少なくとも37カ国、35通貨でインターネット経由のマーチャント取得サービスを提供する力がある。
長期的には、この合弁企業は単一ユーロ決済地域(SEPA)イニシアチブを採用して欧州全域での成長に備える計画である。多くの欧州諸国は独特のデビット・スキームにより競争が制限されている。こうした制約はSEPAの採用により撤廃が予想される。
その他の成長の機会には、オンラインでのマーチャントのメッセージなど米国では一般的かも知れないが欧州全体ではまだそれほど普及していない新しい製品とサービスの導入が含まれる。
▽競争上の優位性
英国ではこの合弁企業はマーチャント取得サービスを提供している複数の国立銀行と主として競争することになる。そういうわけで、合弁企業の最も魅力的な競争上の優位性としては両社が合弁企業に与える強力な特質が挙げられる。グローバルの独特の活動焦点と電子取引処理の経験、グローバル経営陣の経験とリーダーシップ、HSBCとグローバルの経営資源の統合、HSBCブランドの価値と同行の市場における地位、さらに現地に関する知識は、合弁企業が世界第2位の決済市場で効果的に競争できる戦略的状況を生み出す。また、合弁企業は期間10年のマーケティング提携契約によりHSBCの英国内の支店や関連組織からマーチャントの紹介を受けることもできる。
▽財務面への影響
2007暦年にHSBCの英国でのマーチャント取得事業は約2億2900万ドル(1億1400万英ポンド)の収益を生み出した。グローバル・ペイメンツは今回の提携により取引終了後の初年度に希釈後1株利益が増大すると予想している。長期的には、グローバルは合弁企業が英国と欧州の他の国にさらに進出するため、この取引により売上高と利益が大きく伸びると予想している。グローバル・ペイメンツ経営陣は2008年7月に予定されている2008事業年度末の業績発表の際に今回の買収に関する説明を行う。
▽HSBC銀行について
HSBC銀行は、欧州、アジア太平洋地域、米州、中東、アフリカで事業基盤を確立している世界屈指の銀行業務・金融サービス機関であるHSBCホールディングス(LSE:HSBA)の全額出資子会社。HSBCグループは83カ国・地域にある1万のオフィスに配置した33万人の従業員で、世界の約1億2800万の顧客にサービスを提供している。2007年12月31日現在、HSBCホールディングスの保有資産は2兆4000億ドルだった。HSBCホールディングスの株式はロンドン、香港、ニューヨーク、パリ、バミューダの証券取引所に上場されている。同社の株式は約100カ国・地域の株主20万人以上が保有している。
▽グローバル・ペイメンツ社について
グローバル・ペイメンツ(NYSE:GPN)は米国、カナダ、中南米、欧州、アジア太平洋地域の消費者、マーチャント、独立販売組織(ISO)、金融機関、政府官庁、ゲーム関連企業、多国籍企業向けに電子取引処理サービスを提供している有力企業。クレジットカード、デビットカード、企業間購入カード、ギフトカード、電子小切手交換、電子小切手サービスを含む小切手の保証と確認、回収、端末管理など包括的な処理ソリューションを提供している。同社はまた、米国と欧州から中南米、モロッコ、フィリピンの送り先にあてた一般消費者の送金サービスを提供している。同社とそのサービスに関する詳しい情報はウェブサイト(www.globalpaymentsinc.com)まで。
(共同通信PRワイヤー)
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- [金融・保険]グローバル・ペイメンツとHSBC銀行、英に合弁企業設立 2008/06/19 木曜日