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幼児死亡の予防を、ロタウイルスで専門家会議

 【イスタンブール5日PRN=共同JBN】専門家がロタウイルス・ワクチンの進展と有望性の調査について報告―67カ国からの世界の有力な科学専門家、政策立案者、有力な公共保健専門家ら約350人が5日、ロタウイルス(幼児が急性の下痢を起こし、死亡につながることも多い病気)についての新しいデータを紹介するため、トルコのイスタンブールで開かれている第8回国際ロタウイルス・シンポジウムで会議を開いた。

 サビン・ワクチン研究所のシロ・デクアドロス博士は「どこに住んでいようと、子どものほぼ全員が3歳までにロタウイルスに感染する。しかし、ロタウイルスによる子どもの死亡の90%は世界で最も貧しい国々で起きている」と語った。

 フォガティー国際センターのロジャー・グラス氏はこれに付け加えて「この病気に苦しんでいるすべての国はこの新しい知見を利用してこの病気による死亡の危険を予防するための最善の方法について熱心に討議すべきだ」と述べた。

 6月3,4日にシンポジウムでは次のようなデータが報告された。

 ― ロタウイルスが原因とされる5歳以下の子どもの死者は毎年52万7000人と推定されている。
 ― アフリカ、アジアの6カ国がこのうち50%を占めている。インド、ナイジェリア、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、エチオピア、中国、パキスタンの6カ国である。
 ― ロタウイルスは世界で年間200万人の入院の原因である。
 ― 世界で5歳以下の子どもの下痢による入院の35―60%はロタウイルスによるものである。

 米国疾病予防管理センター(CDC)のウメシュ・パラシャル氏は「この病気はリソースが限られておりすでに負担が重くなっている諸国の保健システムを弱体化させているので、進歩は重要である」と語っている。

 監視データは50カ国以上で収集されている。これら諸国の多くからのデータ所見は今後2年以内に利用可能になりそうだ。

 世界保健機関(WHO)のクリスティアナ・トスカーノ氏は「各国間で不和が続いていることはほぼ毎日のように耳にしているが、それにもかかわらず67カ国の科学、政策、公共保健のリーダーが何百万人ものこどもの死を防ぐという共通の目的のために集まった」と述べた。

 国際的な世界保健組織PATHのジョン・ウェッカー氏は「子どもの命を救うために重要な役割を果たすことを次第に示しているロタウイルス・ワクチンの研究を含め、下痢疾患予防のための有望な活動について、説得力のある世界の新しいデータ、知見を共有できることに興奮している」と語っている。

(共同通信PRワイヤー)


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