タスクフォース設置を提唱、「世界農業機関」の設立へ
【パリ5日PRN=共同JBN】モマグリ(国際農業機関設立運動)の共同創立者で執行副社長のジャック・カルルス氏は、現在の世界的な食糧危機の解決を任務とする「世界農業機関」を発足させるための国際的なタスクフォースの設置を提唱した。
このタスクフォースは主要な世界的関係機関―FAO(国連食糧農業機関)、世界銀行、IMF(国際通貨基金)、UNCTAD(国連貿易開発会議)、UNEP(国連環境計画)、IFAD(国際農業開発基金)、WTO(世界貿易機関)―の経験を総合する。
このタスクフォースは、貧困との闘いと環境保全で農業が戦略的役割をあらためて主張できるように、ローマで開かれる世界食糧安全会議で採択すべき重要な決定を提示する。
事実、世界的な農業政策を確立することが絶対的に重要であり、これほどの説明責任の分裂、これほどの農業からの撤退を受け入れることはもはや許されないだろう。
― 公的開発援助のわずか4%しか農業に向けられず、その額は世界のGNP(国民総生産)の0・4%以下であることを忘れてはならない。
― どの将来モデルも農業の特殊性と固有の大幅な価格変動に適応していないため、現在の危機は予測されていなかったことを忘れてはならない。
― 食糧の安全性は人類の将来にとって基本的な問題であり、農産物市場で国際的な規制システムを実行すべきであることを忘れてはならない。
― 最後に、多くの人が農産物価格は今後も高値にとどまるだろうと考えているが、実際は周期的変動のピークに直面しているにすぎないことを忘れてはならない。この事実は4月9日に欧州議会で行ったモマグリのデモンストレーションで示された。
今後数年間についてこれらの結果を調べると、農産物価格の変動幅は特に投機によって拡大することが示唆されている。
問題の根幹は農産物市場に影響を及ぼす永続的な不安にあるので、これが世界の農業にとって重要な脅威である。
貿易は世界の農業製品の10%にしか関係していないので、いまや行動を起こし、WTO交渉から農業を切り離すべき時期である。
フランスは欧州連合(EU)議長国就任の用意ができており、モマグリ―共同創立者のピエール・パジェス氏が会長を務めているシンクタンク―は、将来のタスクフォースの作業文書となる創立原則と組織構造を含む将来の「世界農業機関」の枠組みを近く紹介する。 www.momagri.org
(共同通信PRワイヤー)
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- [国際情報]タスクフォース設置を提唱、「世界農業機関」の設立へ 2008/06/05 木曜日