デンマークのサクソ銀行、豪トライコム買収で覚書
【シドニー5日PRN=共同JBN】オンライントレーディングのグローバルリーダーであるデンマークの投資銀行、サクソ銀行(Saxo Bank A/S)はこのほど戦略的動きとしてトライコム・ホールディングス社、バブコック&ブラウン、ANZグループとの間でシドニーに本社を置くブローキングハウス、トライコムの株式の35%を取得することで覚書を取り交わした。この買収提案は完了すれば長年にわたってオーストラリア、ニュージーランド市場での立場を強化するというサクソの計画にとって重要なステップとなり、さらにアジア太平洋地域に置ける同社のビジネスを強化することになる。
今回の株式取得はサクソが3年以内に株式を100%取得するオプションも含まれるように意図されている。この取り引きは最終的な適正評価と当局の認可の対象となっている。新会社は2つの組織が既存の強力な関係と相互の能力を足場にしていくことを可能にする。この事業はサクソ・キャピタルマーケッツ・オーストラリアと改名される。
今回の提案に基づくと、この事業は幹部管理チーム、グローバルリソース、コーポレートガバナンス・フレームワークといったサクソの経験の恩恵を付け加えることになる。トライコムのランス・ローゼンバーグ最高経営責任者(CEO)とスタッフは現在の職務を継続することになる。
今回の買収によってサクソは極めて競争力があり利益を生むビジネス開発の促進が可能になる。新会社はシンガポールにあるサクソのアジア太平洋運営本社と緊密に連動することになる。
ローゼンバーグ氏は「オンライン株式・現金取り扱い世界大手企業と提携することは当社の事業、顧客、スタッフにとってわくわくすることだ。われわれはサクソ銀行をパートナーとすることでサクソ銀行のグローバルな専門知識、力、認知によってさらに資金調達ができもっと広範な事業展開可能になるだろう」と語った。
トライコムにはサクソの受賞歴を持つ独自の投資取引システム、サクソトレーダーから利益を得ている2000人の顧客がおり、既にサクソ銀行のパートナーである。
サクソ銀行の共同CEOであるキム・フルネ、ラルス・クリステンセンの両氏は今回の買収提案がトライコムとの5年間にわたる強力な関係を足場にしているものであると強調している。
両氏は「われわれとしてはビジネスを統合することで戦略的、運営的なシナジー効果を得るためローゼンバーグ氏、すべての従業員と共に働くのを心待ちにしている。われわれにとってオーストラリア、ニュージーランド市場は極めて重要であり大きな潜在力があると見ている。統合した力は顧客、パートナーの数と優れて仕事熱心なスタッフのチームが備わるという観点からみて直ちにそのプレゼンスを示すことができるだろう」と述べた。またサクソ共同CEOはそろってトライコムが現在ニュージーランド、香港、中国やその他の市場に進出しているのはサクソの戦略に完全に沿っていると指摘し以下のように語った。
「サクソ銀行のビジネスモデルと彼らの能力・知識、世界的ネットワークを組み合わせることで顧客、パートナー、スタッフに利益について極めて強力な提案を行えることになろう」。
「サクソ銀行はトライコムやいくつか他の金融機関と当社のユニークなホワイトラベル・パートナーシップ・アレンジメントを通じてオーストラリア、ニュージーランド市場で活発に動いている。今回の買収提案の長所のひとつはサクソ銀行がこれまで以上に顧客とパートナーの近くになり彼らのニーズと新規チャンスの発見で貢献するのにより良い立場に立つことである」。
今回の取り引き提案は2007年9月ジュネーブに本社を置くオンライン投資銀行、シンセシス銀行の買収に次ぐものである。2007年11月、米金融機関シティはサクソトレーダー・プラットフォームに基づくオンライン外国為替(FX)トレーディングでサクソ銀行をグローバルパートナーに選んだ。
取り引きは2008年6月初旬に完了すると予測されておりサクソ銀行の現金準備、融資で賄われる予定。取引終了後のバブコック&ブラウン、ANZグループの両社はこの事業に株式を保有し続けると予測されている。
▽サクソ銀行について
サクソ銀行(Saxo Bank A/S)は国際資本市場でオンライン投資を専門とする現代的な投資銀行である。同行はオンライントレーディングプラットフォーム「サクソトレーダー」を通じてポートフォリオ管理を行うほか、通貨、株式、CFD(証拠金取引)、先物、オプション、その他デリバティブの顧客による取引を可能にする。サクソトレーダーはサクソ銀行が開発し、現在は投資家がサクソ銀行を通じて直接、あるいはサクソトレーダーがインフラの必須部分を形成している同行のグローバルパートナーを通じて利用できる。サクソ銀行の重要な事業領域のひとつに「ホワイトラベリング」がある。これは同行のオンライントレーディングプラットフォームを他の金融機関やブローカー向けにカスタム化し、商標をつけることを意味する。サクソ銀行は世界で100以上のホワイトラベルパートナーを有し、177カ国余りで数千の顧客を抱えている。同行のウェブサイト(http://www.saxobank.com)へは毎日約6万5000人が訪れている。サクソ銀行は現在、62カ国で1300人以上の従業員を雇用している。
サクソ銀行の本部はコペンハーゲンにあり、ロンドン、ジュネーブ、チューリヒ、シンガポール、マルベージャ(スペイン)にオフィスがある。また、北京には駐在員事務所、サンクト・ペテルスブルクにはIT開発センターがある。
http://www.saxobank.com
http://www.saxobank.ch
http://www.saxobank.dk
http://www.saxobank.co.uk
http://www.saxomarkets.com.sg
http://www.saxotrader.es
http://www.saxosoft.com
▽トライコム(Tricom Equities Limited)について
トライコムはオーストラリアのグローバル投資顧問取引企業で企業、金融機関、投資の顧客に対し価値を創造する知識と技能を備える人員を持っている。トライコム・グループは顧客にキャピタルマーケットと企業へのアドバイザリー、資産管理のようなブローキング・ソリューションを提供する。トライコムは個々の商品に焦点を当てるよりもトライコム・ソリューションのポートフォリオを顧客に提供することによって価値を強化するのを目標としている。この焦点の当て方は株式非公開会社で社員による株式保有という背景を反映したトライコムの企業文化によって支えられている。トライコム・グループは1994年に先物仲介専門企業としてシドニーに設立され、まずオーストラリア全域に急速に拡大し、次いでニュージーランド、スイス、香港、中国へと国際的に進出した。トライコムには現在230人の従業員が世界13のオフィスで働いている。
http://www.tricom.com.au
(共同通信PRワイヤー)
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- [国際情報]デンマークのサクソ銀行、豪トライコム買収で覚書 2008/05/07 水曜日