JFEスチールのクロムステンレス鋼が市村産業賞功績賞を受賞
JFEスチールのステンレス鋼の主力商品であるニッケルフリー・モリブデンフリー高耐食フェライト系ステンレス鋼「JFE443CT」(21%クロム―0.4%銅―微量チタン添加)が、財団法人新技術開発財団(市村財団)から「第40回市村産業賞功績賞」を受賞した。受賞内容は次の通り。
▽受賞件名
SUS304代替ニッケル・モリブデンフリー21%クロムステンレス鋼の開発
▽賞
第40回 市村産業賞 功績賞
▽受賞技術の概要
近年のステンレス鋼需要の増加とニッケルの高騰により、汎用ステンレス鋼であるSUS304(18%クロム―8%ニッケル鋼)の価格が急騰したことから、原料の価格変動に影響されにくい、SUS304に代わる安価なステンレス鋼に対する需要が高まっていた。
JFEスチールは、高価な希少金属であるニッケルやモリブデンを一切添加せず、クロム含有量を21%まで高め、0.4%の銅を添加することにより、SUS304と同等の耐食性を有する高耐食フェライト系ステンレス鋼『JFE443CT』を、世界に先駆けて開発・商品化した。
『JFE443CT』は、SUS304と同等の耐食性を有すると同時に、製鋼プロセスにおける低炭素・低窒素化やチタンの微量添加、熱延プロセスによる組織制御により、優れた加工性、耐リジング特性も実現した、コストパフォーマンスの高い画期的な材料。高効率、高生産性の普通鋼兼用設備で製造できるように成分設計されているため、エネルギーの節約にも寄与している。
『JFE443CT』への需要は急速に増大しており、厨房機器、家電、建材、自動車、産業機械などへの適用が進んでいる。昨年5万トンを超えた年間販売量は、今後さらに拡大する見込みで、JFEスチールは、省資源ステンレス鋼である『JFE443CT』はSUS304に代わる、新しい代表鋼種として位置付けている。
<b>◆市村産業賞とはb> 新技術開発財団(市村財団)は、リコー(株)の創始者である故市村清氏の意思のもと、内閣総理大臣により設立許可され、昭和43年に設立された。同財団は故人から私財の寄贈を受け、以来30年以上にわたり新技術開発の助成ならびに市村産業賞・市村学術賞の贈呈などを行っている。
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- [-]JFEスチールのクロムステンレス鋼が市村産業賞功績賞を受賞 2008/04/25 金曜日