中国代替エネルギー事業強化、JICが投資
【香港22日新華・PRN=共同JBN】HKC(ホールディングス)社(以下グループ、香港証券取引所銘柄コード:190)の全額出資子会社で香港エネルギー・ホールディングス社(香港証券取引所銘柄コード:987)に社名変更するJ.I.C.テクノロジー社(以下JICまたはカンパニー)はこのほど、中国河北省ロナバオの風力発電地帯と内モンゴル自治区四子王旗の風力発電地帯における3件の代替エネルギー・プロジェクトとセルロースエタノール・パイロットプロジェクトに対する投資を開始した。
JICの単独で最大の株主HKCホールディングスを代表してエリック・エイ運営委員会会長は「グループの代替エネルギー事業の主要な手段として、これらの新プロジェクトはカンパニーにとって重要な最初のステップを意味している。中国政府は再生可能エネルギーへの投資を積極的に奨励してきた。同国の再生エネルギー法は国営電力会社が「きれいな」発電方法を使用している民間企業による発電を優先的に扱いプレミアム料金を払うように定めている」と語った。
また、同会長は「こうした好ましい市場環境を考慮すると、この3プロジェクトには大きな可能性があると予想しており、今後数年間で拡大を続ける中国エネルギー市場開拓の強力な基礎をJICに与えると確信している」と語った。
▽ロナバオ風力発電地帯
JICと中国エネルギー保存投資公社(CECIC)は2008年4月18日、全額出資子会社HKE(ダ・ハー)ホールディングスを通じて河北省張北郡ロナバオで100メガワット(MW)の風力発電プロジェクトに関する包括的投資・開発契約に調印した。このプロジェクトの予定投資総額はおよそ9億5078万人民元(約10億5290万香港ドル)で、JICとCECICはそれぞれ登記資本金の30%と70%を拠出する。総能力100・5MWの1500キロワット風力タービン67基に投資、開発するために、プロジェクト関係者は河北省開発改革委員会(DRC)の仮承認を既に取得している。このプロジェクトに基づき建設される風力発電地帯は豊かな風資源を利用できる河北省張家口市バシャン高原の戦略的位置にある。風力タービンの建設は2008年第2四半期に始まり、2010年にはフル稼働するとみられる。
▽内モンゴル自治区四子王旗の風力発電プロジェクト
JICはこの地域で50MWの風力発電プロジェクトを建設、運営する権利を全額出資子会社を通じて四子王旗DRCに申請している。同社は総発電能力49・5MWの1500キロワット風力タービン33基の建設に総額およそ4億8055万人民元(約5億3210万香港ドル)を投資する予定である。JICは2008年第2四半期に建設を開始し、2009年末までにこの風力発電のフル稼働実現を目標としている。
▽セルロースエタノール・プロジェクト
2008年4月17日、グループは全額出資子会社HKE(バイオマス)ホールディングスを通じて、ジーンハーバー(香港)テクノロジーズ社(以下ジーンハーバー)が開発した「セルロースエタノール技術」(以下「技術」)を使用するセルロースエタノールのパイロットプロジェクトへの投資に関する技術移転協力契約を結んだ。
カンパニーはまず出資金として1732万5000香港ドルを活用して「技術」の55%の権利をジーンハーバーから取得する。カンパニーとジーンハーバーは新しい合弁企業を設立し、技術と生産プロセスの可能性を実証するためセルロースエタノールのパイロット工場を建設する。
もし成功すれば、JICはアジア全域で「技術」の商業化を目指す。JICが90%、ジーンハーバーが10%保有するもうひとつの技術企業テクサービシズ社(TechServices Co)を設立する。テクサービシズは「技術」を使用・商業開発する唯一かつ排他的な代理店で、大中華圏と東南アジアでセルロースエタノール生産に使用する関連酵素の販売・流通に従事する。
2000年に設立されたジーンハーバーは香港の民間バイオ企業。同社は酵素を中心とした画期的なバイオ製品と医薬品の開発に重点を置いている。遺伝子工学、タンパク質工学、生化学、遺伝学、工業発酵、バイオインフォマティクス、有機化学、コンピューターデザイン、高スループットスクリーニング、工業酵素学における現在の知識と技術を統合するジーンハーバーの技術プラットフォームは、工業・農業・製薬・環境アプリケーションに合わせた新しい製品の創出に極めて有効である。同社は2001年以来、バイオエタノールの研究を行ってきた。
現在、とうもろこしや砂糖のような資源から得られるエタノールの量には限界がある。これら原料に対する需要が食品価格に大きな圧力をかけていることを考えれば、非食用原料を使用することが重要である。セルロースエタノールは廃材や草などのリグノセルロース系バイオマスから作られるバイオ燃料である。セルロース系植物原料はどこにでもあるためセルロースエタノールは有力な非食用原料になる可能性がある。それはジーンハーバーやその生産工場から供給されるセルロース消化酵素を利用する。「技術」はセルロース系バイオマスを利用して妥当なコストでエタノールを生産するためにジーンハーバーが開発した先端的技術と処理方法を必要とする。
HKC(ホールディングス)はここ数年間、拡大を続ける代替エネルギー分野の開発に取り組んでおり、最近では2008年3月に中国重慶市にあるエタノール工場の過半数の株式を取得している。エタノール工場と最近のJICの3件のプロジェクトに加えて、グループはその他いくつかの代替エネルギー・プロジェクトへの投資を行ってきた。これに含まれるのは既に発電を開始して収益に寄与している中国黒竜江省の30MW風力発電所2カ所への投資、稼働日の目標を2008年以内と設定している内モンゴル自治区四子王旗地区における約49・5MWの発電能力を持つ風力発電プロジェクトの開発優先権の取得、河北省の200MW風力発電所を稼動させるためのCECICとの合弁事業への投資、CECICと発電能力200MWの合弁事業を確立することによる中国甘粛省の風力発電所への投資、2007年9月に操業を開始した中国山東省の廃棄物をエネルギーに転換する能力25MWの合弁工場への投資など。
エリック・エイ氏は「中国経済が繁栄を続け、中国政府がクリーンエネルギー消費を奨励する努力を強化しているため、代替エネルギー需要は増大する。バイオ燃料の大きな潜在的需要は別にして、この分野の新規参入の壁は高くわれわれは増大するチャンスを獲得する非常に有利な立場に置かれている。市場のトレンドと業界の性質の両方がグループの代替エネルギー事業に有利に作用する。われわれは中国本土の有力代替エネルギー企業になると確信している」と語った。
▽J.I.C.テクノロジー社(香港証券取引所銘柄コード:987)について
2008年3月、同社株式の74・99%はHKC(ホールディングス)が取得した。これに伴いHKC(ホールディングス)の代替エネルギー需要へのすべての新規投資はJICを通じて行われる。同社は香港エネルギー(ホールディングス)社に名称変更する予定である。詳しい情報はウェブサイト(http: //www.hkenergy.com.hk)まで。
▽HKC(ホールディングス)社(香港証券取引所銘柄コード:190)
同社は中国国内に重点を置いた不動産開発と投資活動に主として従事している。中国における大手代替エネルギープロバイダーでもある。2007年10月、サーベラス・アジア・キャピタル・マネジメントLLCがグループの第2位の大株主になった。2008年3月、グループはJ.I.C.テクノロジー社の74・99%を取得、代替エネルギー事業へのすべての新規投資はJICを通じて行われる。
詳しい情報はグループのウェブサイト(http://www.hkcholdings.com)まで。
(共同通信PRワイヤー)
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- [国際情報]中国代替エネルギー事業強化、JICが投資 2008/04/23 水曜日