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三菱重工が膜分離方式エタノール脱水システム開発

 三菱重工業は、バイオエタノールの製造工程で用いる新たなエタノール脱水システム(MMDS / Mitsubishi Membrane Dehydration System=商標登録申請中)を開発した。セラミック膜分離方式を採用したシステムで、従来の脱水方式(PSA法)に比べ、消費エネルギーを約40%削減できるのが特徴。実証プラントでの各種試験で所期の成果が得られたことから、2009年度内の市場投入を目指す。

膜分離方式のエタノール脱水システム.jpg 新たな脱水システムは、化学プラント分野で培った豊富な知見を駆使して開発したもので、無機膜で耐酸性に優れるセラミック多孔質型水分離膜を採用。

 装置は“メインスキッド”と“膜スキッド”の2段構成で、膜ユニットの増減により、あらゆる容量のエタノールプラントに対応できる。また、年間処理能力 20万トン規模の装置で、従来方式の1/6以下という大幅なコンパクト化を実現、さらに、メンテナンスも膜モジュールの交換のみという容易さで、交換時にもプラントの連続運転が可能となっている。

 実証試験はこの2月、北米で稼動中の商業エタノールプラントに実証機を設置し、膜分離脱水システム試験を実施、良好な結果を得た。

 ガソリン代替燃料として脚光を浴びるバイオエタノールは、サウトキビやトウモロコシなどの原材料を溶液化したのち発酵、濃縮させて生産されるが、このエタノール脱水システムにより、燃料用エタノールの製造に欠かせない脱水工程を画期的に改善することが期待される。

 バイオエタノールは、原油高を背景に自動車燃料としての利用が急伸、米国、ブラジルを筆頭に欧州などでも市場が急拡大している。とりわけ米国は2006 年以降、エタノール生産設備を急テンポで増強しており、2005年から2015年にかけて倍増することが見込まれている。
 当社はこのような市場動向を睨みながら今後、さらに実証試験データを蓄積し、新システムの早期の市場投入を目指す計画で、2009年度の初号機受注を見込んでいる。また、他の化学プラントプロセスに対する膜分離脱水方式の適用についても積極的に取り組んでいく。


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