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東京建物と大成建設「大手町タワー」一次竣工、自然との共生

大手町タワー
大手町タワー外観(写真・東京建物、大成建設)
 東京建物と大成建設は29日、東京プライムステージが千代田区大手町一丁目で開発を進めている「大手町タワー」が30日に第一次竣工することを発表した。大手町タワーの開発により、東西線大手町駅のコンコースが拡幅及びバリアフリー化され、大手町地区の地下ネットワーク機能の向上を図るとしている。なお、大手町タワーは日本政策投資銀行による「DBJ Green Building 認証(プラン認証)」の最高ランクである「プラチナ」の認証を受けている。また、商業ゾーン「OOTEMORI(オーテモリ)」は10月2日にI期グランドオープンする予定。

 大手町タワーの最大の特徴は、敷地全体の約3分の1に相当する約3600平方メートルにおよぶ「大手町の森」。これは「都市を再生しながら自然を再生する」という本計画の開発コンセプトを具現化した、都市開発における新たな試みだという。

 コンセプトは「単なる緑化ではなく、いっそ『本物の森』を創ったら面白いんじゃないか?」。具体的な検討が始まったのは約7年前。「都市を再生しながら自然を再生する」というこれまでの常識では考えも及ばなかった命題への挑戦がスタートした。

 「本物の森」とは何か?地盤の複雑なアンジュレーションにより沢には水も流れ、常緑樹、落葉樹、地被類など、それぞれ生育状況の異なる植物が混在する。また木々の高低や密集度により日射やその後の生育状況もそれぞれ異なり、生存競争に負けた木は朽ち果て、自然の肥料となり、やがて新しい芽を息吹かせる、そうした生態系サイクルを可能な限り再現することに「大手町の森」の原点があるという。

 樹木や地被類については、大手町というエリアの地形区分(地質の特性など)、気候区分(風土に合った潜在自然植生など)を考慮して選定し、200本以上の高木を配した。また日本を代表するビジネス街に「本物の森」を再現するために「プレフォレスト」という手法を活用した。千葉県君津市の山林約1300平方メートル(「大手町の森」全体の約3分の1)に、土の起伏やコンクリートスラブの勾配、樹木の密度や種類など大手町タワー計画地と同等に施工、植物の生育状況や適切な管理方法など約3年に亘る検証を経て、本敷地に移植するというもの。

 約3600平方メートルという纏まった緑により、ヒートアイランド現象の緩和、また近年頻発している局地的豪雨などに際しても、土壌の保水機能により地域の都市型水害の抑制に貢献する。その他にも、生物の移動拠点・地域全体の生物の個体数の増加への効果などが期待される。


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