ロサンゼルス・オートショー、未来の警察車両がエントリー
【ロサンゼルス2012年11月16日PRN=共同JBN】社会の変化は年々その速度を増し、世界経済のルールは画期的な技術進歩と急速に発展する新興国の登場によって次々と書き換えられている。第9回LA Auto Show Design Challenge(http://laautoshow.com/DesignChallenge)の一環として、世界トップの自動車デザイナーは、混雑した道路、電子的な交通監視と整理、人間行動の大幅な変化が到来する未来を想像し、それを具現化した。主要自動車メーカーのデザインスタジオ(http://laautoshow.com/DesignChallenge)間の競争が極めて激しい今年の分野には、2025年の究極の警察パトロール車両が登場した。陸と空から監視、追跡、法の執行を遂行する無人技術から、地形スキャナーを搭載した再生可能エネルギー燃料使用の車両に至るまで、今年のエントリー車両はダイナミックな都市環境を効果的に走行するために全く新しい形の検討を加えてデザインされている。
BWM グループ、ゼネラルモーターズ、ホンダ、メルセデス・ベンツ、スバル各社のデザインスタジオは今年のデザイン賞獲得を目指し、革新的技術と知見とを駆使して新しいハイウエー・システムの課題に対応する独創的なソリューション開発のコンテストに応募した。入賞デザインは、11月29日のLAオートショーのプレスデー(http://laautoshow.com/PressDays)でのイベントで発表される。
審査基準はさまざまな要素に基づいており、それには将来における先端技術の必要性の考慮、未来のフリーウエー・システムでのスピードと俊敏性、ソリューションの独創性、特定地域の排出ガス基準への対応、環境感度、メンテナンスとリサイクル可能性などが含まれている。
2012 Design Challengeには以下がエントリーしている。
▽BMW Group DesignworksUSA
BMW Group DesignworksUSAチームはE-Patrol (Human-Drone Pursuit Vehicle)向けの 2025年シナリオ作りの地域としてロサンゼルスを選んだ。同社の試みでは、ロサンゼルスは交通量の増加、高速車両、代替燃料源を搭載した車両が増えると予想した。デザインは、チームワークとアクセスのしやすさの両面を向上させるモジュール構造と無人技術を中心にしている。主要構造部分は3種類の無人技術を展開することを可能とする。交通が混雑した地域で追跡を行う際、2人乗りの主要構造部分に乗るパトロール警官は、容疑者を追跡し主要構造にデータを報告する無人飛行機か一輪車を展開できる。
▽General Motors Advanced Design California
ゼネラルモーターズはVolt Squadという新しい電気自動車システムを作り、最新技術満載のハイウエー・システムの課題に対処した。Volt Squadは「監視」「追跡」「(法の)執行」のコンセプトに従ってデザインされた三つの車両で構成されている。それぞれの車両は状況に応じて明確に規定された役割があり、カリフォルニア・ハイウエー・パトロール(CHP)に優れた柔軟性、プレゼンス、能力を提供する。VOLTの最新で電子的な推進システムが車体構造の中核となっている。
▽Honda R&D Americas, Inc., Advanced Design Studio, California
ホンダのAdvanced Designは、カリフォルニアのハイウエーの厳しい環境の中で、新たなインフラストラクチャーを構築しなくても、効率的かつシームレスに作動するように設計された2025年の車両ベース・システムCHP Drone Squadを開発した。このDrone Squadは二つの車両システムで構成されている。Auto-Droneは、Moto-Droneを展開する有人ないしは無人のミッションコントロール車両として機能し、捜査の際にもそのように機能する。Moto-Droneはさまざまな対処や救出ミッションに対応する無人モーターサイクルである。
▽本田技術研究所、アドバンストデザインスタジオ
本田技術研究所の「CHiPs」2025 Traffic Crawlerは、従来の交通問題に加え、環境上の制約から解放された車両が大型化する2025年の交通環境変化に対処するために、カリフォルニア・ハイウエー・パトロール指令オフィスが適応するために不可欠な機能を提供する。交通環境は、安全な自動運転への移行期ではあるものの、カリフォルニアがこれまで栄えた車文化を再び取り戻すために、複雑で課題を含んだものになる。厳格な交通規制の必要性に答え、ホンダは厳しい交通事情で対処する強靱(きょうじん)性を備えたスポーティーな動きを提供する新しいパトロール車両をデザインした。
▽Mercedes-Benz Research & Development North America, Inc.: Advanced Design Center California
2025年までには警察官は交通が電子的に監視・整理されるこれまで以上に混雑した道路、大幅に増加した人口、さらには人間行動の変化に適応する必要がある。「Mercedes-Benz Ener-G-Force」は環境に最も配慮したSUVとして、これらの要件を満たし、世界中の警察および警察官を支援する。デザイン面では、Ener-G-ForceはGクラスをベースにしている。Gクラスは1970年代から生産されているオフロードの象徴的な車両で、構造的にも技術的にも最新鋭SUVの未来を方向づけている。
▽Subaru Research and Development, Inc.
ハワイの新しい島々を結ぶパラダイス・ハイウエーの開通に伴い、スバルは最先端のSHARC(Subaru Highway Automated Response Concept)を初公開した。SHARCハイウエー・パトロール車両は、24時間のハイウエー監視、保護、迅速な緊急対応に対処する革新的で安価、かつ環境を配慮したソリューションを提供する。ハワイの厳格なカーボンニュートラル規制であるUltraGreenに適合し、世界のハイウエー・パトロール予算削減傾向を反映して、ゼロエミッションのSHARC車両は、再生エネルギーを動力源として自動運転を実現し、大人数の常勤ハイウエー・パトロール・スタッフの必要性をなくしている。
審査員は、サンフランシスコのアカデミー・オブ・アート大学(Academy of Art University)インダストリアルデザイン大学院でエグゼクティブディレクターを務めるトム・マタノ氏、デトロイトのカレッジ・オブ・クリエーティブ・スタディーズ(College for Creative Studies)学長兼チーフ・アカデミックオフィサーのイムレ・モルナー氏、パサデナのアート・センター・カレッジ・オブ・デザイン(Art Center College of Design)輸送機関デザインのチェアであるスチュアート・リード氏らが担当する。カリフォルニア・ハイウエー・パトロール11-99ファウンデーションのボードメンバーで、元レーサー、ピーターソン・オートモーティブ・ミュージアム元会長のブルース・メイヤー氏がことしのゲスト審査員となる。
LA Auto Show Design Challengeは、自動車座席シート、排ガス規制技術、インテリア・システム、自動車外装を専門とする世界6位の自動車部品メーカーFaurecia、米国、欧州、日本の自動車メーカーと緊密な協力を進め最新のコンセプト車両用のタイヤを開発するヨコハマタイヤがスポンサーとなる。Design Los Angelesを実現するその他のスポンサーには米国不織布工業会(Association of the Nonwoven Fabrics Industry、INDA)、Lacks Enterprises, Inc.、ダッソー・システムズ(Dassault Systemes)、イーストマン(Eastman)、オートデスク(Autodesk)、ボーズ(Bose)などが名を連ねている。
▽Design Challenge(デザインチャレンジ)について
Design Challengeは毎年開催され、今年は11月28、29の両日のLA オートショー・プレスデーの際に実施される。過去9年間、Design Challengeは年ごとに新しいテーマを選び、大手自動車設計事務所が自らの能力を示し、互いに競い合いながら自動車デザインの新しいアイデアを開拓してきた。LAオートショー・プレスデーは北米最大のデザイン・プロフェッショナルの集まりで、世界中の自動車業界の幹部が集まる「デザイナーズ・ナイト」パーティーなど、デザインに特化したさまざまな行事を開催する。
Design Challengeはジャーナリストから高い評価を受けて、アジア、欧州、米州でメディアに広く報道されてきた。写真など詳細は以下のウェブサイトで入手できる。
http://www.laautoshow.com/DesignChallenge
▽ロサンゼルス・オートショー(Los Angeles Auto Show)について
2012年LAオートショーはシーズン最初の主要な北米の自動車ショーとして、自動車業界にとって最も重要な新型車デビューの舞台であり、シーズンの方向を打ち出す。日程は11月28、29の両日がプレス向け、11月30日から12月9日までが一般公開される。メディア関係者がLAオートショーでプレスカードを受け取るためのオンライン登録は11月16日が最終日になる。プレスデーに続き、ショーは世界で最も参加者が多い一般向けオートショーになる。最新のショー関係ニュースおよび情報を得るには、Twitter(twitter.com/LAAutoShow)、Facebook(facebook.com/LosAngelesAutoShow)でフォローし、アラートを受け取るにはウェブサイト(LAAutoShow.com)で登録を。
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- [四輪・二輪]ロサンゼルス・オートショー、未来の警察車両がエントリー 2012/11/16 金曜日