節電要請きょう終了へ、節電効果は11% 関電発表
政府が、関西電力や四国電力、九州電力それぞれの管内に要請していた節電期間が7日、終了する。心配された計画停電は一度も実施されるずに回避される見通し。7日発表した関西電力のコメントによれば、大阪は9日連続で猛暑日を記録するなど平年以上の暑い夏となったが、最大電力が2682万キロワットであり、想定していた2987万キロワットを約300万キロワット下回った。電気使用率実績では90%以上を4回記録しただけで、95%を超えることなく、乗り切ることができた。節電効果としては、一昨年と比べ最大電力で約11%にあたる約300キロワット減少しており、要請していた10%以上を上回ったという。以下は、関西電力のコメント。原文そのまま。
<関西電力発表コメント>
この夏の節電のお願いに対しまして、多大なるご協力を賜りました、法人のお客さま、ご家庭のお客さま、各自治体・地域の皆さまに、心より厚くお礼を申し上げます。本日まで、厳しい需給状況の中、すべてのお客さまに様々な方法でこれまで以上に節電へのご協力を賜りましたおかげで、広域的な停電を回避し、また、万が一のセーフティネットとして準備していました計画停電についても実施することなく、何とかこの夏を乗り切ることができました。皆さまに大変なご不便とご迷惑をお掛けしましたことを改めてお詫び申し上げますとともに、節電に格段のご理解、ご協力を賜りましたことに厚くお礼申し上げます。
この夏は、梅雨明け以降、気温が高めに推移し、大阪で7月26日から9日連続で猛暑日となるなど、平年以上に暑い夏となりましたが、最大電力が2682万kWとなり、想定していた2987万kWを約300万kW下回りました。この要因としましては、皆さまにご協力を賜った節電の効果が、過去2度の節電を大幅に上回っていることが大きく影響していると考えています。具体的な節電の効果については、一昨年と比べて、最大電力で約11%にあたる約300万kW減少しており、お願いしておりました10%以上の節電を上回るご協力を賜りました。
一方で、供給面では、海南発電所2号機の再稼動や姫路第一発電所のガスタービン設置に加え、大飯発電所3、4号機が7月に再稼動しましたことから、8月の供給力は2,988万kWとなり、5月に想定していた2,542万kWから400万kW以上増加しました。あわせて、火力発電所の定期点検を秋以降に繰り延べるなど、供給設備を可能な限り活用しながら、日々の点検の強化等によってトラブルを回避し、安全・安定運転に努めるとともに、他の電力会社や自家発電設備から追加で調達するなど、さらなる供給力の確保に全力を尽くしてきました。
これら需給両面での取組みの結果、でんき使用率の実績は90%以上を4回記録しただけで95%を超えることなく、この夏を乗り切ることができました。
しかしながら、この夏は、クラゲが大量に発生し、火力発電所の出力を最大120万kW近く抑制する中、気温の上昇による電力需要の急増や、発電所のトラブルなど大規模な電源の脱落といった不測の事態が重なる可能性もあったことから、今夏の安定供給のためには、大飯3、4号機の再稼動は必要不可欠であったと考えています。また、大飯3、4号機の再稼動は、高稼動を続けている火力発電所や水力発電所の柔軟な点検・保全が可能となるなど、供給設備全体の安全・安定運転による最大限の供給力確保にも大きく寄与しました。
今後の需給見通しについては、現在、この夏の節電効果を織り込んだ秋以降の需要を見極めているところですが、9月は3%程度の予備率を確保できる見通しです。しかしながら、秋以降、火力発電所の定期点検を実施する中、気温の変動等による電力需要の急増や発電所のトラブルなど、不測の事態により、電力需給がひっ迫することも考えられます。この秋につきましても、ご無理のない範囲で引き続き、節電・省エネにご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。当社は引き続き、大飯発電所3、4号機の安全・安定運転に全力で取り組むとともに、電力の安定供給に努めてまいります。
前後の記事
記事バックナンバー
- [電力・発電]節電要請きょう終了へ、節電効果は11% 関電発表 2012/09/07 金曜日