北米定期航空便数は10年間で最低=8月のOAG統計
【シカゴ2012年8月9日PRN=共同JBN】UBM Aviationブランドの一つで、フライトスケジュール情報市場の大手OAG(http://www.oag.com)が公表した最新統計によると、8月に北米内で運航される定期航空便は、8月としては過去10年間で最低になる。
2012年8月のOAG FACTS(便数と座席数のトレンド統計)(http://www.oagaviation.com/OAG-FACTS/2012/August-Executive-Summary)は、今月の北米内の定期航空便数が前年同月と比べて2万1401便少なく、総座席数は95万3083席少ないと明らかにした。今年1月から8月で見ると、便数は前年同期より2%、座席数が1%それぞれ減ることになる。
OAGの分析担当ディレクターであるロブ・ショウ氏は「北米地域では景気減速を背景に、地域内定期航空便の整理統合が進んでいる」と説明、次のように述べた。
「この数年明らかになった航空会社の買収から、ある程度は当然の流れだが、厳しい経営環境にある各航空会社が採算を維持するために便数を減らす戦略の結果でもある」
北米の上位10ハブ空港のうち、今月総座席数が増えるのは3空港(サンフランシスコ7%増、シャーロット5%増、トロント4%増)だけで、シカゴ・オヘア空港は3%の座席減となる。
一方、中東の長距離便の伸びが最もめざましい。北米と世界各地を結ぶハブのドバイ空港は、8月に便数と座席数がともに2%の増加。これは明るいニュースだが、中東で見られる最大級の長距離便の増加は、主にアラブ首長国連邦、中でもドバイが原動力だ。
8月に中東を離発着する定期便の数は7%増の6万4252便、座席数は8%増の1421万9564席に達する。これは2011年8月より便数で4000便強、座席数で100万席以上多い。中東内での航空便数は4%、座席数は3%それぞれ増えるとみられる。
中東のすべての主要ハブ空港は8月に大きく伸びる。座席数ではアブダビが24万8896席(17%)増、ドーハが24万4470席(11%)増、バーレーンが11万4560席(11%)増。しかし最も伸びが大きいのはドバイで、2011年8月より便数が2694便、座席数が78万2544席増える。
ロブ・ショウ氏は「戦略的に中東は、特に西欧との結び付きでずっと重要性を高めている」と指摘する。
同氏は「西欧とアジア太平洋地域の主要ルートは減便が続いているが、西欧と中東の間では座席数が40万席以上増えている。そのうちの70%以上はドバイとアブダビの発着便で、これは湾岸地域の大手航空会社の拡大計画が反映されている」と説明した。
▽世界の定期便数は1%増え、座席数は3%増加。
ドバイは世界の主要ハブ空港では最も成長が大きく、便数で12%、座席数で14%多くなる。
世界の上位10空港のうち8空港は今月、離発着する航空便の座席数が増加する。北京の座席数は前年同月比8%で、座席数世界一のアトランタにますます接近する。東京は前年同月比5%増の約37万5000席で、ロンドン・ヒースローに次いで世界4位を確保する。
世界全体では8月に便数が1万6948便、席数が960万8208席増え、総定期便数は278万9437便、総座席数は3619万3356席となる。伸び率は便数が1%、席数が3%で、この違いは1機当たりの席数増加を示す。1機当たりの平均席数は昨年8月の127席から129席に増える。
今年1月から8月では、便数が前年同期比2%、席数が3%それぞれ増加する。
世界の空港、航路、国家・地域についての情報、コメント、チャートを含む2012年8月版OAG FACTS(http://www.oagaviation.com/OAG-FACTS/2012/August-Executive-Summary)の詳細な調査結果は以下のウェブサイトからダウンロードできる。
http://www.oagaviation.com/OAG-FACTS/2012/August-Executive-Summary
OAG FACTSは毎月更新され、世界の航空会社の活動を視覚的に提供している。また双方向のグラフを使用し、世界の航空時刻表の統合データベースに保存されている過去10年のパフォーマンス動向を表示している。
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- [航空・宇宙]北米定期航空便数は10年間で最低=8月のOAG統計 2012/08/10 金曜日