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日本精工、自動車エンジン向け「低トルクタペットローラ軸受」開発

日本精工 日本精工(東京都品川区。大塚紀男社長)では環境問題を視野に入れた燃費向上をコンセプトに、自動車用エンジン向け「低トルクタペットローラ軸受」を開発した。同製品は、独自開発の特殊高周波焼入れの採用による長寿命化から容量アップが得られ、軸受における小型・軽量化の実現でエンジンの高効率化に貢献する。

 開発の背景をみると、近年の環境意識の高まりから、自動車には更なる燃費改善が求められている。なかでもエンジンにおいては、小型・軽量化や損失トルク低減など燃費改善を目的に、従来注目されていなかったエンジン周りの部品の改善、可変バルブタイミング機構の導入など、一層の高効率化が追究されている。

 エンジンは、多種多様な部品によって構成されており、その一つのロッカーアーム内に使用しているのがタペットローラ軸受である。この軸受は、カムシャフトとのフリクションロスを低減するために滑らか回転等の機能が求められる。ロッカーアームに加締め固定されることから軸端面を軟らかくする必要があり、従来品は高周波焼入れによる加工を施していたが、先述の燃費改善を目指したエンジン周り部品の改善には更なる対策が課題となっていた。

 その課題解決に、同社では独自研究による特殊高周波焼入れの開発に取り組み、表面に炭素と窒素を浸透・拡散させる浸炭窒化処理に成功。同熱処理をタペットローラ軸受に用いることで、高い表面強度及び耐久疲労強度が向上するなど、長寿命化、小型・軽量化、低トルク化を実現した。

 同社では、エンジンの小型・軽量化により、自動車の燃費改善貢献並びに最新のエンジンテクノロジーである「可変バルブ機構」導入時などエンジン周りの限られたスペースでの部品点数増加を可能にする製品効果をあげており、2016年に売上15億円を目指すものとしている。

【主な技術の特長】
 <1>特殊熱処理による転がり疲れ寿命の向上=タペットローラ軸受のころ及び軸に特殊熱処理を施すことにより、従来の2倍以上の長寿命化を実現。結果、同じ軸受寿命では従来比約20%の軽量化に成功した<2>小型・軽量化による低トルク化の実現=長寿命化技術を活用した小型・軽量化により、軸受単体で従来比30%~40%の低トルク化を実現した。


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