クロッカス社、システムチップ開発でスターチップ社と提携
【サンタクララ(米カリフォルニア州)8日PRN=共同JBN】磁性半導体の開発で業界をリードするクロッカス・テクノロジー社(Crocus Technology)とセキュアな半導体製品を量産する設計、認定に特化した製品プロバイダー、スターチップ社(StarChip)は8日、クロッカス社のマグネティック・ロジック・ユニット(MLU)技術を採用した次世代システム・オン・チップ(SOC)ソリューションの開発で提携したと発表した。
クロッカス、スターチップ両社は今回のコラボレーションによって、セキュアな次世代プロセッサーを採用したアーキテクチャーにMLUのメモリー、ロジック機能を埋め込むため協力することになった。クロッカス社が2011年6月に始めて発表したMLU技術は革命的なセルフレファレンス磁気アーキテクチャーを採用している。MLU技術はクロッカス社が開発したサーマリー・アシステッド・スイッチング(Thermally Assisted Switching、商標)(TAS)技術にスケーラブル性を付加し発展させたもので、高度な磁性ロジック、メモリー性能を業界で始めて実用的に実装したもの。
クロッカス・テクノロジー社執行会長のベルトラン・F・コンバー博士は「スターチップ社との協力関係は先進的なチップデザインにMLU技術を組み込みたいと考えている当社の顧客にとって理想的なソリューションになる。スターチップ社チームはインプリメンテーションに関しては確固とした実績を挙げており、当社としても迅速に大量生産を立ちあげようとする顧客を手助けする能力が向上する」と語った。
スターチップ社のリュシアン・ブロー社長兼最高経営責任者(CEO)は「スターチップ社はクロッカス社が当社と提携する決定をしたことを非常に喜んでいる。MLU技術は当社顧客にも大きな価値をもたらすと考えている。スターチップ社は埋め込み型ハードウエアのセキュリティーに関しては強力なノウハウを持っており、これにクロッカス社のMLU技術が持つ新しいセキュリティー機能を加えれば、セキュリティー市場に非常に革新的、先進的で欠陥が生じない堅牢なソリューションをもたらすものと考えている。スターチップ社としてはクロッカス社の埋込みデザインを多くの顧客に提供することができると考えている」と述べた。
▽クロッカス社について
クロッカスは一般、特殊両用途に使われる高密度、不揮発性、高速、スケーラブルなチップ・ソリューションに向けた磁性半導体技術の開発をリードしている。同社のマグネティック・ロジック・ユニット(Magnetic Logic Unit、商標)アーキテクチャーは革新的な自己言及(セルフレファレンス)技術を採用しており、同社のサーマリー・アシステッド・スイッチング(Thermally Assisted Switching、商標)の拡張版と言うべきもの。MLUは業界初となる最新磁性ロジックとメモリー能力の実装を実現している。クロッカス社の第1世代の磁性技術は当初フランス・グルノーブルに本拠を置くスピンテック研究所で考案されたもので、この世界的な磁気研究所はフランス原子力公社(CEA)とフランス国立科学研究センター(CNRS)という2つの代表的なフランスの研究所に付属している。同技術はその後、米カリフォルニア州に本拠を置くSVTC社で製造を目指して開発が進められ、現在は半導体のタワージャズ社でインプリメンテーションの最終局面にある。2011年10月、クロッカスはIBM社と共同開発に関する合意を発表し、さらなる技術開発を進めることになったが、その中ではMLUアーキテクチャーの先行開発に焦点が当てられている。クロッカス社の技術は包括的な特許ポートフォリオによってカバーされている。2011年5月には、クロッカス社とRUSNANO社は合弁会社クロッカス・ナノ・エレクトロニクス社(CNE)を設立、磁性半導体の先端施設を建設、運営していくことになった。クロッカス社について詳しい情報はウェブサイト(http://www.crocus-technology.com)を参照。
▽スターチップ社(StarChip、登録商標)について
スターチップ(StarChip、登録商標)は顧客に対して同社独自の最適化されたバリューチェーン・システムを提供するダイナミックな半導体企業。同社は半導体製品を大量生産に向けて設計、認証することを行っており、同社のソリューションはライセンスとして認証されたファウンドリーならびに試験企業を通じて顧客に販売されている。
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- [国際情報]クロッカス社、システムチップ開発でスターチップ社と提携 2011/12/09 金曜日