アジアや次世代機が航空業界の成長力=OAG統計
【シカゴ10日PRN=共同JBN】UBMエイビエーション(UBM Aviation、http://www.ubmaviation.com)のブランドであるOAGが公表した最新統計によると、世界の航空会社は2011年11月に6カ月連続で増便し、前年同月比で運航便数を4%、座席数を2・5%それぞれ増やす計画である。11月の「OAG FACTS(便数と座席数トレンド統計)」リポートでは、今月の便数は5万9639便増の240万便、座席数は1100万席増の3億1270万席となる見込み。座席数の多いボーイング747-8やエアバスA380といった次世代機が旧型機に取って代わり輸送力を押し上げている。11月の1便当たりの平均座席数は前年同月の125席から126席に増える。
地域的にはアジア太平洋が引き続き世界最大の航空市場で、座席数は世界の35.6%を占める。アジア太平洋内の座席数シェアは30.6%に当たり、11月は前年同月比8%増の約9600万席となる。北米内の座席数シェアは23%と2番目に多いが、前年同月より2.1%少ない。アフリカ離発着、北米内、欧州内の便数はそれぞれ6・0%、2・7%、0・6%減少する。
UBMエイビエーションのピーター・フォン・モルトケ最高経営責任者(CEO)は「米国や欧州、アフリカでは経済的不安定や政治の動揺がビジネスやレジャーのための旅行需要を妨げ始めている。こうした地域の世界平均に比較した運航便や座席数の伸びの鈍化は続くと思う。とはいえアジアでは歴史的な動きが見られ、11月には前年同月比で6空港多くなり、座席数は290万席増えた。経済危機の影響の可能性は除外するとして、アジア太平洋や発展途上国を離発着する旅行需要の増加は、今後長く航空業界全体の成長を支えるだろう」と語った。
格安航空(LCC)は11月に座席数シェアが24%と、欧州や北米での成長鈍化を背景に前年同月比で1%増にとどまる。ただ世界的に見たLCCの運航便数と座席数のシェアはこの10年足らずで倍以上になり、座席数は2002年11月の10%から今月は24%、運航便数では2002年11月の8%から今月は20%にそれぞれ拡大する。中東や中南米、アジア太平洋で引き続きLCCの座席数の伸びが大きく、前年同月比で20%、18・5%、17・1%ともに増える。
▽主要ハブ空港
世界で最も旅客数の多い米アトランタ空港は、便数で3%、座席数で1%減少する。世界第2の北京空港は便数で1%、座席数で3%の伸び。ロンドンのヒースロー空港は3位を維持し、便数で小幅減、座席数で小幅増となる。
世界のハブ空港を座席数の前年比伸び率を見ると、アルバニアのティラナが65%で最も高い伸び。続いてはメキシコ市(38%)、エストニアのタリン(37%)。リビアのトリポリは座席数で93%減と最大の落ち込みで、便数でも最も減少率が大きい。
予定便数ではティラナ空港は前年比57%増で最も高く、続いてウルグアイのモンテビデオ(50%)、イスラマバード(45%)となる。
世界の特定の空港、飛行ルート、国・地域についての情報、コメント、チャートを含む2011年11月のOAG FACTSの詳細については、以下のウェブサイトからダウンロードできる。
http://www.oagaviation.com/OAG-FACTS/2011/November-Executive-Summary
OAG FACTSは世界の航空会社の活動について視覚的な評価を毎月更新して提供している。OAG FACTSはインタラクティブなグラフを使用し、世界航空会社スケジュールのOAG統合データベースから提供される10年間の業績トレンドを表示している。
▽OAGについて
OAG(http://www.oag.com)はUBMエイビエーション(http://www.ubmaviation.com)が商標とする航空情報、分析サービスの信頼される情報源である。そのデータはOAGの総合的な航空スケジュール、運航状況、各航空保有機、受託整備産業(MRO)、貨物ロジスティックスのデータベースに基づく。OAGの航空スケジュール・データベースは1000社強の航空会社、4000カ所を超える空港について過去と将来にわたる運航便の詳細を網羅している。OAGが集めたデータは世界の流通システム、旅行ポータルサイトに提供され、世界の多くの航空会社、空港、航空管制システム、航空機メーカー、政府機関の内部システムを動かしている。詳しい情報はウェブサイト(http://www.oag.com)を参照。
▽UBMエイビエーション(UBM Aviation)について
UBMエイビエーション(http://www.ubmaviation.com)はUBM(http://www.ubm.com)の1事業会社で、航空旅行や輸送の買い手と売り手に幅広い製品とサービスを仲介している。UBMエイビエーションは世界航空業界に関連するデータや分析、コンサルティング・サービス、イベント、メディアの提供を専門としている。UBMエイビエーションの有力ブランドには、航空データと分析の公式プロバイダーである「OAG」、航空貨物業界向けのソリューション・プロバイダーの「OAGカーゴ(OAG Cargo、http://www.oagcargo.com)」、航空ルート開発フォーラム、イベントのマーケティングとネットワーキングの世界有数のプロバイダーである「ルーツ(Routes、http://www.routesonline.com)」、有力なルート開発コンサルタント企業の「エアポート・ストラテジー&マーケティング(Airport Strategy & Marketing、http://www.asm-global.com)」、「エアライン・パーチェシング&メンテナンス・エクスポ(Airline Purchasing & Maintenance Expo、http://www.apmexpo.com)」を含む国際航空展と会議のほか、「エアクラフト・テクノロジー・エンジニアリング&メンテナンス(Aircraft Technology Engineering & Maintenance、http://www.ubmaviationnews.com)」や「エアライン・フリート・マネジメント(Airline Fleet Management、http://www.ubmaviationnews.com/Publications/Airline-Fleet-Management)」など必読の航空関連出版物がある。詳しい情報はウェブサイト(http://www.ubmaviation.com)を参照。
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- [航空・宇宙]アジアや次世代機が航空業界の成長力=OAG統計 2011/11/11 金曜日