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フランクフルト自動車ショー、1012社が出展して開幕

【フランクフルト、ベルリン13日PRN=共同JBN】1012社が出展、183のワールドプレミアを擁するフランクフルト・モーターショー(国際モーターショー=IAA)が開幕、すでに多くのモデルが「走っている」。

「世界で最も重要なモビリティー展示会として、IAAは世界初公開製品183点を含む独自プログラムを提供する。自動車メーカーだけでワールドプレミア89点を披露するが、そのうちほぼ半数の45点が実際、ドイツグループのブランドである。部品供給業者の初公開製品は94点ある。総計32カ国の1012社が第64回国際自動車ショーに出展、先週になって小型スタンド5カ所が増設された。すなわち、781社が出展した2009年のショーを大きく上回り、好景気時代に大量出展された2007年のショーにほぼ匹敵する規模になった。展示スペース総計は23万5000平方メートルの新記録になった」

フランクフルトで12日行われたIAAの開幕記者会見で、ドイツ自動車工業会(VDA)のマティアス・ウィスマン会長はこう強調した。

第64回国際モーターショーは9月15日、アンゲラ・メルケル首相によって公式に開幕する。約90の記者会見を含む13、14の両日の「プレスデー」にはすでに、90カ国以上から1万人規模の記者が参加登録しており、一般には17日から25日まで公開される。「IAA2011」のスローガンは「基準として未来は来る」である。

「IAAは世界最大のメディアの反響を引き出す自動車展示会。政府高官が訪れ、メルケル首相のほか、フィリップ・レスラー財務相、ペーター・ラムザウアー運輸相らドイツの閣僚が参加する見込みだ。5人の州首相が参加を表明、フォルカー・ブッフィェー氏はヘッセン州首相がIAA開会式で挨拶するという伝統を維持する。ラインラント・ブファルツ州のクルト・ベック首相、バーデン・ビュルテンベルク州のヴィンフリート・クレッチュマン首相、ニーダーザクセン州のデービッド・マカリスター首相、ザールランド州のアネグレット・クランプカレンバウアー首相も参加する」とウィスマン会長は述べた。フランクフルトのペトラ・ロス市長も開会式で発言する。欧州連合(EU)を代表してギュンター・エッティンガー委員が出席する。インドのプラフム・パテル重工業相も参加、英国からはビジネス企業担当のマーク・プリスク国務相が出席を予定している。

IAAは伝統的に、F1レーシングドライバーの会合場所でもある。われわれが現在までに得た情報によると、レッドブルのセバスチャン・ベッテル、メルセデスのミハエル・シューマッハとニコ・ロズベルグ、フォースインディアのエイドリアン・スーティルがIAAにやって来る。さらに伝説のレーサー、ジャッキー・イクス、ハンス・ヨアヒム・スタック、ヴァルター・ロールが訪問を計画している。

ウィスマン会長は出展各社が何週間もかけてスタンド設置に取り組んできたと指摘した。特に、アゴラ広場の新設アウディ館、ダイムラーの「フェストハレ」改装、BMWの精巧なホール11設定など多くのスタンドがそうだという。出展各社は世界で最も重要な自動車展示会のプレゼンテーションを準備するため、計1万5000人以上の人々を雇用した。

ウィスマン会長は「これらすべては一つのゴールのため、つまり、自動車業界が提供する世界一刺激的な革新を魅力的かつ独特の舞台で入場者に見せるためである。IAAでわれわれが見ることができるのは、ほかのすべてのショーとフランクフルトを峻別するものでもあるが、主要自動車メーカー各社だけでなく、大中の部品供給業者各社もますます地球規模で活動、自動車に関連する付加価値製品の4分の3を占めるということだ」と強調した。

しかしながら、今回のIAAは一つの特別な点で以前のものとは異なるという。「これほど多くの自動車が『走る』ショーはなかった。『走るIAA』と言ってもいい」と会長は話す。その例として、BMWのホール11と屋外サイトF11における運転、アウディの館内サーキットを挙げた。フォードはホール9南側で試運転サーキットを提供、入場者はハンドルを握ることができる。ダイムラーはフェストハレ(ホール2)に加え、屋外サイトの運転機会を与えている。ジープは屋外サイトF12とF13にオフロードサーキット「キャンプ・ジープ」を開設した。部品供給業者のヴァレオは屋外サイトF10で自動駐車センサーを実演する。

従来のIAAオフロードサーキットはホール10(F13)の南東に位置している。合計24台の4輪駆動車両が訪問者を待ち受けている。これらは、ダイムラー、ヒュンダイ、オペル、シュコダ、双竜、スズキ、フォルクスワーゲン乗用車、フォルクスワーゲン商用車など。11社が新モデルのオンロード試乗を提供している。全体では車両200台が試乗可能である。アウディ、オペル、シートに加え、シトロエン、プジョー、ルノー、さらにヒュンダイ、韓国の起亜、シボレーもある。エルドガス・モビ社(erdgas mobi GmbH)とバレオ(Valeo)はIAAに6台を出展する。ホール4(F4)の前には、十数台の電動自動車が静粛なドライブに乗り出すために待機している。

ウィスマン氏は「IAAだけが最適化された従来のパワートレインとハイブリッド、プラグインEVとレンジエクステンダーから、100パーセントバッテリー駆動電気自動車と燃料電池自動車に至るまで、すべての範囲のパワートレインを展示する」と強調した。同氏は,「電気モビリティーのホール」(Hall of Electric Mobility)はこれら新型のパワートレインのための付加価値チェーン全体を展示し、これがIAAのもう一つの特徴であると指摘した。

IAAの開催者で「電気モビリティーのホール」を提唱したVDAは、展示者の電気モビリティー活動をそれぞれの展示スタンドで支援し補助する取り組みである「電気モビリティー・エコシステム」(electric mobility ecosystem)という新しいアプローチを採用している。VDAの社長は「われわれはIAAで、2万平方メートル以上におよぶ電気モビリティーに関するトピック専用の展示スペースを設けた。このためIAAは電気モビリティーのための世界最大の展示会でもある」と強調した。さらに「電気モビリティー会議」(Electric Mobility Congress)がVDAと他の業界団体(BDI、BDEW、ビットコム、VCI、ZVEI)との協力の下で9月21日に開催され、重要なゲストが参加する。約400人の参加者がこの会議出席に登録済みで、このイベントは予約がいっぱいとなっている。

業界で2番目に重要な未来技術トピックのネットワークト・カー(networked car)に関して、VDAとビットコムが9月22日に「カーIT」(carIT)会議を開催し、この重要な分野における革新のトレンドと優先順位について検討する。IAAでは、IAAインド・デー、IAA中国デー、スロバキア経済デーなど総計25のスペシャリストおよび国テーマのイベントが開催される。さらにVDAデザイン賞がIAAで授与され、今回が5回目となる。

IAAは他の類似の展示会よりも次世代を振興するイベントを多く開催する。これらには、グラマースクール最終年の生徒に照準を合わせたプログラム「ゴーイング」(GoIng)があり、約900人の生徒と先生が既に登録しており、これで2009年に始まった同プログラムの参加人数は2倍以上に達した。これと並行して、「ワーキング」(WorkING)というプログラムは大学およびカレッジの学生を対象としている。ウィスマン氏は「3つ目として、IAAスクールのキャンペーン活動に多数の登録がある。現在のところ1万8000人の生徒が先生と伴にIAAを訪問すると登録している。これもまた新記録である」と語った。

ウィスマン氏は「一般の興味は当然ながら世界初公開の車に注がれている。世界の展示会で、素晴らしい品質を伴う革新性をこのようにきらめくように展示するのはほかにはない」と述べた。これらには、電気パワートレインを搭載したアウディA2コンセプトカー、A5、A6アバント、A8ハイブリッド、R8スパイダーGT、アウディ・アーバン・コンセプトカーである。BMWは新型のBMW1シリーズ、BMW M5、6シリーズ・クーペ、ミニ・クーペ、i3とi8コンセプトを出展。ダイムラーは新型メルセデスベンツBクラス、新型Mクラス、SLS AMGロードスター、SLK250 CDI、SLK55 AMG、スマート・フォーツー・電気ドライブ、スマート・フォービジョン、実験車両のF125!を展示する。

さらにフォードは、フォードEVOSコンセプトカー、フォード・フォーカス・エコネティック(ECOnetic)、フォード・フォーカスST生産モデル、フォート・フィエスタSTをはじめとして数台の世界初公開車種を展示する。オペルは初公開のオペル・ザフィラ・トゥアラー、アストラGTC、オペル・コンボを展示するとともに、レンジエクステンダー搭載の最初の乗用車であるオペル・アンペラをIAAでドイツ初公開する。ポルシェの注目は世界初公開となる新型のポルシェ911カレラである。同社はまた、新型のパナメラ・ディーゼル、911GT RS 4.0、ポルシェ・ケイマンSブラックエディションも展示する。フォルクスワーゲンは新型の小型車VWアップ!(VW up!)を世界初公開する。ビートルも欧州展示会に初お目見えする。フォルクスワーゲンはさらに、一人乗りシティーカーの形をした電動研究車両であるNILSを展示する。国際自動車メーカーも多数の初公開車種を発表する。

ウィスマン氏は「部品供給業者の革新性は、特にトランスミッション全体、代替パワートレイン、軽量構造に及んでいる。これは一層の二酸化炭素削減への大きな寄与である」と述べ、以下にその例を挙げた。ZFは最大16%の燃料消費の削減を可能とする新型9段ギアの自動トランスミッションを展示。コンチネンタルは欧州メーカーの電機自動車向けの電気モーターの大規模連続生産を開始することでIAAを特徴付ける。この高効率シンクロモーターの生産は、比較的にコスト高で専門家が長期入手を困難とみているレアアース部品を必要としない。さらに、コンチネンタルは燃料消費を3%削減する最適化された転がり抵抗のタイヤを出展する。

シェフラー・グループは初めて500平方メートルの同社スタンドをIAAに設置し、スローガンの「効率的な未来のモビリティー」に沿って、2つのコンセプトカーを展示する。「最新ドライブ」「eソリューション」と呼ばれるこの展示によって、見学者はさまざまなタイプのパワートレイン用のエネルギー効率が良く先見的な考えを盛り込んだモビリティーの幅広い同社の製品ポートフォリオを知ることができる。

ボッシュも従来のエンジンとトランスミッションのエネルギー節約の補助システムのハイブリッドでダウンサイジングのコンセプトを採用して最大30%の総燃料消費の節約を達成する方法を実演する。ウィスマン氏は「部品供給業者は、中型およびコンパクト・クラスの非常ブレーキ・システムに適した中距離レーダーセンサーを例とする最新ドライバー支援システムの開発と同じくらいにバッテリー開発でも進展を記録している」と語った。同氏はIAA見学者の見込み数について「われわれはIAAが好調になるとみている。われわれは2009年の結果を上回ると確信している。当時は危機の中であり、われわれは見学者を75万人と見込んだが、80万人を超える人々が訪問した。われわれはこの数字に基づいて予想を立てている。しかしモビリティーにとって最重要なこの展示会に90の世界初公開を迎えるため、まずは開幕だ」と語った。


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