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日本とカナダで規制上の認可取得、マシモ社のプロント7

【東京、オタワ(カナダ)31日PRN=共同JBN】医療機器の米マシモ社(http://www.masimo.com、ナスダック:MASI)は31日、日本の厚生労働省とカナダ保健省がマシモ・プロント7(Pronto-7、商標)に規制上の認可を与えたと発表した。これにより日本、カナダの臨床医は、血液を一滴も採取せずにトータルヘモグロビン(SpHb、登録商標)、酸素ヘモグロビン(SpO2)、かん(灌)流指数、脈拍数を敏速、簡便に測定できることになった。

ヘモグロビン検査は外傷後、手術中、入院中の血液の損失量を測定し、患者に輸血が必要かどうかの判定を助けるため、入院中、入院前に最も一般的に求められる検査のひとつである。しかし、伝統的なラボでの検査は、患者にとって苦痛となる注射針の使用、臨床医にとっては時間のかかる血液の抽出が必要であり、結果の提供は遅くなるのが通常である。マシモSpHbはリアルタイムのヘモグロビン検査結果を直ちに提供するので、臨床医は患者の状態をより敏速に判定し、内出血、低ヘモグロビン状態をより早く発見、治療することができる。マシモの非侵襲的、継続的なトータルヘモグロビン(SpHb)測定法は日本、カナダでは約1年前から商業的に入手可能であり、継続的なSpHb測定を提供する能力のため病院や入院患者ケアセンターでは優先的な技術だが、敏速で簡単なスポットチェック・ヘモグロビン測定へのアクセスは、診察室、外来患者ケアセンター、入院前の緊急事態を含むさまざまな健康管理評価アプリケーションに有益である。

プロント7は非侵襲的なヘモグロビン検査を日本とカナダで現実のものにする。手のひらサイズでハンドヘルドのプロント7と非侵襲的な指センサーに対する日本、カナダの規制上の認可によって、臨床医は伝統的なヘモグロビン血液検査の苦痛と待ち時間を取り除くことができる。プロント7はトータルヘモグロビン、SpO2、かん流指数、脈拍数を1分以内に、伝統的な血液検査に伴う注射針、時間のかかる検査機関での分析、血液汚染のリスク、危険な医療廃棄物、患者の不愉快な思いなしに測定できる画期的なソリューションとなる。大きさはわずか13センチx7・2センチx2・5センチで、重さは296グラムのてのひらサイズのプロント7は、非侵襲的なヘモグロビンのスポットチェック検査とSpO2、かん流指数、脈拍数を測定する能力を診察室、病院、診療所、緊急医療の場を含むさまざまな臨床状況にある臨床医の手にもたらすことになる。

日本では日本医科大学麻酔科学講座の坂本篤裕主任教授がマシモ・プロント7の非侵襲的ヘモグロビンのスポットチェック測定に大きな期待を寄せており、「プロント7は手術関連ケアで使えるだけでなく、診察室、血液銀行、それに病院のさまざまな部局でも使える。患者に注射針を刺す必要なしに、その場で即座にヘモグロビンを測定できる能力は多くの患者の苦痛と不快感を取り除くだろう。さらに、血液汚染、危険な医療廃棄物に対する懸念も最少化される。そして最も重要なのは、機器の簡便さ、スピード、持ち運びできることでよりタイムリーな患者の判定、より早い治療方針の決定が容易になることである」と語っている。

カナダではブリティッシュ・コロンビア小児科病院のマーク・アンサーミノ小児麻酔研究科長は「血液を採取する必要なく手術前に貧血の子どもを検査する能力は、検査率を上げるとともに子どもとその家族にとってはこの処置のストレスを減らすことになる。これは手術前のすべての子どもに行われる日常的な処置になりうるだろう。世界的な影響の可能性はさらに重要だ。子どもの貧血のスポットチェックでマラリア、結核などの感染性疾患を持つ子供を特定できるだけでなく、栄養失調、(米国黒人の)鎌状赤血球病、サラセミア(地中海貧血)のようなヘモグロビンの特異変種の検査もできる」と信じている。

プロント7には通常モードのほかに、より幅広い範囲の患者の測定が可能で、非侵襲センサーのサイズが3種類で指の直径に合わせて調整できる最大感度モードがある。各センサーはサイズがすぐ分かるように色分けされおり(小-黄色、中-赤、大-白)、低い環境温度で性能が向上するように最適化されている。そして機器に内蔵されている802.11b/g、ブルートゥース・コミュニケーション能力によって、検査結果の無線印刷、Eメール送信は今後予定されているアップグレードで可能になり、電子健康記録システム(EHR)システムへの無線送信ができるようになる。

プロント7の国際的導入に先立ち、マシモは米国のFDA(食品医薬品局)510(k)、CEマークの認可を受け、2008年にラディカル7ベッドサイド・パルスCO-オキシメーターを使った非侵襲的、継続的なトータルヘモグロビン(SpHb)測定能力を初めて導入した。2009年にマシモはプロント(登録商標)-トータルヘモグロビン、SpO2、かん流指数、脈拍数を測定する同社初のハンドヘルドの非侵襲的スポットチェック機器-を発売した。2010年にはマシモは米国での経皮ヘモグロビン測定についてメディケアの償還を確立した。

マシモの創立者であるジョー・キアニCEOは「非侵襲的なトータルヘモグロビン、SpO2、かん流指数、脈拍数のスポットチェック測定の影響は、患者のために正しいケアを正しい時期に提供するために使用する手段、かける時間量を変革する機会を日本、カナダの健康管理プロバイダーに提供する可能性がある。プロント7は臨床医がより多くの患者をよりよく評価し、敏速で非侵襲的なヘモグロビン測定の利用に基づくよりよい臨床決定の助けになるだろうと信じている」と述べた。

実証プロセスの一環として1万1443回のプロント7測定が14カ所で1445人を対象に実施され、血液分析器(コールター・カウンター)で分析した静脈血サンプルによるヘモグロビン測定と比較した。この検査によって通常感度モードの1.0g/dlの製品仕様が決まった。規制上の必要はないが、マシモは自社の製造施設で生産されたプロント7機器とセンサーについて追加的な検査をすることを選択した。この追加的検査には3カ所の外来患者向け診療所タイプ環境における474人の対象者が含まれていた。プロント7と毛細管血液を使ったポイントオブケア機器(Hemocue)によるヘモグロビン測定が、コールター・カウンターで分析された静脈血サンプルによるヘモグロビン測定と比較された。プロント7は-0.1g/dlの偏りと1.1g/dlの標準逸脱を示し、ヘモキューは-0.1g/dlの偏りと1.6g/dlの標準逸脱を示した。

*マシモ・プロント7は米国でのFDA510(k)認可を申請している。

▽マシモ(Masimo)について
マシモ社(ナスダック:MASI)は、革新的モニタリング技術のグローバルリーダーであり、患者のケアを大きく向上し、未解決の問題の解決を支援する。同社は1995年、マシモSETと呼ばれる体動時とかん流時の測定(Measure-Through Motion and Low Perfusion)のパルスオキシメーターを公開した。この測定器は生命を脅かす事象を検知するため、間違った警告を事実上なくし、パルスオキシメーターの能力を高める。100以上の個別の対象研究は、マシモSETが患者の体動や低かん流を含む最も挑戦的な臨床条件下ですら最も信頼できるSpO2と脈拍数の測定を行うことを実証した。マシモは2005年、レインボーSET(Rainbow SET、商標)・パルス・コーオキシメトリー(Pulse CO-Oximetry、商標)を発売し、トータルヘモグロビン(SpHb、登録商標)、酸素含有量(SpOC、商標)、一酸化炭素ヘモグロビン(SpCO、登録商標)、メトヘモグロビン(SpMet、同)、脳波変動指標(PVI、同)、さらには酸素ヘモグロビン(SpO2)、脈拍数、かん流指数(PI)について、これまでは侵襲的な処置を必要とした血液成分の非侵襲的、継続的モニタリングができるようになった。マシモは2008年にペーシェント・セーフティーネット(Patient SafetyNet、商標)を発売した。これは救命措置の失敗と関連する防止可能な死傷を回避する病院を支援することを目指す遠隔操作によるモニタリング・無線の医師用通報システムである。マシモは2009年、レインボー音響モニタリング(Acoustic Monitoring、商標)を発売した。これは音響呼吸数(RRa、商標)測定法で初の非侵襲的、継続的モニタリングである。マシモのレインボーSETテクノロジーによるプラットフォームは、患者の安全を守る画期的な成果であり、生命を脅かす症状を検知する医師を助け、治療指針オプションの助けにもなる。マシモは2010年に、脳機能モニターの革新的な技術、機器開発のパイオニアであるSEDライン(SEDLine、登録商標)を買収した。マシモSET、マシモ・レインボーSET技術は世界の約50の医療機器メーカー製の100余りのマルチパラメーター患者モニター装置にも使われている。マシモは1989年に創設され、「新しい医療現場とアプリケーションに非侵襲的モニタリングを持ち込むことで…患者の転帰を向上し、ケアのコストを削減する」ことを使命としている。マシモの詳しい情報はwww.masimo.comを参照。


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