航空業界は災害に優れた適応能力、OAGが危機分析リポート公表
【シンガポール8日PRN=共同JBN】UBMエイビエーション・ブランドの一つで航空情報のグローバルリーダーであるOAGは8日、OAGワールド・クライシス・アナリシス(World Crisis Analysis)の調査・分析結果を公表した。同報告書はテロリズム、世界的流行病、自然災害などの事象が過去30年にわたる世界航空会社の能力に与えた影響を算定したものである。分析によると、世界の航空会社能力は1979年以来平均3・1%成長し、航空旅行は自然災害、紛争、燃費高騰などの地域化された事象には概して影響されないことが分かった。事実、危機の圧倒的多数で、世界の航空会社の能力に僅かな影響があったものの、地域的レベルの能力は4%以下の落ち込みがあったが3カ月以内に回復した。
UBMエイビエーションのピーター・フォン・モルトケ最高経営責任者(CEO)は「OAGワールド・クライシス・アナリシスは、ほとんどすべての災害に直面して航空産業が素早く対応、適応することを示しており、それは世界市場および航空業に依存する副次的な産業にとって安心できるニュースである。外的要因が旅客の需要に及ぼす影響について信頼できるイメージを提供する十分な歴史的データと分析情報を提供されて、航空会社は市場ニーズに基づくフライト能力を素早く調整し、危機の影響を軽減することができる」と語った。
報告書の主要な結果は以下を含む:
*世界の航空会社能力は、1979年から2001年9月11日までに、年間平均5%、9400万シート(客席)と着実に伸びた。
*2001年の9・11テロ事件以来、世界の能力は年間平均2・6%、8100万シートと着実に成長した。
*2001年の世界貿易センター攻撃と2008-2009年の世界金融危機は、世界の航空能力が平均3%と9%に顕著に落ち、それぞれ36カ月と24カ月以内に回復したわずか2つの事象である。
*湾岸戦争、豚インフルエンザ、火山大爆発など地域的な事象は、地域航空会社の能力を平均4%以下落ち込む影響を与えたが、3カ月ないしそれ以下で回復して、世界の能力には僅かな影響を与えただけだった。
*航空能力の継続的成長は、主としてブラジル、ロシア、インド、インドネシア、中東、中国によって牽引されて、これらの国の中産階級と富裕層の伸びが航空旅行需要の増加に貢献している。
UBMエイビエーションのマリオ・ハーディ副社長(アジア太平洋担当)は「過去30年のOAGの能力データを分析した結果、われわれはさまざまな危機の際の航空産業の弾力性に驚かされた。近年の悲劇的事象が航空旅行能力に長期的に大きな影響を与えると思うかも知れないが、それはまさに当たらず、大きな混乱を招いたのは世界貿易センター攻撃と世界金融危機だけだった。過去の惨害から学んだ難しい教訓は心に深く刻まれ、航空産業で有効に活用されて、予見しうる将来にわたって成長し続ける立場にある」とコメントした。
OAGワールド・クライシス・アナリシスの一覧表
Event Event scale Recovery period
米国の火山噴火(1980年5月) Low up to 3 months
コロンビアの火山爆発(1985年11月) Low up to 3 months
米国の地震(1988年12月) Low up to 3 months
イランの地震(1990年6月) Low up to 3 months
バングラデシュのサイクロンと
水害(1991年4月) Low up to 3 months
北朝鮮の水害(1995年8月) Low up to 3 months
インドの干ばつ(2000年5月) Low up to 3 months
米国で9・11テロ(2001年9月) High 12-36 months
香港で初のSARS発症
(2003年3月) Medium 3-12 months
中国でSARS発症(2004年1月) Medium 3-12 months
中国で2回目の SARS発症(2005年1月) Medium 3-12 months
四川大地震(2008年5月) Low up to 3 months
メキシコで豚インフルエンザ発症
(2009年4月) Low up to 3 months
金融危機2009 High 12-36 months
アイスランドの火山爆発・降灰
(2010年4月) Low up to 3 months
東日本大震災、津波、原発事故
(2011年3月) Medium 3-12 months
OAGワールド・クライシス・アナリシスをさらに詳しく閲覧するには、特定事象と世界的地域の情報、論評、図表を含めて、以下のサイトから即座にダウンロードできる。
http://www.oagaviation.com/worldcrisisanalysis
OAGはまた、月間のOAG FACTS(便数と座席数トレンド統計)リポートを出版しており、世界の航空会社の活動に対するビジュアルな写真を提供し、10年のパフォーマンス動向を示すインタラクティブなグラフを利用し、いずれも世界航空会社スケジュールに関するOAGの一体化データーベースを引用している。OAG FACTSリポートは以下のサイトからアクセスすることができる。
http://www.oagaviation.com/OAG-FACTS
▽OAGについて
OAGはUBMエイビエーションの一部門であり、OAGの総合的、独自の航空会社スケジュール、フライトステータス、フリート、MRO、貨物ロジスティクス・データベースから提供される航空情報、分析サービスのための信頼できる情報源である。当社の航空会社スケジュール・データベースは1000余りの航空会社と4000余りの空港の将来および過去の航空便詳細を蓄積している。同社の統合データは、世界配信システムとトラベル関連ポータルサイトに配信されて、世界中の多数の航空会社、空港、空港管制官組織、航空機メーカー、政府関連機関の内部システムを動かしている。詳細はウェブサイトhttp://www.oag.comを参照。
▽UBMエイビエーション(UBM Aviation)について
UBMエイビエーションはUBM社の業務部門で、同社の製品とサービスのポートフォリオは空の旅と輸送の買い手と売り手を引き合わせている。同社は、世界航空業界に関連するデータ、分析、コンサルティング・サービス、イベント、メディアの提供を専門としている。同社の有力ブランドには、航空データと分析の公式プロバイダーであるOAG、航空貨物業界向けのソリューション・プロバイダーのOAGカーゴ(OAG Cargo)、航空ルート開発フォーラム、イベントのマーケティングとネットワーキングの世界有数のプロバイダーであるルーツ(Routes)、有力なルート開発コンサルタント企業のエアポート・ストラテジー&マーケティング(Airport Strategy & Marketing、ASM)、エアライン・パーチェシング&メンテナンス・カンファレンス&エクスポ(Airline Purchasing & Maintenance Conference Expo)を含む航空展示と会議の国際プログラム、エアクラフト・テクノロジー・エンジニアリング&メンテナンス(Aircraft Technology Engineering & Maintenance)とエアライン・フリート・マネジメント(Airline Fleet Management)など必読の航空関連出版物がある。詳細はウェブサイトhttp://www.ubmaviation.comを参照。
トピック関連専門家に対する問い合わせは、以下のサイトに記載されている専門家リストの情報を参照。
http://www.profnetconnect.com/petervonmoltke
http://www.profnetconnect.com/mariohardy
前後の記事
記事バックナンバー
- [国際情報]航空業界は災害に優れた適応能力、OAGが危機分析リポート公表 2011/09/08 木曜日