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ソニー、東芝、日立など、中小型ディスプレイ事業を統合

 ソニーと東芝及び日立製作所は8月31日、中小型ディスプレイ事業を統合することを発表した。産業革新機構(INCJ)を中心に設立される新会社のもとで事業を進めていく。4社は今秋を目処に正式契約し、来春の事業統合を目指す。

 新会社には、中小型ディスプレイ事業を行うソニー、東芝及び日立それぞれの子会社、ソニーモバイルディスプレイ、東芝モバイルディスプレイ、日立ディスプレイズの全ての発行済株式等が譲渡され、INCJを割当先とする第三者割当増資により2000億円が投入される。新会社の議決権付株式は、最終的にはINCJが70%、ソニー、東芝及び日立がそれぞれ10%ずつ保有する予定。

 中小型ディスプレイの世界市場は、スマートフォン及びタブレットを中心とする高精細、高付加価値製品の需要急騰により今後急成長すると見込まれており、日本企業が優位に立つディスプレイの高精細化技術が競争力の鍵となっている。一方で、競合各社も市場獲得の機会を狙い大規模投資の実施や計画を公表しており、競争力強化のための施策を講じることが必要不可欠な状況にあるとも言える。

 このような市場環境下、新会社は、対象子会社がそれぞれ有する世界最高水準の高付加価値技術を生かし、INCJから投入される成長資金を最大限活用することで新規生産ラインを立ち上げ、高付加価値市場を取り込むことを目指す。さらに、各社が持つ生産能力をより有効に活用することでコスト競争力を高め、グローバルリーディングカンパニーとしての地位を強固なものにしていく。

 また、新会社は、世界最高水準の技術力を維持しつつ更に優位なものとするために、世界最先端の研究開発のための投資を行う方針。次世代を担う革新的技術の創出を企図し、高精細化や薄型化が見込める有機EL等の高付加価値技術の研究・開発も積極的に行うことで、業界を牽引する。

 新会社の経営陣には、外部経営者を招聘する予定であり、現在INCJが選定を進めている。なお、INCJ、ソニー、東芝及び日立は新会社に社外取締役を派遣、技術協力体制の確立等を推進し、新会社は適切なガバナンス体制並びに強力な経営基盤の構築を進めていく予定。


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