シェルの最新Gadusグリース、極限環境下の改良型潤滑油
【ロンドン5日PRN=共同JBN】シェルが新たに改良した潤滑油の範囲は、地球上で最も暑いか、寒いか、湿っぽい場所でも働くよう設計されており、最大規模の海洋アプリケーション、最速の列車、最大規模の採掘などで利用される。
シェル・ルブリカンツ社は新しい改良型のシェル・ガダス(Gadus)・グリースを発売した。この範囲は湿度、寒さ、暑さが最も厳しい極限状態の中で、現在稼働する最大、最速、最大容量の機器が直面する挑戦に対応するよう設計されている。
ガダス潤滑油の範囲はいくつかの最も厳しい条件下でベアリングを潤滑するよう特に設計されている。例えば、連続的な鋳造機内での鉄製のベアリング製造には、しばしば粉塵や水が存在する摂氏180度を超える温度に対応しなければならない。一方、シェルの鉱山業顧客は、ロシア極東地域、シベリア、カナダのフォート・マクマレイなどいくつかの極寒地域で操業している。これら顧客は摂氏マイナス50度かそれ以下の温度で掘削機や電子ショベルに持続的に潤滑油を塗っている。
シェルの水力発電顧客は、数多くのダムと発電所を持つ世界最大規模の水力利用計画のひとつであるオーストラリアのハイドロ・タスマニア(Hydro Tasmania)が含まれる。この発電所では、タービンは水面下最大180メートル地点にあり、使われたシェル・グリースは極めて高湿度の条件での潤滑油として開発された。
シェルの海洋顧客はしゅんせつ(浚渫)および海洋事業契約でオランダの専門企業ヴァン・オード社(Van Oord)が含まれる。同社はドバイのパーム・ ジュメイラ(Palm Jumeirah)とザ・ワールドなどの開発を請け負っている。そのようなプロジェクトに使われるシェル・グリースは、これらの企業のために共同で開発されたもので、これら船舶上で利用される非常に大型の動きが遅いギア、ワイヤーロープ、ケーブルを潤滑する。
最後にシェルの鉄道顧客はフランス国鉄(SNGF)、ドイツ鉄道(DB)を含み、これまでに欧州のTGV(SNGFの高速鉄道)、ユーロスター、タリス(Thalys)、ICE(インターシティ)、また日本の新しい新幹線にシェルのグリースが使われている。これらの列車は時速330キロ以上で走行し、摂氏マイナス30度から摂氏50度までの厳しい気温で運行している。
シェルの国際研究開発チームは顧客および機器メーカーと密接な協力関係の下で働いており、品質保証付きの新しいグリースを生み出している。シェルの専門知識はまた、広範なシェル製品でコスト削減を結び付け、信頼できるグローバルな供給を提供する。
シェルのグリース担当グローバル・ジェネラルマネジャーであるゴーダン・ディラマン氏は「シェル・ガダスはシェル・グリースの新しい統一名称であり、世界最大のグリース・ブランドのひとつとなる。製品の範囲は強化型の摩耗保護、より長期のグリース寿命、システム効率の向上を通じて価値を提供できるよう開発された」と説明した。
シェル・ガダスはまた、顧客が製品の利点とパフォーマンスを比較しやすくするとともに、相溶性増粘剤、基油粘着性、米グリース協会規格(NLGI)グレード、特定もしくは独自の顧客の問題に適応するグリースにするその他特定パフォーマンス特性など、いろいろな変数も考慮されている。潤滑油の選択手続きを支援するため、その範囲は主要な段階に基づき、最新の合成・ハイパフォーマンス技術を適用するエントリー、メインレーン、プレミアム、アドバンスなどそれぞれの段階のパフォーマンスおよび保護の水準を高めて提供する。
シェル・ガダスの適用範囲の再設計は、シェル工業用潤滑油とシェル・スパイラックス(Spirax)・トランスミッション油液の全製品の更新の一環である。それは重複アプリケーションによる製品除去あるいはその技術がより新しい処理法に置き換えられる作業、そして特殊化学品あるいは合成製品の付加による選択肢の改善が含まれる。
新しいシェル・ガダス適用範囲に関する詳しい情報は、http://www.shell.com/lubricantsを参照。
前後の記事
記事バックナンバー
- [国際情報]シェルの最新Gadusグリース、極限環境下の改良型潤滑油 2011/08/07 日曜日