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ダイキン、中国でフッ素ゴムの生産設備を新設 約30億円投資

 ダイキン工業は19日、中国におけるフッ素化学製品の製造・販売子会社である大金フッ素化学(中国)有限公司(江蘇省常熟市)の常熟工場に、フッ素ゴム「ダイエル」の生産設備を新設することを決定したと発表した。2013年1月からの量産開始を計画しており、設備投資額は約30億円を予定している。新工場の設立により、日本の淀川製作所(大阪府摂津市)、フランスのリヨン工場をあわせてグローバル三拠点体制となり、生産能力は約6割増加する。

 フッ素ゴム「ダイエル」は、長期間、圧力をかけても変形しにくく、耐熱性や耐油性に優れ、自動車のエンジンルーム、燃料系統、オイルシールなどの部品として使用すると、燃料・オイル漏れを防ぎ、長期にわたって環境負荷を低減する。

 近年、グローバルで自動車の環境規制強化(燃費向上、排ガスのクリーン化、燃料蒸散の低減)が進んでおり、他素材から環境負荷を低減するフッ素ゴムへの切り替えが進んでいる。一方で、世界的に自動車の生産台数が増えており、とりわけ中国市場での増加は著しい伸びを示している。さらに、中国に工場を持つ自動車メーカーが、フッ素ゴムを使用した重要保安部品(オイルシール、燃料ホース)を、中国ローカルメーカーを含めた現地調達への切り替えを進めており、中国のフッ素ゴム市場は急拡大しつつあるという。

 2010年の中国のフッ素ゴム市場は80億円程度で、2015年には1.6倍となる130億円に拡大する見通し。同社では、今回の生産設備の新設により、中国でのフッ素ゴムのシェアを現在の10%程度から2015年にはトップシェアとなる30~40%への引き上げを目指し、事業の拡大を図る。


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