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欧州エコカー競走で優勝、インビコンの麦わら燃料使用

 【シェールビーク(デンマーク)19日PRN=共同JBN】インビコン社(Inbicon)はこのほど、カロンボーにある同社バイオマス製油所で麦わらから製造したセルロース系エタノールについて、新たな省エネ志向の顧客を見いだした。このバイオ燃料は「2011年シェル・エコマラソン欧州」の都市型クラスで優勝した車を動かし、ガソリン換算1リットル=509キロの新記録を達成した。

 インビコンの国際販売担当マネジャー、クリスチャン・モルゲン氏は「デンマーク工科大(DTU)のロードランナーチームが設計、製造、調整、試走を経てダイナモ号を運転、出走した欧州35チームに勝利した。北米とアジアの最長走行距離も破った。1回1リットルしか使わないので、デンマークで環境に優しい燃料の顧客を奪う危険はないはずだ」と話した。

 麦わらを原料とするバイオ燃料「ニューエタノール」(インビコン社の呼称)は2009年後半からカロンボー工場で製造している。しかし、デンマークの大学チームが使用したのは初めてだった。

 DTUのイェスパー・シュラム准教授は毎年、燃焼工学コースを開講、最終日程の5日間は5月のシェル・エコマラソン競走に充てている。教え子たちは過去7年のうち6年、主要2部門の一つ、燃料効率部門でグランプリを獲得した。プロトタイプ車のドライバーは横になる必要があるが、安全面をやや修正した都市型クラスの車は実際に市街地走行が可能である。

 シュラム准教授のチームは高圧でオクタン価を高める50CC、4気筒のヤマハ・モペットエンジンを利用した。また、空気力学上の効率を改善する車体造形のため、風洞実験も実施している。ダイナモ号は競合車より28%も距離を伸ばした。

 27カ国から187チーム、3000人以上がドイツのラウジッツにあるユーロスピードウエーに結集した。シュラム准教授は、DTUロードランナーチームの経験と実績が卒業生の自動車デザイン、工学部門就職に役立つと話している。

 モルゲン氏によると、カロンボーにあるインビコンのバイオマス製油所は北米、欧州、アジアで新グリーンエネルギー事業を商業規模で開始するための社内モデルになっている。インビコンのバイオマス製油所はトウモロコシの茎、麦わらなどのバイオマスを効率的にニューエタノール、グリーン電力、高価値グリーン化学製品に転換するため、ほかのテクノロジーと統合される。

 インビコンは北欧の大手エネルギー企業ドンク・エナジー社(DONG Energy)の子会社である。


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