東武鉄道、総額220億円設備投資計画発表 業平橋&浅草両駅の改築など
とうきょうスカイツリー駅イメージ(写真・東武鉄道) 東武鉄道は5月31日、2011年度の鉄道事業計画を発表。総額220億円の設備投資を行い、安全対策や輸送体系の整備、増強改良などを推進する。計画の大枠は次の通り。
<安全対策>
▽踏切の安全対策
2007年度までに、全ての踏切に対する踏切支障報知装置の設置を完了し、その後、2009年度には自動式踏切支障報知装置の設置踏切に対する押ボタンの併設を完了した。2011年度は、踏切のさらなる安全性向上を目指して、踏切に異常がある場合に踏切に設置された「押ボタン」を操作すると、自動列車停止装置(踏切防護用 ATS)と連動する工事を推進する。なお、自動式踏切支障報知装置の設置踏切については、既にATSとの連動を図っている。
▽駅構内の安全対策
より安全に駅を利用できるよう、発車案内放送装置・転落支障報知装置の新設、非常停止ボタン・ホーム下待避口の増設および車両とホームの間に段差やすき間がある駅についてホームの改修を行う。
<輸送体系の整備・構築>
▽東上線新運転保安システムの構築
現行のATS(自動列車停止装置)に代え、より高性能なATC(自動列車制御装置:前方に走行中の列車の位置から列車速度を制御する装置)を導入することとし、東上線池袋~小川町間で引き続き工事を進める。
東武型ATCは、車上・地上間情報伝送装置から得た線路情報(列車間距離・勾配等)によりスムーズな速度制御を実現させるほか、踏切支障時の防護機能や停車駅の誤通過防止などへの拡張性も持たせたもの。
<設備・施設の更新、増強改良>
▽線路・電気等施設の更新、増強改良
高架橋・長大橋梁・盛土区間等に対する防災対策、線路の重軌条化・弾性ポイント化・ロングレール化等の軌道強化、老朽化した駅舎・跨線橋・上家等の改修および電気設備の更新改良等を計画的に推進し、鉄道事業運営に必要な基盤をさらに整備・強化する。
また、上福岡き電区分所に、車両の回生ブレーキによって発生する回生エネルギーを回収・貯蔵し、電力を有効活用することで節電や環境面への配慮が可能となる電力貯蔵装置の導入工事に着手する。
▽通勤用車両の代替新造
「人と環境にやさしい、省エネタイプの次世代型車両」をコンセプトに、バリアフリー・省エネルギー・省メンテナンス化により環境負荷の低減を図った50000系車両を2編成20両新造する。なお、代替する8000系車両に比べ、使用電力が約40%削減となる。
▽車両のリニューアル
10000系通勤用車両20両をリニューアルし、車内の快適性と保安度を向上させるとともに、車両冷房機の冷媒を代替フロン化および車いすスペースや車内案内表示器設置等のバリアフリー化を図る。
<高架化の推進>
▽高架化工事
○竹ノ塚駅付近高架化工事
平成23年3月31日に都市計画決定。早期の都市計画事業認可に向け、準備を進める。
○伊勢崎駅付近高架化工事
伊勢崎線剛志~伊勢崎間において、群馬県の都市計画事業として連続立体交差化工事を施工中。この工事が完成すると新伊勢崎駅と伊勢崎駅の2駅が高架駅となり、13箇所の踏切が除却される。
○清水公園~梅郷間高架化工事
野田線清水公園~梅郷間において、千葉県の都市計画事業として連続立体交差化工事を施工中。この工事が完成すると愛宕駅と野田市駅の2駅が高架駅となり、11箇所の踏切が除却される。
<サービス向上>
▽駅施設の改修
○業平橋駅リニューアル工事
2012年春の東京スカイツリー®開業にあわせ、玄関口となる伊勢崎線業平橋駅の駅名を「とうきょうスカイツリー」に改称し、多くの顧客に安全・安心、快適に利用できるよう、乗降階段の増設、エスカレーターの新設、エレベーターの移設更新、駅コンコースの拡幅、改札口の増設および多機能トイレのリニューアル等を実施。
○浅草駅リニューアル工事
東京スカイツリーをはじめ日光・鬼怒川への玄関口となる浅草駅ビルの外壁面の改修・耐震補強工事にあわせ、2階コンコースへの待合室新設等、駅施設のリニューアル工事を実施する。
○特急車両のリニューアル
2012年春開業の東京スカイツリーおよび観光拠点である浅草と日光・鬼怒川地区を結ぶ100系車両スペーシアを、より快適に利用できるよう、座席・壁面・床材等の全面的な内装リニューアル工事を実施する。
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- [鉄道・車輌]東武鉄道、総額220億円設備投資計画発表 業平橋&浅草両駅の改築など 2011/06/01 水曜日