オランダ・エアキャップ社、07年第4四半期は増収増益
【アムステルダム27日PRN=共同JBN】オランダの航空会社エアキャップ・ホールディングス(AerCap Holdings N.V.:NYSE:AER)は27日、昨年12月31日に終了した第4四半期決算を発表した。
▽2007年第4四半期ハイライト
- 純利益は4510万ドルだった。前年同期は800万ドルの純損失。上限金利の値洗いと株式報酬に関係する非現金経費を除外した第4四半期の純利益は5700万ドルと前年同期の5120万ドルから11%増加した。
- 基本・希釈後1株当たり利益はいずれも0・53ドルだった。上限金利の値洗いと株式報酬に関係する非現金経費を除外した第4四半期の基本・希釈後1株当たり利益は0・67ドルだった。
- 総収入は2億8460万ドルで前年同期比34%増加した。
- 基本リース収入は1億2590万ドルで前年同期比16%の増加。
- 売上収益は1億3800万ドルで前年同期比113%増加した。これは航空機8機、エンジン3基、在庫部品の売り上げによる。
- 総資産は2007年12月31日現在44億ドルで2006年12月31日の39億ドルから12%増加した。
- 2007年に購入・引き渡しが行われた航空機資産は7億8760万ドルだった。既に完了したこれらの購入に加えて、エアキャップは2007年12月31日現在、中古航空機7機の購入契約と中古航空機5機の購入仮契約を結んでいた。
▽2007年通期の決算ハイライト
- 2007年通期の純利益は前年の1億900万ドルに対し1億8850万ドルだった。上限金利の値洗いと株式報酬に関係する非現金経費を除外した通期の純利益は2億1060万ドルで、前年の1億7130万ドルから23%増加した。通期の純利益には第2四半期の証券化債券の借り換え費用2400万ドル(税抜き)が含まれる。
- 通期の基本・希釈後1株当たり利益はいずれも2・22ドルだった。上限金利の値洗いと株式報酬に関係する非現金経費を除外した通期の基本・希釈後1株当たり利益は2・48ドルだった。
- 通期の総収入は11億7650万ドルで前年から44%増加した。
- 通期の基本リース(レンタル)収入は4億9420万ドルで前年から26%増加した。
- 通期の売り上げ収入は5億5830万ドルで前年から85%増加した。
▽先に発表した重要事項
- エアキャップは第4四半期に3件の金融取引を完了し、確約済み資金調達額を4億4000万ドル増加させた。また、エアキャップはUBSおよび金融機関シンジケート団と取り決めた既存の10億ドルの倉庫関連融資の期間を2013年5月から2014年5月まで延長することに成功した。
- 法人税の再構築は第4四半期に完了した。これによりエアキャップの2007年通期の総合実効税率は11・8%に軽減された。今後数年間の実効税率は2007年と同等もしくは若干低下すると予想される。
エアキャップのクラウス・ハイネマン最高経営責任者(CEO)は「2007年の好業績を発表できて喜んでいる。2007年に当社のポートフォリオ価値を大幅に高めたので引き続き成長プログラムの達成に努める。当社は高品質で多様なポートフォリオをますます増やすためにさらに多くの資産を獲得する非常に有利な状況にある。また、年月の経過した燃費効率の良くない航空機を売却することにより2007年全体を通じてポートフォリオを最適化することができた。現代的で燃費効率の良い航空機に対する旺盛な需要が鈍化する兆候は全くない。これは仮契約もしくは調印済みリース契約に基づき2008年と2009年にエアバスが引き渡す予定の新型航空機を発注する当社の能力によって証明されている。当社は現在、2010年と2011年の引き渡し分についてマーケティング活動を展開しており、このような時期にも需要が鈍化するとは全く予想していない」と語った。
エアキャップのキース・ヘルミング最高財務責任者(CFO)は「2007年第4四半期と通期の両方で総収入は一段と力強く伸びた。世界の資本市場は最近不安定になっているが、当社の流動性は十分で成長戦略を追及する調達資金もあり、投資の機会があればそれに十分対応できる状況にある。魅力的なレートで調達する20億ドルの資金で将来の成長のための安定したプラットフォームを提供する当社の能力は、エアキャップの強力なビジネスモデルに寄せている金融界の信頼感を明確に示している」と語った。
▽決算概要
エアキャップは2007年第4四半期の純利益が4510万ドル、基本・希釈後1株当たり利益はいずれも0・53ドルだったと発表した。この純利益には上限金利の値洗いに関係する非現金経費と株式報酬の1190万ドル、基本・希釈後1株当たり0・14ドル(税抜き)が含まれている。上限金利の値洗いに関係する税引き後費用は940万ドル、株式報酬の税引き後費用は250万ドルだった。
▽財務データの詳細(単位100万ドル)
営業実績 12月31日までの3カ月 12月31日までの12カ月
2007年 2006年 増減 2007年 2006年 増減
総収入 284・6 211・6 34%増 1176・5 814・4 44%増
純利益(損失)45・1 (8・0) N/A 188・5 109・0 73%増
総収入内訳 12月31日までの3カ月 12月31日までの12カ月
2007年 2006年 増減 2007年 2006年 増減
リース収入:
基本レンタル料
125・9 108・4 16%増 494・2 390・9 26%増
保守料金 8・5 5・4 57%増 40・2 16・3 147%増
リース終了補償金
2・8 19・0 85%減 19・8 36・7 46%減
リース収入(小計)
137・2 132・8 3%増 554・2 443・9 25%増
販売収入138・0 64.7 113%増 558・3 301・4 85%増
管理手数料・利子収入
9・2 11・8 22%減 44・1 48・8 10%減
その他収入 0・2 2・3 91%減 19・9 20・3 2%減
総収入 284・6 211・6 34%増 1176・5 814・4 44%増
上記の表に記載されているように、2007第4四半期のリース収入は前年同期比3%増加し、2007年通期の前年比では25%増加した。リース資産の増大とリース料金の継続的な堅調は、基本レンタル料金の大幅増による収入に反映されている。
▽実効税率
2007年通期のエアキャップの実効税率は11・8%だった。航空機事業は9・8%、エンジン・部品事業は35・4%だった。
財務状況
07年12月31日 06年12月31日 増減
リース用保有フライト機器
3050・2 2966・8 3%増
総資産 4393・7 3918・0 12%増
負債総額 3413.1 3135・1 9%増
純資産 950・4 751・0 27%増
2007年12月31日現在、エアキャップのポートフォリオは所有、発注・契約・仮契約済み、あるいは管理下にある航空機316機とエンジン69基で構成された。
▽エアキャップ・ホールディングスについて
エアキャップは航空機とエンジンのリース、取引と部品販売で市場をリードするグローバルな総合航空会社。エアキャップは同社の認定修理ステーションを通じて航空機管理サービス、航空機とエンジンの保守・修理・点検サービス、航空機の分解を行っている。エアキャップはオランダに本社を置き、アイルランド、米国、中国、英国にオフィスがある。
エアキャップに関する詳細、メーリングリスト掲載希望はhttp://www.aercap.comを参照。
(共同通信PRワイヤー)
前後の記事
記事バックナンバー
- [鉄道・車輌]オランダ・エアキャップ社、07年第4四半期は増収増益 2008/02/28 木曜日