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仏・アトメルが超低消費電力型ARM7・MCUシリーズ発表

 【ルーセ(フランス)26日PRN=共同JBN】アトメル社(Atmel=登録商標Corporation、ナスダック:ATML)は26日、高性能の超低消費電力型ARM7TDMI(登録商標)ベースのマイクロコントローラー新製品、AT91SAM7Lシリーズを発表した。複数のパワーアイランドを制御する電源スイッチと、プログラム可能な電圧調整器を内蔵した同シリーズは、アクティブ、スタンバイ両モードで消費電力を抑制することができる。環境に優しいバッテリー駆動の携帯機器が求められる傾向がある市場では、より電力効率に優れた製品への需要が急速に高まっており、その用途はメディアプレーヤー、リモコン、気象観測装置、計算機、玩具、コントロールパネル、サーモスタットのほか、血糖測定器、血圧計、フィットネスモニターなどの携帯医療装置まで多岐にわたっている。環境に優しい製品への需要の拡大に応えるために、メーカー各社は、家庭用電源を使う機器でも待機電力を抑えた設計を考えるようになっている。オーディオ製品やテレビなどの家電製品の待機電力は1台当たり約1ー2Wでも、それが数十億台もスタンバイ(待機)モードのままになっていることで、結果的には何千メガワットもの電力が消費されている。

 アクティブ/パッシブ電源制御技術:AT91SAM7Lシリーズは、アクティブ、スタンバイ両モードで消費電力を抑制する画期的な技術を搭載している。アクティブモードでは、プログラム可能な動作電圧、動作周波数、周辺クロック、ならびにCPUの代わりにDMAを使ったデータ転送によって消費電力を最適化する。SAM7Lは、フラッシュメモリーによるコード実行時でわずか1・8Vの単一電源モードで動作し、アクティブモードでの平均消費電流は1 MHz 当たり0・5mAに抑えられている。状況によってさまざまに異なるスタンバイモードの消費電力は、電源スイッチ、拡張性のある電圧調整器のほか、電圧モニター(Voltage Monitor)、パワーオンリセット(Power On Reset, POR)、ブラウンアウト(低電圧)検出(Brown Out Detector, BOD)などのサンプリング技術を使って制御する。これによって、競合機種とほぼ同じかそれ以上の省電力性能を実現しながら、それよりも高度な細分性を実現している。AT91SAM7Lの電源オフ時の平均消費電流は100nAで、これは32ビットMCUでは他に類を見ない性能と思われる。

 電源オフ時の低消費電力と迅速な起動:電源オフモードでは高速起動(Fast Wake-up, FWUP)ピンのみに電力が供給され、簡単な押しボタンひとつでシステムを起動することができる。計算機などのアプリケーションの電源オン/オフは、この機能により制御することができる。バックアップモードでは、電源制御回路、ゼロ出力PORならびに32kHz水晶発振器のみが動作を続ける。RTC、2K バックアップSRAM、BOD、チャージポンプ、LCD電圧調整器、LCDコントローラー電源オン/オフは個別に設定できる。メインアプリケーションが起動していない間も、時間、コンテキストまたはディスプレイ消費電力を節約する必要がある場合はこのモードが使われる。ウエート(Wait)モードでは、2MHz のRC水晶発振器によって起動時間の大幅な短縮を実現し、外部イベント管理を迅速に行うことができる。

 セグメントLCDコントローラー:AT91SAM7L128/64は各種LCD機能を内蔵している。これにはセグメントLCDコントローラー、内蔵ドライバー、プログラム可能なLCD電源が含まれていて、調節機能のあるチャージポンプならびに調整可能な電圧調整器で構成されるコントラスト制御に使われる。共通端子最大10個、セグメント端子最大40個までのパッシブ白黒液晶ディスプレー(LCD)に適した設計になっている。

 オンチップフラッシュ/周辺拡張セットの選択:AT91SAM7LシリーズにはAT91SAM7L128とAT91SAM7L64の2機種があり、それぞれ128キロバイト、64キロバイトのフラッシュメモリーを搭載している。AT91SAM7Lシリーズはこのほか、USART、SPI、タイマーカウンター、RTCならびにアナログ・デジタル変換回路など各種の周辺機能も内蔵している。AT91SAM7L128/64システムコントローラーは、電源オンシーケンス管理機能を備えたリセットコントローラーも搭載している。正確なデバイス動作は、内蔵水晶発振器から独立して動作するウォッチドッグタイマーならびに内蔵型ブラウンアウト検出(BOD)機能を使って監視することができる。完全なシステム機能をすべて搭載したICチップは外部水晶発振器をいっさい使わずに最高速度で動作するので、外付け部品の点数を最小限に抑えられる。
開発ツールとリアルタイム・オペレーティングシステム・サポート:SAM7L用の低価格スターターキット、AT91SAM7L-STKが用意されており、アトメルのARM(登録商標)ベースマイクロコントローラーの長年にわたる経験に基づいて構築されたアプリケーション開発ツールを動かすことができる。

 価格および出荷時期:AT91SAM7L128/AT91SAM7L64は、128ピンLQFPパッケージまたは144ピンBGA(10×10mm、ボールピッチ0.8mm)パッケージ仕様で現在発売中。1万個の量産単価は4ドル以下。

 ▽アトメルについて
 アトメル(Atmel)はマイクロコントローラー、先端ロジックLSI、ミックスドシグナルLSI、不揮発性メモリー、ならびに高周波(RF)部品の設計製造の世界大手。アトメルは、業界で最も広範囲に及ぶ知的財産権(IP)技術ポートフォリオを活用することによって、消費者向け製品、産業用製品、セキュリティ、通信、コンピューティング、自動車の各市場に特化した完全なシステムソリューションをエレクトロニクス産業に提供することができる。
 アトメル(Atmel、登録衆評)、社名ロゴおよびその組み合わせ、その他はアトメルまたはその子会社の登録商標または商標、ARM(登録商標)、 ARM7TDMI(同)、その他はARM(ARM Ltd.)の登録商標または商標である。それ以外の用語および製品名は、他社に商標登録されている可能性がある。

詳細情報
アトメル製AT91SAM7Lに関する製品情報はウェブサイト参照:http://www.atmel.com/products/at91/default.asp

 (共同通信PRワイヤー)


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