石油精製部門で合弁企業設立へ、イネオスとペトロチャイナ
【ロンドン31日PRN=共同JBN】イネオス(INEOS)は31日、ペトロチャイナ(中国石油天然気)から欧州の石油精製事業で持ち分50%、約10億ドルにのぼる合弁企業設立の提案を受けた。
提案された合弁事業は、イネオスの精製事業の戦略目標にかなうものである。これによって、スコットランドのグランジマウス、フランスのラベラでのすでに合意に至っている共同投資計画事業を長期にわたって共同経営していくことが可能になる。
イネオスのジム・ラトクリフ会長は「今回の提案はペトロチャイナとの戦略提携を形成する上で重要なステップである。これによって、当社は精製事業に完全にコミットし続けることが可能になると同時に、中国やそれ以遠の地域で当社の利益を開拓するチャンスが生まれることになる」と語った。
イネオスは過去18カ月間で財務状況を大幅に改善しており、今回の取引によってさらにイネオス・グループにプラスの影響が出る。
ラトクリフ会長はまた「グループのために2011年前半における当社の将来融資オプションを評価するつもりである」と述べている。
ペトロチャイナ・インターナショナル(ロンドン)は31日、同社の欧州石油精製事業に関して総額10億1500万ドル、持ち分50%の撤回不能な提案を行った。この事業にはスコットランドのグランジマウス、フランスのラベラにおける精製事業が含まれている。
ペトロチャイナとの提携は、トレーディング合弁事業と精製合弁事業とで構成される。スイスにイネオスの投資を担当する新しい会社が設立されることになる。新しい合弁企業2社は、イネオス・グループから独立して運営される。
イネオスとペトロチャイナは今後、2011年第2四半期に提案の2合弁企業を設立するため協力する。
イネオス・リファイニング社のカラム・マクリーン最高経営責任者(CEO)は「今回の新しい提携関係によって、極めて競争の激しい2つの市場で投資と長期的持続性が確保され、欧州での独立系大手石油精製事業者としての立場を確保できる。ペトロチャイナを長期的戦略パートナーにできるのを喜んでいる」と語っている。
今回の取引によってイネオス・グループの財務状況は大幅に強化される。グループのレバレッジは2010年9月末現在で4・3×EBITDAであり、今回の提携完了時には約3・5×EBITDAに減少する見込み。
イネオスのラトクリフ会長は「今回の提案は、イネオスがペトロチャイナと合弁企業を設立する上で重要なステップである。これが完了すれば、強力なエクイティー原油ポジションを備え、統合された上流の石油精製で重要な専門知識を持つ戦略パートナーを持つことになる。今回の契約によって、当社は石油精製事業に完全にコミットし続けることができ、中国やそれ以遠でさらにテクノロジー事業を開拓していくチャンスが生まれる」と語った。
同会長はさらに「この合弁企業の設立に向けた作業を進めるとともに、グループのために2011年前半における当社の将来融資オプションを評価するつもりである」と語った。
今回の取引は、イネオスとペトロチャイナの間に真の戦略的提携が形成される一助となる。またイネオスの精製事業の長期的持続性が改善し、顧客への供給の安全性が強化され、英国、フランス両国での雇用と技能が担保される。
提案の合弁事業は、ペトロチャイナが欧州で広範な事業プラットフォームを形成し、国際的な大手エネルギー企業になるという同社の戦略と一貫性がある。イネオスの2カ所の精製所の地理的位置と生産能力は極めて好ましいものである。両精製所共に市場や原材料へのアクセスという点から見て良い場所にあり、2つとも欧州でもっとも急速に成長している精製燃料としてのディーゼル油の生産が主力だからである。
グランジマウス精製所は、北海からの原油と天然ガスに直接つながっているフォース湾に位置している。グランジマウス精製所は日量21万バレルの原油を処理しており、スコットランド、英国北部、アイルランド北部に燃料を供給している。
ラバラ精製所は、日量21万バレルの原油を処理している。同精製所は地中海原油取引ベイスンに位置しており、マルセーユ港の隣で原油ターミナルに隣接している。精製所からはパイプラインでフランス、スイス、ドイツ南部に燃料を供給している。
両精製所はイネオスの石油化学生産下流に統合されており、長期的事業にとって戦略的地位であり続ける。
今回の発表に引き続き、政府、関係規制当局の認可の対象となる最終契約の調印以前に、従業員との協議期間がある。
グランジマウス、ラバラのBロールと写真は下記の連絡先で入手できる。
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- [電力・発電]石油精製部門で合弁企業設立へ、イネオスとペトロチャイナ 2011/02/01 火曜日