三菱重工、リチウム二次電池事業本格参入へ 量産実証工場完成
完成したリチウム二次電池の量産化実証工場。年間生産能力は６万６０００ｋＷｈ（写真・三菱重工業） 三菱重工業は１８日、長崎造船所（長崎市）で建設を進めていた、リチウム二次電池の量産化実証工場が完成したと発表した。リチウム二次電池事業への本格参入に向け建設されたもので、年間生産能力６万６０００ｋＷｈ（中型電池換算で約４０万個）を誇る。今後、各種実証技術に取り組み、本格的な商業量産につなげていく考え。
実証工場は約２０００平方メートルの敷地に、昨秋から建設を進めてきた。１２月から生産を始め、ライン稼働率、タクトタイム、電池性能の実証に取り組んでいく。実証ラインには、三菱重工が保有するスラリー技術や印刷塗工関連技術、ターボチャージャーの量産管理技術などを、総合的に盛り込んだ。その後、国内外の市場動向を踏まえ、２０１１年をめどにさらなる本格的な量産工場の着工を計画している。
三菱重工は、リチウム二次電池の製造だけでなく、システム開発力を活かした市場参入をはかっている。世界に先駆けて昨年１０月に発売したエンジン式ハイブリッドフォークリフトでは、パワートレインとして同電池を搭載することにより省燃費化を実現。同時に、電動フォークリフト、電気バス、クレーンなど自社製品である輸送・搬送機器、あるいは他社製品にも、電動パワートレインシステムを組み込むことによる商品性の向上を提案している。
定置用では大型蓄電システムを開発。海外などの脆弱な電力系統での安定化補助電源として、また風力発電設備や太陽光発電設備など再生可能エネルギーの導入を促進していくための系統安定化装置としての実証を開始している。
前後の記事
記事バックナンバー
- ［電力・発電］三菱重工、リチウム二次電池事業本格参入へ 量産実証工場完成 2010/11/19 金曜日
