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中国農業銀が世界最大のIPO 2006年の中国商工銀を抜く

【ロンドン、香港17日PRN=共同JBN】中国四大国有銀行で新規株式公開(IPO)が最後となった中国農業銀行(AgBank)は今週、過去最大のIPOを記録した。

中国農業銀行はオーバーアロットメントのオプションを最大限に行使した結果、IPO総額は221億ドルとなり、2006年10月に記録した中国商工銀行の219億ドルを抜いた。中国農業銀のIPOの内訳はH株が120億ドル、A株が101億ドルで、香港と上海の二本立てで初値が付き、7月6日の公開日の資金調達額192億ドルにのぼった。

これだけの額の資本調達は非常に複雑で、数千にのぼる潜在的投資家、多くの銀行の連携の結果だ。H株分だけでも、ブックランナーを務めたのはCICC、ゴールドマンサックス、モルガン・スタンレー、中国農業銀行インターナショナル、ドイツ銀行、JPモルガン、マッコーリーの7行で、各行はいずれもディーロジックのグローバル・ブックビルディング・プラットフォームおよび通信ネットワークを利用して、IPO実施を成功させた。

アジアにおけるゴールドマンサックスのファイナンシング・グループの代表で、マネージングディレクターを務めているダン・ディーズ氏は「非常に課題の多い市場で、しかも期間が短い中でこの種の規模のIPOを成功させるのには、かなりの連携プレーと集中が必要だった。記録に残るこのIPOが成功裏に終わったのは、中国農業銀行の経営が強力であり、業界内における地位や独自のフランチャイズといった強さを立証するものだ」と論評している。

大規模なIPOには複数のブックランナーが関係しており、株価形成が正確に行われリスクを細小化させてIPOを成功に導くには各行の連携的アプローチがカギとなることが多い。年初来からでみると、5億ドル以上のIPOではブックランナー数が平均で3・6行だが、中国農業銀行のIPOの場合はブックランナーが9行以上で、これだけの数のブックランナーを使った例はこれまでにはない。

ディーロジックのマネージングディレクター、ジョディ・ドゥルラード氏は「20年間にわたって顧客と密接な関係を築いてきた結果ディーロジックは、IPO における連携のためのネットワークで業界標準を作ることができた。世界最大のIPOを成功させることができたのは、当社のプラットフォーム上で複数の銀行の連携が最高潮に達したからだ」と述べた。

2005年以降、中国企業のIPOは世界全体の4分の1を占めている。中国の4大国有銀行が株式公開したのも05年以降のことで、中国建設銀行がIPOを行ったのは2005年10月。資金調達額は92億ドルだった。中国銀行は06年5月で、調達額は112億ドルだった。

中国のIPOは2010年の新規上場株式の多くを占めており、今年のIPOのうち34%が中国で5年前から6%増加し、IPO総額(649億ドル)の47%を占めている。

▽ディーロジック(Dealogic)について
ディーロジックは、投資銀行および資本市場の専門家向けにプラットフォームを提供している。当社のプラットフォームは技術とデータ、分析およびコンサルティングを組み込んで、投資銀行が各種資源を配分し、取引を実行するのを支援している。

ディーロジックは、当社の資本市場プラットフォームを利用する世界の銀行トップ50行すべてとつながりがあり、資本市場のオリジネーション、シンジケーション、投資銀行業務、戦略などで25年以上の経験を有している。


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