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米経済の予想成長率引き下げ、米連邦住宅抵当金庫

 【ワシントン21日PRN=共同JBN】米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ;OTC Bulletin Board: FNMA)は21日、欧州諸国の国家債務問題への懸念が続いていることや、米国内でも民間経営者や消費者の間で警戒感が強まっているのを理由として、現在の米景気回復ペースは弱いとする2010年7月の経済見通しを発表した。ファニーメイの経済・モーゲージ市場分析グループが作成した見通しでは、これまで3・2%としていた今年の米経済予想成長率を2・8%に引き下げたほか、不透明感が強まり下振れリスクが高まっている中で景気の悪化を引き続き警戒している。

 ファニーメイのチーフエコノミスト、ダグ・ダンカン氏は「ここ数ヶ月は金融市場の変動が大きかったこともあって、米国は景気拡大のペースが落ちた」と指摘。「このため民間部門の経営者は、新規雇用の決定にあたって二の足を踏んでおり、企業は現金の積み増しを行ってはいるが、人的投資ではなく資本投資をおこなっているのが一般的だ。新規雇用に二の足を踏んでいるのは消費者にとっては打撃であり、借金を減らす傾向が続いていることから消費者は支出を抑えている」と述べた。

 分析グループによると、住宅部門での逆風も強まった。住宅取得者に対する税控除が期限切れとなるのは予定されていたため、第3四半期の住宅関連活動は縮小すると予想されてはいたが、実際には予想以上に縮小した。分析グループは、第4四半期から来年にかけて穏やかながら回復するが、今年の住宅販売水準は基本的には横ばいにとどまるとみている。住宅ローン金利が歴史的低水準にあるのが、その大きな要因になるという。

 ダンカン氏は「今年の住宅投資は、経済成長には中立的効果しかなく、このため現在の景気回復は例のないものになるとわれわれは考えている。住宅部門は歴史的には、景気後退から抜け出すに際して大きなけん引役を果たして来た」と指摘した。

 2010年7月経済見通しはオーディオ版があり、経済・モーゲージ市場分析グループのポッドキャストを参照のこと。アドレスは http://www.fanniemae.com.内の同グループの以下のサイトにアクセスのこと。
http://www.fanniemae.com/media/economics/index.jhtml?p=Media&s=Economics+%26+Mortgage+Market+Analysis
 また経済見通しの全文は、ファニーメイのサイトに掲載されており、経済動向に関するコメント、経済予測、住宅市場予測なども掲載されている。

 掲載した資料にある意見、分析、推定、予測その他ファニーメイの経済・モーゲージ市場分析(EMMA)グループの見解は、ファニーメイの業務予測や予想される業績を示すものではなく、多くの前提に基づいてのものであって、予告なく変更されることがある。またここにある情報が、ファニーメイの活動にどの程度影響するかは、多くの要因で左右される。EMMAグループは意見や分析、推定、予測、見解表明を行うにあたっては、信頼しうる情報に基づいているが、上記資料に提供された情報が正確、最新あるいは特定目的に適切であると保証するものではない。前提条件の変更あるいは表明した見解の基となっている情報の修正によって、まったく異なる結論で出る場合もある。EMMAが発表する分析、意見、推定、予測その他の見解は、同グループの見解であり、現時点ではファニーメイあるいはその経営陣の見解を示唆するものではなく、あるいは必ずしも見解を代表するものではない。

 ファニーメイは購入可能な住宅を拡大し、地域社会に世界から資本をもたらして米国住宅市場に貢献するのが目的である。ファニーメイは連邦政府の認可を得ており、住宅購入者に融資できるよう米国の抵当銀行やその他の貸し手に資金を供給、米国のモーゲージ流通市場での活動でモーゲージ市場の流動性拡大を目指している。米国に居住する人々を支援するのがファニーメイの仕事である。


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