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世界最大のエタノール工場、デンマークで全面稼働

 【カルンボルク(デンマーク)9日PRN=共同JBN】インビコン(Inbicon)は、初のインビコン・バイオマス・リファイナリー工場の全面稼働開始にともない、地球のエネルギー独立記念日を宣言している。同工場は、麦わらを年間に140万ガロンのセルロース系エタノールに変える世界最大のセルロース系エタノール生産工場である。

 インビコンのニールス・ヘンリクセン最高経営責任者(CEO)は「わが社はガソリンに代わるニューエタノールだけを生産するのではなく、石炭に代わるバイオ燃料のリグニンも生産する。しかし、再生可能なエネルギープロセスは、再生可能なエネルギー製品と同様に重要である。インビコン・バイオマス・リファイナリー工場は石炭火力発電所、グレインエタノールプラント、CHP(熱電併給)事業と統合すれば劇的な効率改善を示せる。シンビオティックなエネルギー交換は、わが社の顧客が持続可能でカーボンニュートラルな事業を構築するのを助ける」と語っている。

 カルンボルク・リファイナリー工場は、デンマーク最大のアスナエス発電所と統合される。麦わら、トウモロコシの茎と穂軸、サトウキビの絞りかす、草などさまざまな原料が利用できる。発電所の余剰蒸気でバイオマス・リファイナリー施設を運用して、リファイナリーの総エネルギー効率を71%にまで高めることができる。グリーンな電気を発電するため、リファイナリーの副産物である非常にクリーンなバイオ燃料のリグニンが、発電所のボイラーをさらに改善しなくても、石炭の火力を増大させることができる。

 セントルイスで最近開かれた第26回国際燃料エタノール・ワークショップで、米国の3社が開発中のセルロース系プロジェクトを披露した。それぞれがスケールアップしたインビコン・バイオマス・リファイナリーつまりニューエタノール年産2000万ガロンの商業設計を含んでいる。

 米ミネソタ州の電力協同組合であるグレートリバー・エナジーのサンドラ・ブローケマ・ビジネス開発マネジャーは、ノースダコタ州で麦わらを原料としている商業規模のインビコン・バイオマス・リファイナリー施設であるダコタ・スピリット・アグエナジーが同協同組合の新しい64メガワットのスピリットウッド発電所と統合されると語った。

 ジェネシー・リージョナル・バイオフュエルスのジョン・ゲル役員は、ニューヨーク州ロチェスター近くにバイオマス事業複合施設を建設する計画について報告した。同社はニューヨーク州の農業(トウモロコシ茎の処理)を再活性化して本来の草地に戻し、古い茶色の地域に生命を取り戻すことに集中している。リグニンは既存の発電所で使われた石炭に取って代わることになる。

 SWIエナジーのためにエンジニアを養成しているインテグロ・サービス・グループのピーター・ベンドーフ技師は、イリノイ州アルトンにトウモロコシを年間5900万ガロンのエタノールに転換するプラントを新たに建設し、年間2000万ガロンのインビコン・バイオマス・リファイナリー施設と統合することを計画している。両施設の相乗効果を利用して化石燃料と無関係のエタノールが生産される。

 インビコンはアジアのリファイナリー施設について三井造船とも協力している。詳しい情報は http://www.inbicon.comへ。


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