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日立と三菱電、三菱重が水力発電事業を統合へ 世界市場狙う

 日立製作所と三菱電機、三菱重工業の3社は5日、水力発電システム事業の統合に向けて協議を行うと発表した。同事業の強化・拡大を目的に実施されるもので、2011年10月に合弁会社を設立。水力発電システムにおける販売・エンジニアリング・開発・設計機能を統合し、事業の強化を図る。

 水力発電は、再生可能エネルギーとして今後も着実な需要が見込まれている。国内においては、新設の大型プラントの計画は減少傾向にあるものの、既設の発電設備に更新・予防安全などのメンテナンス需要は底堅く推移する見通し。一方、海外市場では、水資源を活かした大規模電源開発が進む中国や、中南米、インドなどで旺盛な需要が見込まれる。しかし、欧州メーカーとの競合に加え、中国メーカーの海外進出が進んでおり、厳しい事業環境となっている。

 そうした状況下で、同社では3社の事業を統合することで経営資源を集中させ、世界トップクラスの高速・大容量・高落差の揚水発電技術などの競争力を一段と強化させる。特に今後市場ニーズの高まりが期待される「可変速揚水発電システム」において世界における市場シェア拡大を狙う。

 揚水発電システムは、主として地下に造られる発電所と、その上部と下部に位置する2つの池から構成される。上池に貯めた水を下池に落として発電し、下池に貯まった水を余剰電力で上池に再びくみ揚げることで繰り返し発電できる。特に、可変速揚水発電システムは、瞬時に電力を調整することが可能で、系統安定化に貢献する大規模な発電・貯蔵システムとして期待されている。


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