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南米初の天然ガス液化プラント、ペルーで操業開始

 【メルチョリータ(ペルー)11日PRN=共同JBN】南米初の天然ガス液化プラントが6月10日正式に操業を開始した。380億ドルを投資したペルー LNG(PERU LNG)は、同国でこれまでに行われた単一プロジェクトへの最大の投資である。

 アラン・ガルシア・ペレス大統領、数人の政府当局者、政界、経済界のリーダー、オピニオンリーダーとこのプラントで働く多くのペルー人がサウス・パンアメリカン・ハイウェー170キロ地点にあるメルチョリータ・プラントの正式開所式に出席した。

 メルチョリータの操業開始によってペルーは、高いレベルの投資家の信頼と法的、経済的安定が巨額投資プロジェクトを引き寄せる磁石として作用する新たな時代に入った。ペルーLNGの操業開始は現在の経済成長のトレンドが続くチャンスを示し、繁栄する安全な投資先というこの国に対する評価を重ねて強調するものである。

 このプロジェクトの結果、ペルーの国内総生産(GDP)は建設段階中(2006-2010年)に2%増加し、約3万人の雇用が創出された。将来を考えると、ペルーはこのプロジェクトのおかげで年間に約3億1000万ドルを受け取ることになると予測されている。

 メルチョリータ・プラントは貯蔵、輸送を容易にするためにガスの容積を600分の1にする液化、冷却プロセスを通じて液化天然ガス(LNG)を生産する。プラントの名目生産能力は年間440万トンで、日量6億2000万立方フィートの天然ガスを処理する。

 さらに、プラントにはペルー最大の貯蔵タンク2基(貯蔵能力はそれぞれ天然ガス13万立方メートル)と、延長1キロ以上で9万-17万3000立方メートルのLNGタンカーを受け入れられる海上ターミナルがある。

 メルチョリータ・プラントは10年にわたる計画と開発の結果であり、これにはペルー市場向けにも使われる重要なパイプライン・インフラの敷設が含まれている。TGPとの間で調印され、エネルギー・鉱山省から最近承認された協定によって、ペルーLNGのパイプラインは最大で日量5億5000万立方フィートの輸送能力をペルー市場に提供することになっており、これによってガス輸送のボトルネックが解消され、より多くのガスを発電会社、工業会社、天然ガス車、暖房用に天然ガスを使うペルーの家庭に届けられることになる。

 ▽コンソーシアム
 世界クラスのエネルギー会社4社がペルーLNGコンソーシアムを構成している。参加持ち分50%の米国のハント・オイル社、同20%の韓国のSKエナジー社、同20%のスペインのレプソル社、同10%の日本の丸紅である。

 このコンソーシアムはペルーLNGプロジェクトを開発、構築、運営するために特に結成された。経験のある建設請負業者数社がこのプロジェクト実現のために契約した。プラントのエンジニアリング・調達・建設(EPC)を担当するシカゴ・ブリッジ&アイアン(CB&I)、海上ターミナルのEPCを担当するCDBコンソーシアム(サイペム、ジャンデヌル、オーデブレヒト)、パイプライン敷設に責任を持つテチントである。グラフィア&モンテロ、コサピ、トランスレイ、ミネラ・サンマルティン、コスモス、アセロス・アレクイパ、テクニカス・メタリカス、エステマ、シマその他のペルー企業もプロジェクトに貢献した。

 プロジェクトは総額22億5000万ドルの融資を受けたが、これには名声の高い国際機関からの融資や地元ペルー市場からの融資が含まれている。国際的な融資は米州開発銀行(IADB)、世界銀行・国際金融公社(IFC)、米国輸出入銀行、韓国輸出入銀行、イタリア輸出信用機関(SACE)、ソシエテ・ジェネラル、BBVA、クレディ・アグリコール・CIB、住友、ING、みずほ、東京三菱銀行から受けた。さらに、より多くの資金を確保するため地元市場で2億ドルの債券募集を行い、成功した。バンコ・デ・クレディ・デル・ペルー、スコシアバンク・ペルーは7500万ドルの運転資金借入枠を提供し、パートナー会社は16億ドルの出資を行った。

 ▽社会的責任
 建設期間中(2006-2010年)に約2000万ドルが社会計画、環境計画に投資された。模範的なパフォーマンスを確保するために最高の国内、国際標準が実行され、すべての活動で環境と地元文化を尊重するというプロジェクトのコミットメントを示した。

 2万家族以上がペルーLNGの実行した一連の社会的責任プログラムから恩恵を受けた。このコミットメントの一環として、アンデス高地の農業、牧畜業の競争力を高める「アリン・ミンケー」、沿岸地域の中小企業を強化する「フォルピメ」などの模範プログラムが実行された。

 さらに、広い範囲の環境プログラムがパイプライン地域とプラント周辺で実行された。これらの生態系の多様性、保護プログラムは最高の国内、国際環境標準を満たしているだけでなくそれを上回っている。


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