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三菱化学、リチウムイオン二次電池用正極材の生産能力増強

 三菱化学は27日、水島事業所(岡山県倉敷市)におけるリチウムイオン二次電池用正極材の生産能力の増強を決定したと発表した。

 同社では、2009年10月より水島事業所において、年産600トンの正極材製造設備を稼動させているが、今後急速な市場拡大が見込まれるハイブリッド自動車・電気自動車・定置型蓄電システム等の需要に応えるため、生産能力を1600トン増強し、年産2200トンとする。増強工事の完了は、2010年10月を予定。

 従来の正極材は一般的にコバルトのみを主原料としていたが、昨今のコバルト価格の上昇等により、ニッケル・マンガン・コバルトを共に用いる「三元系」タイプのものが主流になりつつある。三元系正極材における各元素の含有比率は、通常、「ニッケル:マンガン:コバルト=1:1:1」(コバルト含有比率約33%)だが、同社では、独自の粒子構造制御や改質処理により、正極材の性能を維持しつつ、コバルトの含有比率を10%にまで大幅に低減させる技術を確立し、今般増強する正極材製造設備において量産を可能としている。


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