川崎重工、米NY市交通局から新型地下鉄電車受注 82億円
R142A外観イメージ写真(提供・川崎重工) 川崎重工業は、米現地法人KRC社を通じて、ニューヨーク市交通局から地下鉄電車(R188)新車23両と、既存車改造10両の発注内示を受けたと発表。受注金額は約8700万米ドル(約82億円)。2011年から1年にかけて順次納入する予定。
今回の契約には、新車123両ならびに既存車改造350両のオプションが付随しており、当局の予算が承認される2010年夏頃にオプションは行使される見通しで、オプション契約も含むと契約総額は約4万7100万米ドル(約439億円)となり、2015年まで生産が継続することになる。
R188地下鉄電車は、川崎重工が2001年から2005年にかけて納入したR142A地下鉄電車(納入総数600両)をベースに、地下鉄運行システムのさらなる運転効率・信頼性・安全性向上を図るため、CBTC方式の列車制御システムを採用した車両。同プロジェクトは川崎重工納入車両の列車制御システムの高度化という新しい受注形態。
今回受注する車両の構体製作は兵庫工場(神戸市)で、機器取付けと最終組立、試験はヨンカース工場(米国ニューヨーク州)で行う。既存のR142A車両のCBTC方式への改造はすべてヨンカース工場で実施する。NYCTはCBTC方式への順次置き換えを計画中であり、今後もそれに伴う継続的な車両発注が行われる見込み。
注:従来の列車制御システムは、走行レールに信号電流を流して列車に制御情報(主に最高速度など)を送り、この情報を車両で受信して列車の制御(特に速度制御)を行っている。一方で、CBTC方式による列車制御システムは、制御情報を無線で列車に送り、この情報を車両で受信して速度を制御するシステムである。
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- [鉄道・車輌]川崎重工、米NY市交通局から新型地下鉄電車受注 82億円 2010/05/03 月曜日