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JFEスチールが独・TKSと高張力熱延鋼板を共同開発

 JFEスチールは25日、ドイツのティッセン・クルップ・スチール社(TKS社)と共同で、自動車用の新しい複合組織型高張力熱延鋼板を開発したことを発表した。新開発の高張力鋼板は伸びを従来比40%まで向上させており、耐衝突用の自動車骨格部品や伸びを要する足回り部品などでの採用が期待される。すでに両社は共同で特許を出願しており、日本と欧州での量産化を検討している。

 今回共同開発された高張力鋼板(ハイテン)は、引張強さ(TS)が780MPa級で成形性の指標である伸びを従来比40%向上させることに成功させている。両社が行った成形試験でも伸びを向上させた開発材の優位性が確認されており、今後、自動車骨格部品などでの採用が期待される。

 同製品は、残留オーステナイト相を含むベイナイト相とナノメーターサイズの析出物で強化されたフェライト相の3相から構成されており、オーステナイトが硬質なマルテンサイトに変態することで、加工によって局部的に薄くなる現象(ネッキング)を抑制し、優れた強度・延性バランスを示す。両社はこの特性の組織を得るため、新たな合金設計を行い、熱間圧延時および冷却時の温度精度を向上させたという。

 両社は2002年に自動車メーカー向けに高級鋼材の世界的な供給を目指し、研究開発に関する包括提携を結んでおり、今後もハイテンの共同開発を進め、世界的な供給を目指す。


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