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秋色桜(しゅうしきざくら・八重紅枝垂)が見頃を迎える

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 由来=上野は、江戸のはじめから桜の名所として知られていた。数多くの桜樹の中には、固有の名を付せられた樹も何本かあり、その代表的なものが、この「秋色桜」である。

  井戸ばたの
     桜あぶなし
        酒の酔

 この句は元禄(1688年~1703年)の頃、日本橋小網町の菓子屋の娘お秋が、花見客で賑わう井戸端の様子を詠んだものである。桜の枝に結ばれたこの句は、輪王寺宮に賞せられ、一躍江戸中の大評判となった。お秋は当時十三歳だったと伝えられている。俳号を菊后亭秋色と号した。以来この桜は「秋色桜」と呼ばれている。ただし、当時の井戸は摺鉢山の所ともいい正確な位置については定かでない。

 お秋は、九歳で宝井其角の門に入り、其角没後はその点印を預かる程の才媛であった。享保10年(1725年)没と伝えられる。

 ※現在の桜は昭和53年に植え接いだもので9代目にあたる。(撮影=Y.ONAYA)

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