韓国の大宇造船海洋、カナダ・トレントンに工場建設
【ハリファックス(カナダ)5日CNW=共同JBN】韓国の大宇造船海洋(DSME)はこのほど、風力タービン(発電)・タワーとブレードの北米製造センターをカナダのノバスコシア州に建設することを選択した。このセンターは同州ピクトゥー郡トレントンに位置し、500人を直接雇用し、2010年秋に正式の操業を開始する予定。
ノバスコシア州とDSMEは株式投資に関する株主契約に署名した。DSMEは契約に基づき普通株の51%相当の2040万ドル、ノバスコシア州は同49%に相当する1960万ドルを出資して役員会に役員を1人出す。ノバスコシア州はまた、立ち上がり資金融資、新規設備用融資、運転資金、土地・建物取得資金融資を行う。
ノバスコシア州のダレル・デクスター知事は「ノバスコシア州にとって、今日は新たな国際的大手製造業をわれわれのビジネスコミュニティーに迎えるという歴史的な日である。DWMEとノバスコシア州の提携は、魅力的な北米市場への玄関口としてのノバスコシア州の立場を強化するものである」と語った。
ノバスコシア州とDSMEの提携は、新興市場とりわけアジアの新興市場に進出することで外国からの直接投資を多様化するノバスコシア州の努力を反映している。
DSMEの南相兌(ナム・サンテ)最高経営責任者(CEO)兼社長は「風力エネルギー・セクターでの多様化戦略を描いているDSMEにとって、ノバスコシア州は適切な場所である。ノバスコシア州の熟練労働力、効率的な輸送システム、他より安いコスト、風力、潮汐、オフショアを含む複数のエネルギー資源に魅力を感じていた。政府がサポートしてくれることも当社がここに決定した主因の一つである」と述べた。
カナダ政府はこの工場に1000万ドル投資する意向だと発表した。この投資は大西洋地域開発庁(ACOA)を通じて行われ、500万ドルの借入金と500万ドルの近隣土地改良資金供与の形で行われる予定。
今回の事業は、経済的機会の探求のための覚書署名に端を発している1年以上にわたる努力の結果である。当初の覚書は、DSME、ノバスコシア州エネルギー・経済・地方開発局、ノバスコシア・ビジネス・インク(Nova Scotia Business Inc.)によって作成された。
DSMEは多角的企業で、世界最大の造船会社の一つである。韓国を本社とする同社は1973年創業で、商船・軍艦の造船、海洋プロジェクトの一流企業である。DSMEは2009年、米国の風力タービン・エンジニアリング会社、DeWind Inc.を買収するとともに、風力発電セクターへの進出と北米での生産プラント建設を発表していた。DSMEは韓国証券取引所に上場している。
前後の記事
記事バックナンバー
- [船舶・造船]韓国の大宇造船海洋、カナダ・トレントンに工場建設 2010/03/08 月曜日