現在位置: HOME > ニュース&コラム > ビジネス・産業 > 船舶・造船


バイオマス精製技術をライセンス、インビコンが三井造船に

 【フレデリシア(デンマーク)1日PRN=共同JBN】重工業大手の三井造船(MES)とデンマークのセルロース系エタノール技術先駆企業のインビコン社(Inbicon A/S)は1日、インビコンのバイオマス精製技術に関するライセンス契約を結んだと発表した。

 契約によって三井造船は、インビコンの技術を使って東南アジアで多くのバイオマス精製施設を建設する権利を取得する。三井造船はこの技術をパームオイル産業に適用して、パームオイルの廃棄物からエタノール、エネルギー源となる固形バイオ燃料、家畜飼料に転換することができる。同契約はインビコンにとって最初のライセンス売買契約となる。

 三井造船の山下俊一取締役環境・プラント事業本部長は「われわれはこの契約を得て、東南アジアで次世代エタノールを生産する設備管理(プラントエンジニアリング)事業を確立する重要な一歩を踏み出す。われわれは既に、新しい事業を開発するため相当な資源を注ぎ込んできた。さらにわれわれは、ほかの市場でもインビコンとの協業を拡大したいと思っている」と語った。

 インビコンのニールス・ヘンリクセン最高経営責任者(CEO)は「これは原材料としてパームオイル廃棄物利用の試験で始まった三井造船との長年の協力が実ったものである。われわれは2009年を通じて、両社社員間の関係を進め、当社初のライセンス提供者に三井造船を迎えて非常に喜んでいる。われわれは三井造船を最優先企業として契約を結んだことによって、長期的な協業に向かう重要な一歩になると考えている」と語った。

 ヘンリクセンCEOはさらに「これはまたインビコン技術の商用化における重要な出来事である。デンマークのダニスコ・ジェネンコア、ノボザイムズなど有力な酵素供給会社による酵素技術の最新の成果を得て、われわれは今や世界の多くに国で真に実用的な次世代エタノールを大規模生産することを期待している」と語った。

 三井造船は東京に本社があり最大手重工業企業の1社である。同社の事業は造船に限らず、環境、エネルギー、製造、メカトロニクス、情報、ロジスティックス、工業プラント、医療科学、レジャー部門が含まれる。詳しい情報はwww.mes.co.jp/englishを参照。

 インビコンはリグノセルロース系ソフトバイオマスを燃料、飼料、環境に優しい化学製品に転換・精製する技術を開発している。同社は2003年にパイロットプラントを稼働し、昨年12月にはその技術を実証するためデンマークのカルンボルクに初のインビコン・バイオマス・リファイナリー工場を開設した。同工場は麦わらをエタノール、家畜飼料、エネルギー用リグニンペレットに転換する。同社はドンク・エナジー社(DONG Energy A/S)の子会社である。詳細はwww.inbicon.comを参照。


関連記事

powered by weblio


前後の記事



記事バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の産業ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する