中国の電網研究院と覚書署名、ULが太陽光発電など支援
【南京28日PRN=共同JBN】製品安全認証分野で世界をリードする組織、アンダーライターズ・ラボラトリーズ(Underwriters Laboratories=UL)はこのほど、中国国家電網研究院(State Grid Electric Power Research Institute of China=SGEPRI)と中国の再生可能エネルギー、配電産業の研究開発を促進するための覚書に署名した。
合意によると、ULはSGEPRIとともに必要な調査を実施、太陽光発電(PV)テクノロジー、インバーター、コンバーターを含む電力供給の進展を支援する。ULはまた、中国全土の規格開発の実行、推進に協力するとともに、安全認証、部品試験、機器測定について業界に訓練を提供する。
ULグレーターチャイナ本部のウェイファン・ゾウ副社長兼支配人は「アンダーライターズ・ラボラトリーズは、安全と信頼性の問題が再生可能エネルギーの実績に極めて重要な役割を持ち、最終的にその発展継続に影響を与えることを承知している」と述べ、さらに「ULは規格開発と製品安全試験の経験を SGEPRIと共有し、中国の再生可能エネルギー進展に資することができて光栄だ。ULは中国電力業界の主要研究所と協力することにより、中国の再生可能エネルギー開発に参加し、地元PVインバーターメーカーに技術支援を与えることになる」と語った。
中国は再生可能エネルギーの経済基盤を急速に発展させており、水力発電の設備容量、太陽熱温水機部門、太陽光発電能力でトップにランクされている。中国政府は2007年、電力発電の少なくとも10%を風力、太陽熱など再生可能エネルギー源に依拠するよう義務付けた。2010年のシェアは15%に達する見込みで、中国の再生可能エネルギーの潜在力を証明している。2009年12月に採択された「改正再生可能エネルギー法」はこの目標数字を強調している。
SGEPRIのイ・フー副院長は「中国の再生可能エネルギー採用は重大な局面に来ている。従って、太陽光発電システムをいかに安全に電力網に組み込むかは中国にとって極めて重要だ。SGEPRIはULの製品試験、規格開発の専門技術をてこに、電力網整備の主要な科学研究開発組織として、さらに地位を固めることができる。提携は再生可能エネルギーを電力網に編入するうえで、世界水準の規格、試験能力、技術評価を達成するために必要な手段を与え、中国の新クリーンエネルギー導入に道を開く」と述べた。
SGEPRIは国家エネルギー局の承認を得て「太陽熱研究開発センター」を設立、規格開発、試験能力、技術の評価と認定、訓練などの責任を負っている。
▽アンダーライターズ・ラボラトリーズについて
アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)は100年以上にわたって製品を試験、安全規格を開発してきた独立系の製品安全認証組織である。ULは毎年7万2000のメーカー製品に200億のULマークをつけ、1万9000を超えるタイプの製品、構造物、資材、システムを評価している。ULの世界に広がる企業ファミリーとサービスプロバイダーのネットワークには、世界98カ国で顧客にサービスするラボ、試験・認証施設64カ所が含まれている。詳細はhttp://www.ul.com/newsroom.を参照。
▽中国国家電網研究院について
中国国家電網研究院(SGEPRI)は中国国家電網公司(SGCC)直属の総合科学研究開発機関。組織調整、再編の要請を受け2008年6月SGCCが創設、南京自動化研究院、武漢高圧研究院を併合した。新研究院は理論研究、新テクノロジーの実用化、新製品の開発に取り組んでいる。電力システムとその自動化、直流・交流高圧テクノロジー、水資源保護と水力発電管理、電力系統通信とITエンジニアリング、基礎電力設備とその合理的分析、電力工学、鉄道運輸、産業自動化を対象分野としている。
前後の記事
記事バックナンバー
- [電力・発電]中国の電網研究院と覚書署名、ULが太陽光発電など支援 2010/01/31 日曜日