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ノルウェーのスタットクラフト、世界初の浸透膜発電試験

 【オスロ24日PRN=共同JBN】ノルウェーのエネルギー事業会社スタットクラフト(Statkraft)は世界初の浸透膜発電プロトタイプ(実用試験プラント)の運転を開始する。公式の運転開始はメッテ・マリット王太子妃を迎えて行われ

 マルチメディアのニュースリリースは以下のサイトを参照。
 http://multivu.prnewswire.com/mnr/prne/statkraft/39242/

 プロトタイプの発電機は淡水と海水が混じり合う際に得られるエネルギー(淡水と海水の塩分濃度の差を利用し浸透膜を通して得られた圧力でタービンを回転させて発電する)を利用して発電する。

 浸透膜発電は再生可能で排出物のないエネルギー源であり、スタットクラフトは環境に優しい電力生産に実質的な世界的貢献をする能力を持たせようと10年間研究開発を進めてきた。(http://www.statkraft.com/energy-sources/osmotic-power)

 スタットクラフトのバルト・ミッケルセン最高経営責任者(CEO)兼社長は「この新しい技術は水を混ぜ合わせることで容易に発電する。気候変動問題に対応する新しいソリューションは期待以上に進展し、将来は明るいと確信するようになっている」と語った。

 ノルウェーのテリエ・リース・ヨハンセン石油エネルギー相は「浸透膜発電プロトタイプの運転を開始するスタットクラフト社を祝福する。革新的なエネルギー・ソリューションは気候変動問題に対応するため欠かせない。ノルウェーの1企業がこれら技術の開発でフロントランナーであることを喜んでいる」と語った。

 世界自然保護基金(WWF)ノルウェーのラスムス・ハンソン会長は「スタットクラフトのような大企業が、新しい再生可能なソリューションに投資していることを評価する。われわれはこのソリューションが持続的なものになるようスタットクラフト社と協力していく」と語った。

 プロトタイプは限られた生産能力しかなく、主としてテストと開発を目的としている。目標は数年中に商用の浸透膜発電プラントを建設する能力を備えることである。

 浸透膜発電(http://www.statkraft.com/energy-sources/osmotic-power)の世界的な潜在能力は年間1600-1700テラワット時(1テラワットは100万メガワット)あり、欧州連合(EU)の総電力生産の50%に相当する。浸透膜発電プラントは基本的に、淡水が海に注ぎ込む所ならすべて可能であり、プラントは騒音あるいは汚染廃棄物を一切出さず、例えば工業用ビルの地下室など既存の工業地域と一体化することができる。

 スタットクラフトは1997年以来浸透膜発電を研究しており、多くの国のR&D組織と協力してこのプロトタイプを開発した。今回のプロジェクトは大きな国際的関心を呼び、数人の外国賓客が試験運転開始に参列する。

 スタットクラフトは欧州最大手の再生可能エネルギー開発企業である。同社グループは水力発電、風力発電、ガス発電、地域暖房を開発しており、欧州電力交換の主要プレーヤーである。スタットクラフトはまた海洋エネルギー、浸透膜発電、太陽光発電、その他革新的エネルギー・ソリューションを開発している。スタットクラフトは2008年、31億ユーロの総営業収益を上げている。グループは20カ国余りで3200人を雇用している。


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