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三菱重、カナダ発電所向けにガスタービン発電機2基受注

 三菱重工業は、カナダのエネルギー企業トランスカナダ・エナジー社から、ガスタービン発電機2基を受注した。TCEが同国オンタリオ州に建設するガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電所の中核をなすもので、納入は2011年中頃の予定。同発電所は2013年末に運転を開始し、オンタリオ州電力公社に90万kWの電力を供給する。

 今回の天然ガス焚きGTCC発電所「オークビル火力発電所」は、オンタリオ湖岸でトロントの南西約30kmにあるオークビル市(Oakville)に立地。TCEが建設・所有・運営する発電設備として、OPAと20年間にわたる電力供給契約を結び、人口増加が著しく成長が急速な州南西部地域(大トロント圏)の旺盛な電力需要に応えていく。

 オンタリオ州政府は、温室効果ガス削減策の一環として、2014年をめどに石炭焚き火力発電設備の廃止を打ち出している。OPAの天然ガス焚きGTCC電源開発計画は、この政策に沿ったもの。

 GTCC発電設備はガスタービン、蒸気タービン、排熱回収ボイラー、発電機などで構成される。三菱重工はこのうち「M501GAC形」ガスタービンを製作。発電機は三菱電機が手掛ける。これらを三菱重工は、子会社で原動機事業の米国拠点であるMPSAのカナダ子会社MPSカナダを通じて受注した。M501GACは、燃焼器の冷却を従来の蒸気冷却方式から、空気冷却方式に替えた改良型で、今回の受注が初めてとなる。

 TCEはトランスカナダ社の100%子会社。トランスカナダ社はカルガリー市(アルバータ州)に本社を構え、カナダ西部で産出する天然ガスを約6万kmに及ぶパイプライン網で北米市場に供給するかたわら、天然ガスを利用した総発電出力1100万kWに達する独立発電事業や、LNG(液化天然ガス)貯蔵事業を手掛けている。2008年12月期の売上高は約86億カナダドル。

 GTCC発電設備は、ガスタービンにより発電を行い、その排熱を利用して蒸気タービンでも発電することにより、エネルギーの高効率利用と温室効果ガスであるCO2排出削減を実現。省エネだけでなく、環境保全にも貢献できる。また、ガスタービン発電単独でも、石炭焚き発電に比べて大幅なCO2排出削減となる。


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