マイクロソフト、開発者向け各種新ソフトを紹介
【ロサンゼルス19日PRN=共同JBN】マイクロソフトはロサンゼルスで開かれている開発者向け年次会議「プロフェッショナル・デベロッパーズ・カンファレンス2009」の2日目に、ウィンドウズの能力とウェブの広がりを利用するアプリケーションを作成する開発者向けの新しい機会とリソースの概略を説明した。マイクロソフトはまた、マイクロソフト・シルバーライト4(Microsoft Silverlight 4)、マイクロソフト・オフィス2010(Microsoft Office 2010)、マイクロソフト・シェアポイント・サーバー2010(Microsoft SharePoint Server 2010)の新しいベータバージョンをテストするよう開発者に呼びかけた。
ウィンドウズ・アンド・ウィンドウズライブ部門のスティーブン・シノフスキ社長は、顧客に迫力のあるコンピューティング体験をしてもらうため、ウィンドウズ7とインターネット・エクスプローラー8を活用してどのようにして革新的な独自ソフトウエアとハードウエアを作成するかを具体的に説明した。
ソノフスキ社長は「ウィンドウズ7による大きなサポートは、開発者にとってウィンドウズ・プラットフォーム上の有形の機会と同等の意味がある。開発者がわれわれ顧客すべてに役立つウィンドウズとウェブを活用してもらう新しい方向を期待している」と語った。
シノフスキ社長はまた将来を展望して、開発作業中のインターネット・エクスプローラー9の一部を早々と公開して、PCの全面的な能力をウェブ体験に持ち込むためDirectXを使うなどパフォーマンス、相互運用(接続)基準やさまざまな進歩について説明した。
▽リッチなユーザー体験の開発
.NETデベロッパー・プラットフォーム担当副社長のスコット・ガスリー氏は、シルバーライト技術が3つのスクリーンを同時に作動するリッチなプラットフォーム間体験を提供することを示した。同氏はシルバーライト3発表後わずか4カ月でシルバーライト4のベータ公開を発表して、消費者と企業の双方に対する設計を支援し、ウェブ上の体験を発展させるためイノベーションのペースを引き続き早めていると説明した。シルバーライト4のベータ版はhttp: //www.silverlight.net/getstarted/silverlight-4-betaでダウンロードすることができる。
ガスリー氏はシルバーライトの新バージョンは以下のような機能を備えると説明した。
*ブラウザー外の能力を拡大して、コードやランタイムを追加せずにより深いデスクトップ体験を可能にする。
*企業用アプリケーション開発者に対する強力な機能強化。その中にはマイクロソフト・ビジュアル・スタジオ2010(Microsoft Visual Studio 2010)への全面サポートが含まれ、マイクロソフト・オフィスとマイクロソフト・シェアポイント・サーバーへのアクセス提供、さらには印刷、ネットワーキング、リポーティング、チャート機能などの能力強化が含まれる。
*より豊かなウェブ体験。その中には新しいウェブカムとマイクロフォンの能力、広範なメディアコンテンツ配信向けネーティブ・マルチキャスト支援、迫力のあるインタラクティブなアプリケーション構築のための60以上のカスタム化可能な制御機能などが含まれる。
シルバーライトは現在、世界でインターネット接続可能な機器の45%余りにインストールされており、バンクーバーで開催される2010年冬季五輪のNBC オンライン放送、ウィンブルドン、「NLFサンデーナイト・フットボール・エキストラ」、さらにはコンチネンタル航空、ヴィクトリアズ・シークレットのファッションショー、イーベイ(eBay)など一流の顧客にパフォーマンス能力を与えている。ガスリー社長はまた、スナップフロー(SnapFlow)、ブルームバーグL.P.(Bloomberg L.P.)などの新たな顧客が自社業務のためにシルバーライトに大幅投資していることを発表した。
ガスリー社長は「シルバーライト4のベータ版は、マイクロソフトが急速な革新を続け、開発者が3つのスクリーンでリッチなアプリケーションを実行してもらえる、新たな重要な一歩前進である。シルバーライト4は開発者に対して、ウェブ上ないしはブラウザーの枠外における高品質で極めて確実かつ魅力あるウェブアプリケーションを素早く構築するため必要なすべての能力を提供する。シルバーライトはビジネス・アプリケーション構築のための優れた選択肢としての立場を確実にする」と語った。
▽最高の生産性体験を進める
オフィス・ビジネス・プロダクティビティ・グループ上級副社長のクルト・デルベーネ氏はこの説明会の閉会前に、マイクロソフト・オフィス2010、マイクロソフト・シェアポイント・サーバー2010、マイクロソフト・ビジオ2010(Microsoft Visio 2010)、マイクロソフト・プロジェクト2010(Microsoft Project 2010)、マイクロソフト・オフィス・モバイル2010(Microsoft Office Mobile 2010)、企業顧客向けオフィス・ウェブ・アプリケーションズ(Office Web Apps)のベータ公開のリリースを発表した。2010バージョンのリリースはPC、電話、ブラウザーでの最高の生産性体験を人々に与えるよう設計されている。ベータ版は http://www.microsoft.com/2010からダウンロードすることができる。
ベータ版の新しい機能は以下の通り。
*アウトルック・ソーシャル・コネクター(Outlook Social Connector)。通信履歴、ビジネス、ソーシャル・ネットワーキングなどのフィードをアウトルック体験に持ち込む新しい機能である。アウトルック・ソーシャル・コネクターのソフトウエア開発キット(SDK)は、第三者ソーシャル・ネットワークへの接続を構築する開発者向けに即日利用できる。アウトルック・ソーシャル・コネクターは、企業とソーシャル・ネットワーキングは、ベータ版のウィンドウズ・シェアポイント・サーバー2010とウィンドウズライブ(Windouws Live)の開始と合わせて利用可能になる。世界最大手のビジネス向けネットワークであるリンクトイン(LinkedIn)は来年初めに最初にコネクターを提供することを約束している。
*オフィス・モバイル2010ベータ公開。PC、電話、ブラウザーでウィンドウズ・オフィスを実際に体験してもらうベータ公開は、ウィンドウズ・モバイル6・5搭載電話端末のアプリケーション配信サービスである「ウィンドウズ・マーケットプレース・フォー・モバイル(Windows Marketplace for Mobile)」で即日入手できる(注)。
*テクノロジーと設計の進歩。機能の進歩は、オフィス2010とオフィス・ウェブ・アプリケーションの間のより優れた接続体験、ナビゲーション、ビジュアル設計、アイコン・アップデートなどの機能向上、新しいオフィス・ロゴ、パフォーマンスと安定性の強化が含まれる。
デルベーネ氏は「本日は数百万の人々が、オフィス2010とシェアポイント・サーバー2010のリリースの一環として提供する新しいイノベーションと能力すべてをダウンロードし、体験してもらう初日である。当社顧客がこの目標達成を喜んでもらうとともに、私はさらにマイクロソフト・プラットフォームを基礎とする開発者にとってこれほど素晴らしい時はこれまでなかったと思っている。開発者はこの機能の宝庫と単体でかつ一体的なビジネス・プラットフォームによって、親しみやすい各種ツールを駆使するとともに構内とクラウド環境の双方でマイクロソフト・オフィスとシェアポイントの中核機能を利用するリッチソリューションを構築することができる」と語った。
マイクロソフトはまたドイツの大手ソフトウエア企業であるエスエイピー社(SAP AG)との進行中の提携関係の力と成功に基づいて、「マイクロソフト・シェアポイントとSAP向けデュエット・エンタープライズ(Duet Enterprise)」名の新製品を提供すると発表した。世界で合わせて何万もの顧客を持ち、マイクロソフト・シェアポイントとともにSAPアプリケーションとそのビジネス・プロセスとを一元化することは、エンドユーザーに生産性向上の新しい波を生み出す機会を創り出す。「マイクロソフト・シェアポイントとSAP向けデュエット・エンタープライズ」は、マイクロソフト・シェアポイント・サーバー2010とSAPに基づく各種ソリューションを作成する機会を顧客やパートナーに与えることになり、さらに相互運用(接続)の追加機能を実現し、プロセスとコラボレーションの世界を一体化する。このソリューションは2010年下期にリリースされる計画である。
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1975年に創業したマイクロソフト(ナスダック:MSFT)は、人々と企業の潜在的な可能性を最大限に発揮させるソフトウエア、サービス、ソリューションの世界的リーダーである。
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- [システム・アプリ]マイクロソフト、開発者向け各種新ソフトを紹介 2009/11/20 金曜日