三洋電機、大容量リチウムイオン電池システム量産へ
大容量・高電圧リチウムイオン電池システム(写真・三洋電機 三洋電機は13日、大容量・高電圧リチウムイオン電池システム2種を開発し、2010年3月より量産を開始することを発表した。太陽電池とのハイブリッド化が可能な蓄電用システムと、軽車両の動力用システムを投入する。両電池システムそれぞれ月産500台を計画する。
リチウムイオン電池は、携帯電話をはじめノートパソコン、デジタルカメラなどの各種携帯型情報通信機器の電源として使用され、市場は年々急速に伸びてきた。最近では、電動アシスト自転車やコードレス電動工具等にも用いられる様になっており、用途も大幅に拡がっている。
三洋が今回開発した大容量・高電圧リチウムイオン電池システムは、蓄電用と動力用システムの2種。ノートパソコン用途で一番多く使われている18650サイズ(直径18ミリ×高さ65ミリ)の円筒形リチウムイオン電池を、一つのシステムに数十本~数百本搭載する。
これまで大型電源として使用されてきた鉛電池と比べ、セルベースで3~4倍のエネルギー密度を有するためシステムの大幅な小型軽量化(体積:約2分の1、質量:約3分の1)ができる。また、標準システムであることから、小規模生産または開発中の用途にも、新規開発費用の必要がなく、短納期対応ができる。
蓄電用としてはこれまでに、洲本事業所内のソーラーLEDサイン、徳島県庁で実証実験中のソーラー駐輪場システム、徳島市内にて試験的に設置している信号機バックアップシステム等で検証を重ねてきている。蓄電用システムの主な用途である、コンピュータサーバー業界の標準サイズである19インチ(幅48.26cm)のラックに搭載可能で、サーバーのバックアップ用途の他、携帯電話の基地局、太陽電池と融合したスマートエナジーシステムにも対応できる。
動力用としては、電動バイクなど電動軽車両の動力として、研究開発や小規模量産に対応。電動レーシングカートでの走行試験や、日本EVクラブのEVフォーミュラーカー「サイドバイサイド」、自治スのPike’s Peak(アメリカで開催されるカーレース)で完走した、横浜ゴムの「EVバギー」等に電池システムを提供し、実績を重ねてきている。
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