次世代フィナンシャル・メッセージング、マイクロソフト発表
【香港17日PRN=共同JBN】マイクロソフトは17日、高く評価されているマイクロソフト・ビズトーク・サーバー2009(Microsoft BizTalk Server 2009)を基礎にしたコンポーネント化金融サービス産業統合ソリューションであるフィナンシャル・メッセージング・サービス・バス(Financial Messaging Service Bus)を発表した。
このフィナンシャル・サービス・バスは、事前に構築されたサービス・コンポーネントを提供することによって、銀行、決済処理などの金融機関にとって極めて重要なフィナンシャル・メッセージングを簡略化し、マイクロソフト技術パートナーにソリューション・プラットフォームを提供する。
フィナンシャル・メッセージング・サービス・バスはスイフト(SWIFT、国際銀行間金融通信協会)ないしは決済に適用するだけでなく、技術再生プログラムの一環として、新しいソリューションを構築しレガシー・アプリケーションと共存することを可能にする統合フレームワークとしてすべてのフィナンシャル・メッセージング・システムに適応する。フィナンシャル・メッセージング・サービス・バスは、2009年スイフト・フィナンシャルEAI(SWIFT Financial EAI)の認証を受け、6年間連続でスイフト認証を獲得したマイクロソフト・ビズトーク・アクセラレーター・フォー・スイフトをサポートしている。この発表は、業界第一級の世界金融サービス・フォーラムであるスイフトの「シボス2009」(Sibos 2009)で行われた。
フィナンシャル・メッセージング・サービス・バスは開発コストを削減し、大掛かりな現場でのプロセス・エンジニアリングを必要とせず、フィナンシャル・メッセージング・統合を簡略化する再利用可能なサービス志向アーキテクチャー(SOA)コンポーネントを提供して実装過程をスピードアップする。フィナンシャル・メッセージング・サービス・バスによって、金融サービス業界の顧客および技術ソリューション・パートナーは決済・資本市場ソリューションの構築と実装にかかる時間と費用を大幅に節約できる。
タワーグループのアンディ・シュミット調査部長(グローバル決済担当)は「フィナンシャル・メッセージングと統合は共有化されてきており、そうあるべきだ。銀行はより簡略でよりコスト効率よい方法で決済処理を設計し直す必要があるが、サイロを強化しないことを保証すべきだ。高価なテクノロジー・アイランドを構築するのを回避するために、統合の複雑性を緩和し、既存の技術の上にかつそれを利用して構築する独創的なコンポーネントを使用する必要が本当にある」と語った。
フィナンシャル・メッセージング・サービス・バスは、データ変換および取引ワークフロー管理のためのマイクロソフト・ビズトーク・サーバー・エンタープライズ・サービス・バス(ESB)ツールキットを活用し、標準仕様のESBを拡張して金融サービスに特化した会計監査追跡、事業活動監視の機能を追加する。さらにフィナンシャル・メッセージング・サービス・バスのコンポーネントは、完全な運用管理およびビジネス・インテリジェンス・ソリューションのためにエクセル、シェアポイントを含むマイクロソフト・オフィス製品と容易に統合が可能である。
マイクロソフトのスーザン・ハウザー副社長(ワールドワイド・ファイナンシャル・サービス担当)は「フィナンシャル・メッセージングは、銀行などの金融サービス企業において技術刷新の機軸である。安全で信頼できる取引の実現は金融サービス企業にとって重要であるが、技術ソリューションはまた実装および管理の面でコスト効率が良くなければならない。われわれとスイフトとの長年にわたる提携関係および技術パートナー支援へのわれわれのコミットメントによって、すべての金融機関に対し信頼できコスト効率が良いソリューションを提供する点では当社は比類のない位置に存在している」と語った。
マイクロソフトはこの1年に、ビズトーク・サーバーにアライアンス・ライト(Alliance Lite)のサポートを追加し、これによりインターネットを介してスイフトネット(SWIFTNet)に接続可能となった。
スイフトのマーケット責任者ゴットフリート・リーブラント氏は「この新しいマイクロソフトのフィナンシャル・メッセージング・ソリューションのサービスは、われわれの世界パートナーシップの継続する力を強調するものだ。マイクロソフトは今回の発表によって、スイフトの顧客と世界中の記入サービス・コミュニティに対する同社のコミットを継続することを実証している」と述べた。
マイクロソフトのディレクター・フォー・ビズトーク・サーバーのダレル・キャベンズ氏は「フィナンシャル・メッセージングは世界の金融サービス・コミュニティの銀行間の相互運用性の基礎である。極めて重要で標準ベースのソリューションを要求する業界に対し、マイクロソフトが世界一流の製品を提案するためスイフトとの関係が進展したことは喜ばしい」と語った。
フィナンシャル・メッセージング・サービス・バスは現在、選ばれたマイクロソフトの金融サービス・コミュニティ・パートナーを通じてすべての顧客が入手可能である。欧州におけるマイクロソフトの長年のパートナーであるサガ(Saga)のイービジネス・ディレクターであるシュラチコ・イェグディッチ氏は「マイクロソフトのゴールド認定パートナーとして、われわれは顧客ソリューションのために技術スタックを活用しようと思う。フィナンシャル・メッセージング・サービス・バスに同梱されているコンポーネントによって、われわれは顧客に対して付加価値のあるソリューション機能を開発しメッセージング統合に少ない時間を割くため、より多くのリソースを配分することが可能となる」と述べた。
ヒューレットパッカード・フィナンシャル・サービス・インダストリーのアンディ・オレント取締役(銀行資本市場担当)は「顧客は決済処理の開発方法を簡略化することによってフィナンシャル・メッセージングのコストを引き下げることができる。マイクロソフトのプラットフォームは、顧客のコスト管理と成長促進を支援するインテグレーション・フレームワーク・フォー・ペイメンツ(Integration Framework for Payments=IF4P)として知られるヒューレットパッカードの決済アーキテクチャーと協調する」と述べた。
フィナンシャル・メッセージングは決済・資本市場の中での一つの商品サービスであり、フィナンシャル・メッセージング・サービス・バスは金融機関にとって重要な進展と運用効率を実現するメッセージングに関してより簡略化され、設定可能なアプローチを提供するように設計されている。
ラピッド・アディション社の会長でFIXプロトコル社グローバル・テクニカル・コミティー共同議長でもあるケビン・ヒューストン氏は「保険業界における一貫した課題はFIXメッセージングとスイフト・メッセージングの間でワークフローとマッピングの無駄を排して効率化することである。マイクロソフトのフィナンシャル・メッセージング・サービス・バス・ミドルウエア、ラピッド・アディションのFIXショートカット・フォー・フィナンシャル・メッセージング・サービス・バスのような技術は、銀行やブローカーが従来のソフトウエアに比して低い総費用でこれらのプロセスを自動化できるので、この課題を克服することに大いに期待ができる」と語った。
マイクロソフトは、このフィナンシャル・メッセージング・サービス・バスを利用して、金融サービス業界のメッセージング統合に対する組織的取り組みの必要性に対応する。結果として、銀行はこれから、決済およびスイフト・メッセージングのインフラとしてビズトークへの投資をさらに活用でき、いかなる地理的位置にある新たな金融アプリケーションを支援するためにそれを拡張できる。
マイクロソフトのフィナンシャル・メッセージング・サービス・バスは企業財務、金融サービス企業のメッセージングのコストを引き下げる、以下のような多数の恩恵をもたらす。
―フィナンシャル・メッセージング・サービス・バスは、事前に構築されたコンポーネントを提供することによって、銀行、決済処理などの金融機関にとって極めて重要な金融メッセージングを簡略化する。
―フィナンシャル・メッセージング・サービス・バスはデータ変換および取引ワークフロー管理のためのマイクロソフト・ビズトーク・サーバー・エンタープライズ・サービス・バス(ESB)ツールキットを活用し、標準仕様のESBを拡張して金融サービスに特化した会計監査追跡、事業活動監視の機能を追加する。
―フィナンシャル・メッセージング・サービス・バスは、銀行および資本マーケット産業における多くの複雑なソリューションを市場化する時間を大幅に改善する。多数の金融メッセージングのシナリオに適用可能ではあるものの、一つ重要な分野は決済とFIXアプリケーションをスイフトに統合することを簡略化することである。
追加情報はウェブサイトhttp://www.microsoft.com/financialservices.を参照。
▽マイクロソフトの金融サービスについて
マイクロソフトの金融サービスグループは金融機関が顧客、従業員、業務の体験を変換し、市場シェアと収益性を強化する機会を最大化することを支援するソフトウエアを提供している。マイクロソフトのソフトウエアは、金融機関の社員とITスタッフとアドバイザー・プラットフォーム、チャンネル更新、保険バリューチェーン、企業リスク管理とコンプライアンス、決済など重点分野で力を与えるよう支援する。マイクロソフトとパートナーが提供するソリューションの組み合わせを通じて、顧客は従業員がデータを見識に変え、アイディアを実行に移し、変化をチャンスに変えることができる。
マイクロソフトの金融サービスグループに関する詳しい情報は以下を参照。
http://www.microsoft.com/financialservices
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- [国際情報]次世代フィナンシャル・メッセージング、マイクロソフト発表 2009/09/18 金曜日