シンクとエナー1、電動ドライブトレーンを日本郵政に納入
【ニューヨーク27日PRN=共同JBN】電動車両のパイオニアであるシンク(Think)が開発し米国のエナーデル(EnerDel)(エナー1社の子会社、ナスダック:HEV)が製造したリチウムイオン電池システムを動力源とする新しい完全一体型の電動ドライブトレーン(動力伝達装置)がこのほど、ゼロスポーツ経由で日本郵政に納入された。日本のゼロスポーツは、日本郵便がその2万2000台の車両を電動化するために急ぎ推進中の総合路上テスト・プログラムの一環として、輸送車両を改造する際のパートナーの1つとして日本郵政に選定された。このプロジェクトを組織する戦略的パートナーの伊藤忠商事の支援を受けて、エナー1はゼロスポーツを介して日本郵政に対し最初の郵便配達車両2台を納入するにあたり、技術サポートを提供する。
このドライブトレーンは、完全な電気駆動で走行するためにガソリン駆動トラックを改造するのに使用されている。実際のデータは、欧州および米国の郵便車両を含む電動車両のユーザーおよび潜在的な顧客に提供される。
完全体系システムは、Th!nkシティ(TH!NK City)電気自動車のために当初開発され、豊富な種類のプラグインハイブリッド(PHEV)、電気自動車(EV)アプリケーションの受注業績とあいまって即納が可能なのはこの種では最初である。
エナー1社のチャールズ・ガッセンハイマー会長兼最高経営責任者(CEO)は「幅広い車両ソリューションに適合するためにすばやい調整ができる完全一体型で一般道走行可能なパッケージを提供する能力は、われわれ両社にとっての大きな前進である。われわれの顧客ために製品化に要する時間を大幅に削減し、前倒しした製造の中間目標に対応することは、わくわくするような新しいプログラムにおける格好の道筋を切り開いた。われわれは今日、そのようなプログラムを発表できることはうれしく思う」と語った。
このプログラムに活用されている新しい技術プラットフォームは、シンクの業界をリードするEVドライブシステムとエナーデルの受賞歴のあるリチウムイオン電池技術を結合している。フォード・モーター社から2003年に独立したシンク・グローバル(Think Global)は環境に優しい車両作りに18年以上の経験がある。2社は2007年に積極的な提携関係を開始し、エナーデルが次世代技術を利用したその種では初の純粋な電気自動車であるTh!nkシティ車両のために26Kワット/時のバッテリーシステム開発にあたった。
シンク・グローバルのリチャード・カニー最高経営責任者(CEO)は「われわれはシンクに独占使用権があるEVドライブシステムを画期的な新事業分野と収益機会となる第3者に供給することに大きな関心がある。エナーデルとの長期の関係は、コスト効率と高い適応性の両面を持ち、信頼性がありかつ高性能であるシステムを作り出す最も先進的な電池駆動のドライブトレーン・システムの1つで頂点に達した」と述べた。
日本郵便は現在、電気駆動車両の市場導入とインフラ開発を加速しようとする政府奨励の一環として、保有している燃焼エンジン車両の25パーセントを電気駆動に切り替えようとしている。世界中の政府関係組織が保有する車両もすぐに日本郵便の例に続くとみられている。当初は神奈川県、東京都での一般ビジネス、セールスの用途のために純粋な電気自動車を開発する。両地域では2種類の改造車両が現在、道路走行テストをしている。この車両の写真はウェブサイト http://tinyurl.com/meauurで見ることができる。
ガッセンハイマー氏は「アジアは長い間、電気駆動の将来を開拓してきた。日本はとりわけその採用を推進する世界的なリーダーである。われわれは注目を浴びるプロジェクトでともに働くことを喜んでおり、ここ米国で設計、製造したエナーデル資産であるリチウムイオン電池技術が貢献できることにわくわくしている。われわれの欧州パートナーのシンクとともに働けることで、これは貴重なグローバル事業となった」と語った。
数十億ドル規模の日本の商社でエナー1設立時からの投資者である伊藤忠商事は、その幅広い販売とマーケティングのネットワークを通じて日本におけるエナー1およびシンクの商業上のプレゼンスを拡大することに関与してきた。エナー1は、電気自動車のために急速充電システムを開発、製造する日本で最大規模の公共電力会社の1つである九州電力(KEPCO)とも提携している。
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- [国際情報]シンクとエナー1、電動ドライブトレーンを日本郵政に納入 2009/07/28 火曜日