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BIANがSOAの銀行業サービス基準、マイクロソフト発表

 【レドモンド(米ワシントン州)13日PRN=共同JBN】マイクロソフト社は13日、バンキング・インダストリー・アーキテクチャー・ネットワーク(BIAN)連合体が最初の主要な銀行業界情報技術(IT)サービス基準をメンバーおよび銀行業界全体に対して公表したと発表した。

 BIANの使命は、銀行業界の幅広い合意に基づき、系統的に定義した銀行業務に関するITサービスを提供することにより、銀行業務のより迅速な戦略・運用上の変更を可能にすることである。それは、銀行23行と技術メンバーを活用するオープンで透明なモデルによって、これを達成する。

 13日に公表された6つの基準は、銀行がIT運用から投資収益率(ROI)を増進するために標準ベースのサービス指向アーキテクチャー(SOA)に移行するのを支援するBIANの取り組みの主要な節目となる。発表は2009年7月13日から16日にかけニューオーリンズで開催されるマイクロソフトのワールドワイド・パートナー・カンファレンス2009(WPC09)で行なわれた。

 BIANのオリバー・クリン事務局長は「SOAの実装は銀行にとって重要な目標であり、ほとんどすべての銀行はSOAに移行しようと努力し順調に進行している。BIANイニシアチブは結果として、銀行が柔軟性のないレガシー環境の置き換えを加速しITおよびビジネスのアジリティ(機敏さ)を生み出し、単にコストを大幅切り下げせずに統合コストを削減する紛れもない機会であることを象徴している。BIANは、セマンティック業界標準を定義しそれを採用することによって、銀行業務およびアプリケーション・プロバイダー間の相互運用性を推進する。BIANと連携することで、銀行は今世界の最優良事例を活用することができるだろう」と語った。

 マイクロソフトのスーザン・ハウザー副社長(世界金融サービス担当)は「マイクロソフトはオーナーのコストを削減し、銀行業務にとってより柔軟でより革新的なプラットフォームを提供することを約束する。さらに、われわれはオープンスタンダードに準拠した環境がわれわれの成功にとって重大であるとみている。BIANの創設者で活発なメンバーとして、マイクロソフトは技術標準およびSOAの最優良事例の確立をめぐり、銀行業とITコミュニティーの今後の動向を決める主要な指導者とのグローバルな共同作業を可能にしている。そうする際に、BIANはニューエコノミーにおける銀行業サービスの基盤を築くのに役立つだろう」と述べた。

 BIANとSOAに関する他のベンダーによる取り組みも実現されている。ネットワークのもう一つの設立メンバーとして、テメノス(Temenos)は5月に同社のT24製品の最新リリースを開始し、モデル銀行による銀行業務に関する一式の最初の公式発売としての意味を示した。それは、銀行サービスのランドスケープ(見取り図)に関してBIANによって行われた作業結果と連携している。

 テメノスのグループ戦略・販売部長であるケーン・ヴァン・デン・ブランデ氏は同社がこれまで果たした役割に関してコメントし「テメノスは、サービス指向アーキテクチャーに移行する銀行の道のりを簡単にするというBIANの目標を全面的にサポートする」と語った。同氏はまた「われわれは、SOAの重要性を認識し、われわれの製品に多額の投資をしており、それが完全なSOA準拠であることを保証するために投資し続ける。われわれは、われわれの製品がBIAN基準と連携していることを保証するために積極的に開発を試みており、こうすることがSOAを実装している比較的大きな小売銀行のクライアントを支援するわれわれの能力の増進につながることを十分確信している。われわれは、標準ベースの統合によってコストおよびリスク削減の面でさらなる機敏さを一流のコア・バンキング・プラットフォーム上で利用可能にするという業界の必要性を達成すべく取り組んでおり、BIANメンバーのネットワークとさらに協力することを楽しみにしている」と述べた。

 次の規格文書が公表される予定である。それらは、サービス・ランドスケープ(Service Landscape)、メタモデル(Metamodel)、サービス・レポジトリー(Service Repository)、サービス・ライフサイクル管理、支払協定、支払い履行・清算・決算である。
 主要な大手銀行および銀行業の情報システム・ベンダーはメタモデルおよびサービス・ランドスケープ基準の実装をすでに引き受けており、BIANの実証可能な価値はよく理解され、その会員数が増大しているので銀行業全般はこれらの基準およびその他のBIAN基準を採用すると予想される。

 これらの基準の作成は、銀行業が急速に変わるビジネス環境に成功裡に適合するため、より大きな効率および組織的な柔軟性によってコスト削減を推進するという重要な市場責務に取り組むことを支援するだろう。今日の不安定な市場で生き残り成功するために、銀行は戦略的能力を自らの提供物に組み入れる時間とコストを縮小するには、アプリケーション・ランドスケープ(Application Landscape)およびITインフラにおいてより一層の機敏さが必要である。BIAN基準を活用することにより、銀行は、より柔軟な情報システム構造の基盤を構築できるだけでなく、システムとプロセスをスリム化して統合することで、より効率的になることができる。

 タワーグループ(TowerGroup)のロバート・ハント上席調査担当取締役によると、「BIANは、銀行とベンダーがサービス指向アーキテクチャーの設計へ移行するための標準的手法を開発する絶好の機会を提供する。タワーグループは、銀行が銀行業務に特化した標準採用およびSOA実装の最良実施例の作成の両面から大きな利益を実現することができると信じる」と語った。

 ▽BIANについて
 他の設立メンバーに加えて、サップ(SAP)とマイクロソフトによって2008年に設立されたBIANは、標準化された産業モデルに準じ長期にわたり、銀行のITサービス用のSOAおよびセマンティック定義を規定するグローバルかつオープンで、自立しユニークなコミュニティーである。

 BIANの目標は、SOA法則および方法論を利用するために、腹蔵なく経営領域および技術的専門知識を分かち合おうとする業界トップ企業およびグローバル銀行を結集することによって、銀行がSOAに移行することを容易にすることを支援することである。これらの基準を採用すれば、銀行は全体として、顧客の要求の変更によりよく応答し、より柔軟な運用環境を目指してレガシー・システムを設計し直すリスクとコストを減らすことができる。

 標準化されたサービスの開発および実施を定義し促進することによって、BIANは、運用の効率を生み出すことと成長、商品化に要する時間、増加する顧客から需要について銀行が集中することを可能にすることによって、銀行の日常業務を支援する。金融機関、ソフトベンダー、サービス・プロバイダーは、技術パートナーとともに、入会したうえで、次世代バンキング・プラットフォームの定義、構築、実現に関して、他の業界指導者と協調的役割を果たすことを求められる。

 ▽マイクロソフトのワールドワイド・パートナー・カンファレンスについて
 マイクロソフトのワールドワイド・パートナー・カンファレンスは、マイクロソフトのパートナー・コミュニティーが、市場においてパートナーが成功を収めることを支援することを目指した具体的な顧客ソリューションに関する重要なマーケティング、経営戦略、リーダーシップ、ならびに情報にアクセスすることを可能にする。販売、マーケティング、サービス、技術をカバーする有益な学習機会に加えて、ワールドワイド・パートナー・カンファレンスは、パートナーが仲間とマイクロソフトからの価値のある情報を蓄積するための理想的な舞台装置である。


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