上海世界金融センター、車をエレベーターで94階まで
【ファーミントン(米コネティカット州)23日PRN=共同JBN】オーチス・エレベータ社は中国本土で最も高いビルの94階にある展示ホールまで車を運ぶのに使うユニークなエレベーターを設計し、設置した。このエレベーターは101階建ての上海世界金融センター(SWFC)にオーチスが設置した30基のエレベーター、34基のエスカレーターの一部である。オーチスはユナイテッド・テクノロジーズ社(NYSE:UTX)の1部門である。
オーチスのディディエ・ミショーダニエル社長は「壮大な上海世界金融センターにこのようなユニークなやり方で貢献できて光栄だ。このビルにあるオーチスの一連のハイテク製品は安全で信頼でき、効率のよいサービスをこれから何年もの間、何千人もの来訪者に提供することになると思う」と語った。
この車両運搬用エレベーターは乗用車やその他の重量車を地上から90階より上にある展示ホールまで約2分で運び上げる。運搬重量が3トン以上のこのエレベーターは、SWFC内の移動を高度に効率化するスペース節約ソリューションを提供する16基のスーパーダブルデッキ・エレベーターを含むオーチスの大規模施設の一部である。
SWFCのスーパーダブルデッキ・エレベーターは、中国に設置された初めてのこの種のエレベーターである。ダブルデッキ・エレベーターは1つの垂直昇降路を使って2つのフロアで同時に利用することができる。この設計によってシングルデッキ、シングル垂直昇降路の構造より多くの人が利用できる。スーパーダブルデッキ・エレベーターには2つのかごの間にはさみのような形のコネクターがついていて、上のかごの高さを調節できる。調節はエレベーターが動くときに行われ、乗っている人は気づかない。この機能によってフロアの高さが異なるビルのデベロッパーは設計上の柔軟性が得られる。
ダブルデッキ、スーパーダブルデッキ・エレベーターによってビルのスペースを節約できるので、通常ならエレベーターに使われるスペースをレンタルのスペースに使うことができる。ビルとそのニーズによっては、ダブルデッキ・エレベーターは在来型のエレベーターに必要なスペースの最大40%を節約しながら、その一方で輸送能力を最大30%増大させることができる。
オーチス・エレベータ(Otis Elevator Company)社はエレベーター、エスカレーター、動く歩道など人員移動製品の世界最大手メーカー、メンテナンス会社である。本社は米コネティカット州ファーミントン、従業員は6万4000人で、200以上の国・地域で製品、サービスを提供し、世界で160万基のエレベーター、エスカレーターのメンテナンスを行っている。コネティカット州ハートフォードに本社を置くユナイテッド・テクノロジーズは多角化企業で、ハイテク製品、サービスを建築、航空宇宙業界に提供している。
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- [国際情報]上海世界金融センター、車をエレベーターで94階まで 2009/06/25 木曜日