スピリット・エアロシステムズ、ボンバルディア機パイロン受注
【ウィチタ(米カンザス州)16日PRN=共同JBN】スピリット・エアロシステムズ社(NYSE:SPR)はこのほど、ボンバルディアCシリーズ(CSeries*注)商用ジェット機のパイロンの設計および製造を担当することに選定された。CS100とCS300の両航空機モデルのワークパッケージはパイロンのほかに、システム、ウイング・ストラットハードウエア(strut to wing hardware)、後方フェアリング・パッケージ(aft fairing package)を含んでいる。
スピリットのマイク・キング上級副社長兼推進部門部長は「スピリットはCシリーズ航空機プログラムでボンバルディアとパートナーを組めることを光栄に思う。われわれはボンバルディアを新たな顧客として歓迎できることを非常に喜んでおり、関係を構築できることを楽しみしている」と語った。
パイロンの作業は、カンザス州ウィチタにあるスピリットの施設で行われる。パイロンは、航空機のエンジンおよび翼のケーシングを支える大型で高度に特殊化した航空構造物である。スピリットのウィチタ施設は大型民間機のパイロン製造に数十年の経験がある。施設は現在、生産中のあらゆるボーイング民間機のパイロンを建造しており、2008年には三菱リージョナル・ジェットのパイロン設計・建造の契約を受注した。
アセンブリー過程で部品の「自己位置」を提供するために、穴、表面、溝などの詳細な部品特性を活用する高度な製造アセンブリー・プロセスであるスピリット・イグザクト(Spirit Exact商標)の拡張を含め、業界トップの設計・製造過程がスピリットによって適用される。このプロセスは、部品位置決めツールとそのコスト、ならびにそれに付随する時間とメンテナンスを最小化ないしは排除する。
部品は軽量アルミニウムとチタン原料で設計・製造され、同社のカンザス州ウィチタ施設で製造される。
キング氏は「スピリットはコマーシャルマーケットにおける推進システムのリーダーとしての地歩を確立しており、このワークパッケージをわれわれの製品ラインに加えることは、わが社の将来にとって重要な一歩である」と述べた。
単通路(シングル・アイル)民間航空機のボンバルディアCシリーズ・ファミリーは、プラット・アンド・ホイットニー製ギアド・ターボ・ファン・エンジン (Geared Turbo Fan Engine)を特徴とし、100座席から149座席までの市場に合わせて設計される。Cシリーズ航空機は、民間航空会社のニーズに応えるべく、高度な材料、最新技術、実証済みの手法を結合している。航空機は2013年に就航する予定である。
(*注)Cシリーズ(CSeries)はボンバルディア社ないしはその子会社の商標である。
ウェブではwww.spiritaero.comを参照。
▽スピリット・エアロシステムズ社(Spirit AeroSystems, Inc.)について
米カンザス州ウィチタに本拠を置くスピリット・エアロシステムズは、民間航空機アセンブリーとコンポーネントの世界最大手独立系サプライヤーである。カンザス州の施設のほか、オクラホマ州タルサとマカレスター、スコットランドのプレストウィック、英セームズベリー、マレーシアのクアラルンプールに施設があり、米ノースカロライナ州キンストンに新製造施設を建設中である。米国での同社中核製品には胴体、パイロン、ナセル、翼構成部品が含まれている。さらに同社は北米、欧州、アジアでスペアパーツ、メンテナンス/修理/オーバーホール、フリートサポート・サービスを含むアフターマーケット顧客サポート・サービスを提供している。スピリット・ユーロップはエアバスを含む多くの顧客向けに翼構成部品を製造している。
▽ボンバルディアについて
ボンバルディア社(Bombardier Inc.)は、民間航空機、ビジネス・ジェット機から、鉄道輸送の機材、システム、サービスに至る、革新的な輸送ソリューションを提供する世界有力メーカーであり、カナダに本社を置くグローバル企業である。2009年1月期の総売上高は197億米ドルで、トロント証券取引所に上場している(取引コード BBD)。ボンバルディアは、Dow Jones Sustainability Worldと同North Americaの両指標の対象銘柄に指定されている。ニュースと情報については、www.bombardier.comを参照。
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- [航空・宇宙]スピリット・エアロシステムズ、ボンバルディア機パイロン受注 2009/06/17 水曜日