ファイナンスと女性の地位向上、オイコクレジットが調査
【アメルスフォールト(オランダ)11日PRN=共同JBN】オランダに本部を置く開発協力のための協同組合であるオイコクレジット(Oikocredit)にとっては、公正なファイナンス(融資)がそのサービスを受ける人びとの生活に及ぼす影響を正確に知ることが重要である。オイコクレジットは4カ国(ブルガリア、ケニヤ、ペルー、フィリピン)でこのほど実施した国際的研究の第1局面で、公正なファイナンスと女性の社会的地位の向上という概念を研究した。
マルチメディア・ニュースリリースの閲覧は以下を参照。
http://www.prnewswire.com/mnr/oikocredit/38715/
オイコクレジットは詳細にわたるインタビューを利用して、女性の地位向上が同組織のマイクロファイナンス受益者にどのような意味を持つか質問した。「それは何なのか?」「有効か?」「見込みは?」など。このような概念は「北」(先進国)の考え方なのか?それとも「南」(発展途上国)の小規模起業家に真に関係するものか?
女性の社会的地位の向上と進歩は、社会的成果を緊密に評価するオイコクレジットの努力の一環である。オイコクレジットは生活水準、教育を受ける権利、健康、その他一般家庭へのインパクトについてマイクロファイナンスが日生活に与える影響を知りたいと考えている。
オイコクレジットのショブハ・アロール理事長は、この研究が現場作業を通じて女性の地位向上に組織が確かに貢献できる方向への第一歩であると語った。
同理事長は「基礎教育、経済、財産権に対するアクセス欠如は、世界の貧者の70%が女性であることを意味している。これらの人びとは社会的に無視され、暴力の犠牲者であり、あらゆる意味で弱い立場の集団である」と語った。
このような不公平によって、貧困から一歩抜け出す機会を持つ女性は少ない。しかし、オイコクレジットは個人、家族、コミュニティーのレベルで、持続的発展を達成し、貧困を緩和する基本的要素として女性の社会的地位の向上を見ている。
さらに、社会的向上は経済的な向上で実現しうる。クレジットの利用は女性の確信、スキル、尊敬、社会的ステータスを付与する。
オランダのベルト・クーンデルス開発協力相は、女性に社会的地位の向上こそ進歩の中心課題であると語っている。同相は「経済的向上と女性の権利は相互に依存する。一方が双方を補強する。女性たちの経済的スキルと資質を利用して、われわれは長期的な経済成長のより強固な基盤を築き、男女間のより確実な平等実現に寄与する。これは私のするべきことであり、オイコクレジットは同じ目票に向かって働いている」と語った。
オイコクレジットによる女性の地位向上のための第1局面の研究の結論で、調査結果はどこで生まれ、何をしていようとも、女性の地位向上は公正なファイナンスが決定的に重要であることを示している。マイクロファイナンスのコンテキストの中でリポートは女性の社会的地位向上を「マイクロファイナンスの利用によって促進されて、自ら選択して自立する能力における女性の進歩」として要約している。このコンセプトは弾力的に変化しうるものではあるが、普遍的な社会的、経済的定義を伝えている。
世界が経済的に不安、不安定な時代にあって、貧困からの脱出と地位向上におけるマイクロファイナンスの役割の真実性について疑問に答えることが不可欠である。
女性の社会的地位向上の研究結果は、6月11日700人余りを集める見込みのオイコクレジット主催シンポジウム「女性の地位向上-オイコクレジットの経験」に提出され、議論される。これら結果は今後数年のさらなるケーススタディーの基礎となるものである。
▽主要ファクトと数字
-世界で14億の人びとが貧しい生活を送っている(世界銀行2008年数値)。
-3552のマイクロファイナンス機関が、世界中で1億5482万5825件のクライアントに達したと報告している(2007年12月31日のマイクロクレジット・サミット・キャンペーンリポート2009引用)。
-これらクライアントの83・4%、8872万6893件のクライアントが女性だった。
-世界のほぼ30億人が基本的な金融サービスを利用できない。(上記引用)
-自分で所得生み出す女性はその家族やコミュニティーをサポートして、住宅、衛生施設、健康サービス、教育、栄養食品を供給している。
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- [国際情報]ファイナンスと女性の地位向上、オイコクレジットが調査 2009/06/13 土曜日