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台湾メディアテック、次世代携帯用チップを発表

 【新竹(台湾)1日PRN=共同JBN】無線通信および家庭用電化製品分野で世界的有数のシステム・オン・チップ(SoC)メーカーである台湾のメディアテック社(連発科技、台湾証券取引所:2454)は1日、USBドングル(違法コピー防止機器)、携帯電話、ならびに他の組み込み用途を対象にしたWiMAXフォーラムWave-2フェーズ準拠の新チップ製品MT7118を発表した。同時にメディアテック社の携帯電話提携先企業からWiMAXと第3世代のGSM・EDGE(Enhanced Data GSM Environment)をデュアルモードでサポートする低価格携帯電話の試作品も発表された。これは携帯電話用チップメーカーによってサポートされた最初のWiMAX用電話である。この電話のデザインにはメディアテック社のWiMAX用チップならびに世界の先端を走るメディアテックEDGE・ベースバンド・プロセッサーが使われている。

 メディアテック社のCT・チュアン副社長は「メディアテックは単なるチップメーカーではなく、指導的なメーカーとしてWiMAX用のシステム・オン・チップでベスト・ソリューション・プロバイダーとしての地歩を固めつつある。当社が提供するシステム・チップの専門知識はWiMAXの分野で成功するためには不可欠だ。最新のWiMAXシステム・オン・チップとGSM+WiMAXデュアルモード携帯はさらに多くの無線技術を未来のエレクトロニクス製品に取り込んでいこうとする当社にとって始まりにすぎない」と語った。さらに同副社長は「WiMAX関連業界は技術的な幅広さと深さをもち、さらに多様なプラットフォームの経験をもつ当社のようなチップメーカーを必要としている」と述べた。

 この携帯電話は現在、市場にあるWiMAX携帯機器のうちでも最もコスト的に最適化されたものになる。これによってEDGEネットワーク上で音声を扱うことが可能になり、WiMAXネットワーク上で音声・データを扱うことも可能になる。さらに、この携帯電話のUSBポートを介してラップトップPCとデータの交換もできる。さらに、2.8インチのタッチスクリーンと5百万画素のカメラが付属する。IP電話(VoIP)機能も内蔵されているが、このために4年もかけて厳しい相互互換試験や使用試験を行っており、最も信頼性の高い、リスクのないデュアルモード携帯になっている。メディアテック社はGSMとソフトウエア分野における経験をそのまま今回の携帯に生かしており、携帯会社にとってはそのまま使えるターンキー・ソリューションになっている。

 部品表(BOM)に計上される価格は100ドル未満に収まるため、この携帯電話は真に費用対効果が高いソリューションになるが、新興国でWiMAX携帯を提供する事業者にとってはこれは必須のことだ。

 インフォーマ・テレコムス・アンド・メディア社のマイク・ロバーツ主席アナリストは「WiMAXにはより高性能で価格の低い部品が必要とされており、メディアテック社のソリューションは、主要な携帯チップセット・メーカーとしての実績を考えると、それを可能にするだろう。メディアテック社のチップを使ったデュアルモード電話は主な新興市場でWiMAX導入の弾みになるだろう。なぜならこの電話は高速ブロードバンドWiMAXとGSM/EDGEの両方をサポートしており、これによって音声とデータがどこででも提供されるようになるからだ」と述べた。

 このデュアルモード電話はメディアテック社のMT7110シリーズチップと同時に発表される。WiMAXチップはマレーシア株式市場に上場されている国際的テクノロジー企業グリーンパケット社(KLSE:Greenpacket)によって既に採用されている。グリーンパケット社、ジェームズ・ワング上席副社長は「メディアテック社のMT7110シリーズのシステム・オン・チップではアップリンク、ダウンリンクとも2x2MIMO、多様な送受信切替スイッチ、ビーム形成などが提供されるため、当社は最高に最適化された無線サービス性能を顧客に届けることができるだろう。メディアテックの第2世代WiMAXシステム・オン・チップ最初の顧客の1社になれて喜んでいる。メデイアテック社は加入社宅内機器(CPE)、USBドングル、携帯電話、さらに他のデジタル家電の領域にわたって、半導体チップだけでなくソフトウエアもサポートしてくれる唯一のWiMAXベンダーで、一緒に仕事できて良かった。メディアテック社のWiMAXロードマップは固定、ノマディック、ポータブルとさまざまなアクセス形態を順次サービスしていく当社の事業計画とマッチしている

 MT7110シリーズはWiMAXフォーラムWave-2フェーズに準拠したチップである。2・3/2・7GHzと3・3/3・8HGzの帯域幅をサポートしている。MT7119のパッケージサイズは1・5x1・5cm。イーサネット2ポート、IP電話2ポート、11nWiFiチップのソリューションが可能で、すべてが10x10センチより小さいボードに合うようになっている。MT7117はデータだけ、またはデータとIP電話1ポートだけをサポートするチップでさらに小さなボードで提供される。MT7118は特許の省電力デザインで、モジュール、携帯電話機、または他の携帯機器に最適である。

 MT7110シリーズのサンプル、価格、ならびにレファレンス・デザイン設計図は請求次第提供される。

 ▽メディアテック社について
 メディアテック社は無線通信およびデジタルマルチメディア分野で有数のファブレスの半導体メーカーである。1997年創立の同社は台湾に本社を置き、中国本土、シンガポール、インド、アメリカ、日本、韓国、アイルランド、デンマークと英国に販売と研究開発の子会社をもっている。詳しい情報はウェブサイト(http://www.mediatek.com)を参照。


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